ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

MusicoからQriocityへ。新しい利用環境を目指す音楽配信

2011年02月07日 | ネットビジネス

PC向け音楽配信サイト「musico」の販売が2月17日で終了するとのことで、お試しクーポンを使って「quasimode」の新作「Magic Ensemble」をダウンロード。日本ではPC向け楽曲配信が厳しいというのは以前に「MUSICO終了。PC向けの音楽配信が難しい理由」で書いたとおり。

リビングPCをオーディオ機器とつないで以来、CDではなくMP3にリッピングした曲ばかり聴くようになった。DRMのかかった楽曲は買う気がしなかったけど、DRMフリーだとついつい購入してしまう。そういう意味でもMusicoはありがたい存在だった。

amazonでMP3ダウンロードが始まったとはいえ、EMIくらいしか配信されていないのではないか。しかもmusicoなら320Kbpsのエンコードレートだったものが、256kbpsと音質が落ちている。DAPで聴くならそれでも十分かもしれないけれど、コンポを通じて聴くとなるとこの差はやはり気になるもの。

団塊の世代など、オーディオファンと呼ばれる層がなかなかCDから楽曲配信に移行していないこともあって、高音質楽曲配信は盛り上がってはいない。しかし例えばビートルズのリマスターCD(16bit)よりも、同時に限定販売されたUSB版(24bit)の方が高品質の音源となっていたり、e-onkyo musicでは24bit/96kHzでの楽曲配信が行われていたりと、CDよりも高品質な楽曲データや配信への取り組みは始まっている。

以前、あるコンテンツホルダーさんと組んで、ライブ音源の5.1chストリーミング配信を行ったことがあるのだけれど、当時はそれを再現させる環境が用意できず苦労した。そりゃそうだ、WMPを利用しようとすればWinPCでなければならないし、当時5.1chのスペックのPCをもっているユーザーなんてコアなゲーマー位のものだ。彼らがJazzやクラシック、環境音楽をPCで聴くとは考えにくい。

そうした音源もネットを経由してリビングルームのコンポやAV機器、ネット接続可能なTVやBD経由で聴けるとなると状況は変わってくる。海外のオーケストラの演奏を自宅の5.1chの環境で同時に楽しめるなんて最高じゃないか。いい音楽をいい品質で聴く、高品質楽曲配信といったものは、これからが本番なのだろう。

終わるサービスがある一方で新しく始まるサービスもある。1つがSonyが自社製品向けに進める「Music Unlimited powered by Qriocity」だ。これはイギリスで開始されたサブスプリクションモデルの音楽配信サービス。基本的にストリーミング配信の形式をとり、月額3.99ユーロの「ベーシック」コースと9.99ユーロの「プレミアム」コースがある。

このコースの違いはベーシックコースがユーザーの嗜好に応じた「チャンネル」での提供(≒ラジオ)を行うのにたいし、プレミアムでは「オンデマンド」の再生が可能となる。

こうしたサービスは何も真新しいものではない。ただこれまでと比べて環境には大きな変化があった。これまでであればPCを前提に、一部ケータイ向けサービスが入るかどうかだったが、DAPの無線/モバイル対応が当たり前となり、デジタル家電やPSのネット接続やスマートフォンのようなandroid端末も普及し、さらにはネットTVのようなものも登場しつつある。利用できる環境は確実に変化しつつあるのだ。

ただし音の品質的には48Kbpsとラジオ品質程度。このあたりは残念なところ。

PC向けの音楽配信から、より広い利用環境へ向けた音楽配信へ。これがすぐに成功モデルにつながるとは思わないければ、一歩一歩進化していることは間違いがないのだろう。

quasimode- Whisky\'s High feat. AFRA


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