文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 1

2023-06-02 16:28:26 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 元日本の社会人だった主人公は、男爵の3男・リオン・フォウ・バルトファルトとして剣と魔法の世界に転生する。その世界は、極端な女尊男卑。この世界は死の直前までやっていた乙女ゲームの世界。乙女ゲームというのは、私もやったことがないのだが、要するに恋愛シミュレーションゲームで、イケメンたちを攻略していくというゲームらしい。だから、女性に極端に都合がよく作られている。

 権力は女性が持っており、好き勝手に遊び歩いている。エルフや獣人の愛人を堂々と連れ歩くのも許されているのだ。しかし、戦争などで闘うのは男、一家の大黒柱も男。そう男は搾取されるだけの存在なのだ。特に貴族の女性がひどいようだ。

 ところが作ったのが、これまで男性向けのゲームを手掛けていたメーカーなのでロールプレイングゲーム要素や、戦略シミュレーションゲームの要素まで入っているのだ。戦闘は、鎧と呼ばれるロボットもどきに乗り込んで行うのだが、なぜに剣と魔法の世界にそんなものが。

 そして、乙女ゲームに付き物は、ヒロインと悪役令嬢である。実は、ヒロインは、オリヴィアと言う少女なのだが、この作品では、そんな徴候は見られない。代わりにゲームのヒロイン役として登場してくるのが、マリエという子爵令嬢。ゲームでのオリヴィアの役を次々に取っていくのである。そして悪役令嬢役はアンジェリカという公爵令嬢。このアンジェリカ、どこが悪役やと突っ込みたくなるほどいい娘なのだ。最後にはアンジェリカとオリビアは仲良くなる。しかし悪役令嬢とヒロインのタッグとは。

 リオンはマリエのことが本能的に大嫌い。実はマリエはリオンの前世の妹が転生した人物である。普通兄妹は仲良しで描かれるのだが、前世で、妹に徹底的に利用されたのでリオンは前世の妹の事が大嫌い。その妹は外面だけは良いらしい。だから両親は、主人公のことを誤解したまま。主人公が好きでもない乙女ゲームをやることになったのだって、妹が遊びに行くので攻略を押し付けられたからだ。

 リオンが頭角を現したきっかけは、父親の正妻のゾラ(リオンは諸子)が彼に見合い話をもってきたこと。ゾラも典型的なこの世界の貴族女性であり、彼女の持ってきた見合い話というのは、なんと相手の女性は50過ぎで、既婚7回の猛者である。要するに身売りされ、使いつぶされるということだ。

 危機感を感じたリオンは、なんと浮島を攻略して、お見合い話を無くす。また浮島を攻略した功績で王都の学園を卒業したら男爵に叙爵されることになった。

 そして、学園でマリエに操られていた王太子ユリウスとその取り巻き4人をボコボコにする。王太子を倒してしまったリオンだが、自分が助かることと、家に迷惑がかからないことに関する工作をアンジェリカの父である公爵に頼む。その結果が、王太子を含む5人の廃嫡と、自らの叙爵と昇進。学園を出てスローライフを楽しむつもりだったリオンはあてがはずれてがっかり。

 この1巻で、完結するのかと思ったら、現在まで11巻まで出ているのである。いったい2巻以降でどのような展開があるのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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