美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




明治神宮は初詣に何度か行ったことがあるくらいでした。人がごみ
ごみと歩く様子が目について、そんなにいい印象を持っていなかっ
たのですが、平日の朝早く行ったらとても静かです...

木目を活かした鳥居をくぐり、砂利道を歩いて行きます。空は青く、
路上には落葉を掃きながら道を清める男...近くに電車の音やホーム
のアナウンスが聴こえてくるのが残念でしたが、ぴりっとした空気
に土地の力のようなものを感じました...

そう、春草は晩年を代々木で過ごしたそうで、今は明治神宮になっ
ているこの一帯は散策コースだったそうです。代表作の『落葉』を
生んだ場所でゆかりの展覧会を観られるなんて、とても嬉しいこと
だと思いました...

若い頃の作品もたくさんあるけれど、私は掛軸の作品が好きでした。
『雨後筏図』『躑躅図』『海辺の松林』『雪夜』。その空気感...
さりげない風景をどれだけ風光明媚に魅せるのか。

『かけす』は『落葉』の別バージョン。たっぷりと墨を含んだほお
の木の豊かなふくよかさ...

そして『蓬莱山』...夕暮れ前のうっすらとした光に包まれた奇景は
浄土のようでした。

今回はパンフレットを買いました。その中の言葉。
> 思想的な含みを持つ絵画に比重が置かれてきた明治の美術界に対し、
> 純粋に視覚に訴えるという鑑賞画としての価値観を示した点におい
> て、代々木時代の作品群は画期的であった。

そう、純粋に視覚に訴えてくる作品は好きだな...

前期は 10/29まで。後期は大幅に展示替えがあるので、きっと観に
こようと心に誓いました...

菱田春草展 (明治神宮文化館 宝物展示室) - 11/29

おまけ 春草関連の書き込み...
桜さくらサクラ・2005(山種美術館)
永青文庫の近代日本画
揺らぐ近代 (東京国立近代美術館)

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
はじめまして (もか)
2009-10-26 11:14:02
lysanderさん、こんにちは。
TBをありがとうございました!

朝の明治神宮…春草の描いた代々木の杜に近い雰囲気が味わえそうですね。

なぜ春草の絵に惹かれるのか考えていたのですけれど、
おっしゃる通り、さりげない風景が純粋に視覚に訴えてくるところが良いのだと気づきました。
後期もまた楽しみです。
 
 
 
Re: はじめまして (lysander)
2009-10-27 01:10:12
もかさん
こんばんは

> 朝の明治神宮…春草の描いた代々木の杜に近い雰囲気が
> 味わえそうですね。
そう、そんな気がしました。
# 展示会場から出てくる頃には観光客でざわついていましたが...(^^;

後期の展示を待ち遠しく思います。
 
 
 
Unknown (はろるど)
2009-10-27 21:57:43
こんばんは。平日の朝は良いでしょうね。
私も神宮のちょっとがちゃがちゃした雰囲気が苦手なのですが、
ぴりっとした空気は是非感じてみたいものです。

そう言えば後期は土曜からでしたね。
ご一緒します?(時間厳しいですかね…。)
 
 
 
Unknown (lysander)
2009-10-28 01:11:14
はろるどさん
こんばんは

> そう言えば後期は土曜からでしたね。
> ご一緒します?(時間厳しいですかね…。)
行くなら朝一番(9:00開場)!?
そしたら時間のお釣りがくるかもしれませんね...(^^)

まぁ、お互いに無理のないような行程で...
 
 
 
Unknown (noel)
2009-10-29 08:37:59
こんにちは。
本当に、ゆかりの地で絵を見られるのは嬉しいですよね。参道を歩くだけでもヒーリング効果ありますし(笑)落葉や武蔵野など丁度今の季節と合った絵も多くて楽しめました。
 
 
 
Unknown (lysander)
2009-10-29 23:53:11
noelさん
こんばんは

> 参道を歩くだけでもヒーリング効果ありますし(笑)
そうそう。
私はごみごみした時期にしか行ったことがなかったので、
静かな参道も堪能できたのもうれしかったです。

後期も楽しみです。
 
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