空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

「ガール」  奥田英朗 講談社文庫

2014-07-04 | 読書



これは参った。面白過ぎた。

この本は、ガールの実態をうまく穿り出して、それなりの仕事や生活の重さや、ガールと呼ばれる時代の女性の心理を描いて、最後はそれもパッピーだよと締めている。
時代は違っても同じような悩みはあった、気分のいいときには少し浮かれ、厳しいときも越えてきた。
そんな事も含めて良い話で心が軽くなった。
健康で、目標があるに越した事はないが、その向かうところはそれぞれ違う。



職場で、年上の男性がいる課の管理職を持たされたり、その年上がコネ昇進目前でやる気が無かったりする。
夫は余り無いタイプで面子なんてものには拘らない。仕事のストレスはやや重いが、世間離れした幸せな夫がいる(ヒロくん)

私も覚えがある、将来を考えて独立するには、住処だ。今はマンションだ。買うことに迷い、次はどこにするか迷う。気分は舞い上がったり落ち込んだり、夢と現実の間で揺れる。
(マンション)

大手広告代理店勤めている。給料も良く、会社も名詞を出すときにちょっといい気になれるランクである。百貨店の催事のプランの打ち合わせに行く。
ブランドできっちり決めていく。同行する先輩は派手目。若く見えることに自信があり、行動的だ、仕事も出来る。片や百貨店の女性の担当者安西は、キャリアスーツで決めた凄腕だった。
プランの手直しを提案されるがそれもこちらより良い案だった。イベントの当日、トークショーはうまく行った、無事進行していたが、企画した各店舗の出し物のファッションショーでモデルが出られなくなる。ひとつのテナントが欠けるのは良くない。店側の担当者の安西が急遽代役になり。大成功。
堅物のように見えた安西も同僚の応援もあり喝采をあびた。やはり彼女も若い女性だった。奇抜な先輩もそれで良い、大きな励みだと思った(ガール)

子持ちバツイチの孝子は職場に復帰した。夫が引き取るのを拒否した子供はしっかりもの、一年生で可愛くて仕方が無い。自動車メーカ-の営業部は企画が主な部署だった。残業もある、出張もある。でも両立できる自信が有った、信頼出来るヘルパーさんもいる。育児を錦の御旗にはしない。
シンブルマザーと知った同僚はそれとなく気遣ってくれる、しかし仕事ではそれを言い訳にしたくない。
企画会議がありウェブサイトを使うキャンペーンで販売部とぶつかった、土俵際で、日曜ゴルフの話が出た。その日は子供の両親参観日だった。ついに錦の御旗を振ってしまった。そして自己嫌悪に陥った翌朝、販売部の担当に謝った。すっきり、気持ちよく頑張るお母さん(ワーキング・マザー)

ハンサムで爽やかな新人がきた教育担当になったが、彼がまぶしい、気になって仕方が無い、社内中の女性は彼に妙に愛想が良いそれも気に入らない。しかし彼は一回り年下である。人柄も良い、彼女もいないらしい。なんとなく若い子からガードしたくなる。複雑な心境(ひと回り)





驚いたことに奥田さんはファッションにやたら詳しい。それもコーデネイトまで書き込んでいる。ブランドなど知らないものまで出てくる(私だけ?笑)
それは置いても、何でこんなに微妙な年頃のガールの心境がわかるの。同じ年頃の女子はこれを読んで泣くだろう(^^)。話題にもするだろう。

結びが幸せでより気分が良い。
コメント
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