ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

001(ワン)ダフル!、KDDIは今、何故、あのCMを流しているのか

2009年12月02日 | ネットワーク
ゼロ・ゼロ・ワンダフル!最近やたらとCMを見るようになった、ちょっと懐かしいKDDIの国際電話のCM。KDDIといえば、どうしても携帯電話auのイメージが強いし、事実、これまではCMもauモノか、auを核に家庭の通話やひかりONEを絡めるといった形がほとんど。国際電話が盛り上がっているという話をきくわけでもなく、では、何故、今、KDDIがこのCMを流さねばならないのだろうか。

そもそも国際電話は伸びているのだろうか。

総務省の「トラヒックからみた我が国の通信利用状況【平成19年度】」版をみると、国内通話時間(固定系、IP電話、携帯、PHS)は平成15年度から毎年逓減。特にH15年度、H16年度は対前年比で10%近く減少するといった時期もあったものの、その後は緩やかに減少し、H19年度は対前年比2.1%の減少となっている。

これに対し、国際電話は平成18年度までは通信回数が伸びていたが19年度は対前年比で10%近く減少。そうした影響もあるのだろうKDDIの19年度2Q以降、「国際電話」の営業収益は減少を続けており、昨年度の2Qと今年度の2Qを比べると20%も収入が減ったことになる。

もちろんこうした減少傾向の大きな要因は昨今の経済状況だろう。しかしある意味、もっともKDDIが安定してシェアを確保している国際電話事業で、もう一度、市場を掘り起こそうとしていることは十分考えられる。

しかしそれだけではない。仮に国際電話の需要が高まったとしても、KDDIにとってはNTTコミュニケーションズなどとは全く別のライバルがいる。それが「skype」だ。

今年の3月に国際通信業界調査会社のTeleGeography社はSkypeが国際通話のシェアの8%を奪い、世界最大の国際通話プロバイダーになったと報じた。

Skypeの国際通話シェアは8%、世界最大の国際通話プロバイダーに

国内のキャリアの競争においては、マイラインのような不毛な競争もあったものの、結局はIP電話と携帯電話(の割引競争)へと収斂しようとしている。それに対し国際通話については、その時間当たりの料金が大きいこともあって、パーソナルユースの分野ではskypeのような多少品質が悪くても安い(無料)インターネット上サービスに流れていくだろう。

KDDIにとってはNTT以上にやっかいな敵を抱えているのだろう。

コメントを投稿