ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

実名ソーシャルメディアを支えるために必要なダイバシティ

2011年07月30日 | ネットビジネス
フジテレビの韓流好き(過ぎ)をTwitter上で批判したとして、高岡蒼甫がスターダストプロモーションを解雇された/辞職した。その前には山本太郎が自身の主張(反原発)のために事務所を辞めている。

 高岡蒼甫、所属事務所から離脱! 増えゆく反マスコミ芸能人たち - メンズサイゾー

その主張や内容の是非については問うつもりはないのだけれど、仲間内であれば笑って見過ごされるようなことでも、ソーシャルメディア上では不特定多数の人間に知れ渡ることとなり、あるいは記録(LOG)として残ってしまうために、その影響力は計り知れないものになっている。

そういう意味ではソーシャルメディアというのは、個人が「個人のつぶやき」のつもりであったとしても、公の場に主張しているのだということを改めて確認しておく必要があるのかもしれない。それが新しいメディアのリテラシーなのだ、と。

僕も今の韓流ブームは人為的に盛り上げられているものだとは思うけれど、高岡蒼甫の場合、あまりにも稚拙すぎると思う。タレントだからこれだけ大々的に取り上げられている部分はあるとはいえ、サラリーマンで言うと、営業マンが自らの名前を晒したまま、自分の顧客の悪口をネット上に書き込んでいるようなものだ。その顧客を好きかどうかは別にして、そこで商品やサービスを買ってもらっている以上、自らの名前を晒してその悪口を書くというのは、分別が足りない以外の何者でもない。少なくとも2ちゃんねるのような匿名性の世界の中でやるべきなのだ。

それに比べて山本太郎の場合は少しかわいそうな気がする。「黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ」という表現はどうかという問題はあるけれど、原子力撤廃デモへの参加など、一連の行動は「信条」「信念」に近い。とすると、それを理由に事務所を退職せざろうえない状況というのは、どうなのか。仕事の内容や完成度に対して、そうした信条が問題になることはないだろう。キリスト教徒だからといって、仏教系の本の出版に関わることがNGとは誰もいうまい。

日本でもFacebookのような実名でのSNSが注目を集めているけれど、もう一つそれが日本に馴染まないの気がするのは、単に「自己主張」の文化ではないというだけでなく、こうした他人の主張や信念、信条、考え方というものに対して、容認しようとしない文化が背景にあるのだと思う。「容認」というとニュアンスが違うか。「違い」を認める、受け入れる、その上で関係性を保つということをしたがらないのだ。

「あぁ、これは使いづらそうだ」とか「クライアントや上司から何か指摘されるかもしれない。だったらそうならないように他の人を使おう」といった、関係者全体の関係性維持のために「過剰な配慮」や「回避行動」が行われ、出る杭は「打たれる」あるいは「無視される」のだ。

こうした文化の下では、下手なことを実名で発言する訳にはいかない。

これを一種のダイバシティの問題だとかんがえるならば、やはり日本ではまだまだ個々の多様性を認め、活かす文化ではないのだろう。まずは「社会の関係性」や「人間関係」が重視されるのだ。


それにしても、ソーシャルメディア時代というのは難しい時代になったのだと思う。

一昔前であれば、自分の発言は直接その場ににた何人~何十人しか聞いていなかったし、人づてで伝わったとしてもその範囲は限られたものだった。しかし今は違う。このブログを読んでいる人の殆どは僕のことを知らないし、僕も読んでいる人のことを知らない。しかしこうした形が「関係性」として成り立ち、現実には何百、何千というトラヒックにつながっているのだ。

こうした中で「実名」で何かを書くということは、本当に勇気がいることなのだなぁ、と改めて思う。


ジャスミン革命とソーシャルメディア、新しい時代の可能性と不安

3 コメント

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Unknown (たけ)
2011-08-02 23:25:02
全体的に同感。

>日本ではまだまだ個々の多様性を認め、活かす文化ではないのだろう

私自身多様性を認められない時期が長かったですね。最近ようやく若干進歩したかなあ。これって日本という問題ではなく外国でも多かれ少なかれ同様で、多様性を認めないのは人間の本能的な習性だったりして・・・。理性で受け入れられるようになる!?
ネットでの表現の仕方、難しい。匿名でも勇気がいります。過激な本音は誰かを傷つけそうだし。
トラブルを避けるなら・・・ネットでの発言は現実社会同様に良識ある一般的な内容になってしまうのでは?(ネットは匿名のようでいて匿名でないからね。)きわどい本音は、現実社会で言うのが安全かも。って、これすらも、今や「○○がこう言ってたなう」とつぶやかれちゃう時代なので、そのうち本音を言えなくなっちゃう!
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Unknown (beer)
2011-08-03 23:41:05
うーん、遠くの誰かに何か真実を伝えられるなら、親しい誰かを傷つけるのは仕方ないと、どこかで思ってると、その免罪符として匿名性を守ってるとこはあるかな。

logを追えば誰かなんてわかるのだけど、匿名であることで、どこかでリアルを離れた人格をさらけだせるというのも事実なわけで、そうした自己の他者性をどこまで許容するかは難しいですね。
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Unknown (Gangangansoku)
2011-08-06 06:11:14
こんにちわ
興味深い記事ですね、
うんうん、とうなずきながら読みました。
ソーシャルメディアに関わる
者としてインターネットに
書くことにもっと
注意しなきゃなとおもいました。
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