文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:ゆりてつ1

2016-03-08 09:14:00 | 書評:その他
ゆりてつ(1) (サンデーGXコミックス)
クリエーター情報なし
小学館

・松山せいじ

 これは、私立百合ヶ咲女子高鉄道部、通称「ゆりてつ」に所属する4人の少女たちの物語だ。タイトルから不埒なことを連想してはいけない。かわいらしい女子高生たちが鉄道の魅力を伝える、健全このうえないマンガ・・・いや、やっぱり若干そんな感じもあるかも。

 主人公は、ほわっとした天然癒し系の日野はつねという高1の少女。学校から家に帰るのにも迷子になるくらいの方向音痴だ。場面は、はつねが百合ヶ咲女子高に入学したところから始まるのだが、その日家に帰るのにも迷子になる始末。これで、よく初日に学校までたどり着けたものだと思う。

 何しろ、彼女の自宅の最寄り駅は常磐線勝田駅。茨城県だ。そこから中央線立川駅のひとつ向こうにある百合ヶ咲女子高前駅までの通学時間は、なんと片道3時間。

 はつねが入学初日に出会ったのは、3人のテツ娘たち。ツンデレ「撮りテツ」の能登まみこ、ロリっ娘天才少女で「乗りテツ」の鶴見はくつる、食いしん坊で「駅弁テツ」の石塚まろん。こういった、いろいろな趣味の人の要望に応えるのは、同じ作者による「鉄娘な三姉妹」と少しテイストが似ている。なお、能登まみこは、「鉄娘な三姉妹」に「非テツ」のお嬢様として登場していた。「もーっ、テツはいやー!!!」と言っていたのだが、順調にテツに育ったようだ。たぶん作者のお気に入りのキャラなんだろうなあ。

 はつねは、自宅に帰る途中、いきなり、わけもわからないままに、彼女たちと「北斗星」に乗って北海道に行くことになってしまう。他の3人は、高校で鉄道部を作ろうとしていたのだが、4人揃わないと部活の許可が出ない。それではつねが4人目として目をつけられたというわけである。おまけに部長までやることになってしまうのだ。

 訪れたのは、豪雪の秘境駅小幌、母恋めしの室蘭、夜景の函館。そこから青森県に戻って津軽半島側のJR東日本最北端の三厩、そして竜飛岬。はつねもすっかりみんなとの旅の楽しさにハマってしまったようである。

 この他にも多摩モノレールに乗っての、はつねの下宿探し。銚子電鉄に乗って、部活動の報告のための取材旅行。近江鉄道に乗って聖地巡礼ツアー。

 これは、はつねがテツ娘3人にいじられながら、どんどん鉄道の楽しさに引き込まれていく話だが、鉄道部の4人が鉄道旅を通じて友情を育んでいく物語でもある。可愛らしい少女たちがワイワイ言いながら鉄道の魅力を紹介する物語はとっても楽しい。


☆☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。

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