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鳥の巣頭の世迷い言

読書音楽観劇、ハゲタカ廃人、そしてアラシックライフをエンジョイしている三十路のお気楽会社員・ガバ鳥のblog

ジャクロ(の舞台)のためにイギリスへ@泥縄準備編

2019年01月03日 16時11分47秒 | 舞台・コンサート感想
5月にオタオタしながら予約をした舞台「Measure for measure(尺には尺を)」を観劇しにロンドンへ行った記録をつらつらと書きたいと思います。

チケットをヒーコラしながら予約した時の記録はこちらの記事を参照のこと(ジャクロ(の舞台)のためにイギリスへ@チケット予約編)。
舞台の感想以外の旅の記録についてはこちらの記事を参照のこと(続・旅ケルクの記録1(ロンドン編1)@ダンケルク ロケ地・ゆかりの地を巡る旅)。


チケットをとったとき、英語ダメダメ、シェークスピア舞台についての知識Nothingな私、舞台を理解をする為にまずは準備をしようと思いたちました(佐々木蔵之介が主演した「リチャード三世」は観たことある。日本語だったけど。)。
これは、より深く理解する為...というよりも、Measure for Measureを寝ずに鑑賞するにはどうすればいいのか、という低い志の為です。
時差ボケ、疲れ、知らない言語が3時間となれば、絶対に集中力が切れて寝る...私はそういう人間だ...たとえ推しが出ている舞台であろうとも。
情熱だけじゃ集中力は3時間も続かない、だって私だし。←私は歌舞伎や能楽も好きですが、体調が悪いとすぐ眠くなる+言葉が聞いてすぐに理解できないため、初見に寝てしまったことがあるのだ!!(堂々と告白)

ということで、まずはシェイクスピアのオリジナル、日本語翻訳版を紀伊*屋さんで購入(こういう時、大きな本屋が近くにあることのありがたさを感じる...)。
そして、耳に慣れてもらうため、ア*ゾンUS経由でオーディオCDも購入。
オリジナルを読みつつオーディオを流し、日本語版を読めばバッチリ....のはずでした。
ちゃんとやってれば。
ええと、もう御察しの通りなんですが、例によって多忙という名の言い訳?のでせいで、あまり目を通すことが出来ませんでした、なんてこったい(7月にダンケルクのロケ地巡りをする為の準備をしていたり、8-10月は旅行記録を整理してたせいもある)。

ということで、部分部分、これだけはジャクロの声でしっかり聞きたい、これだけは自分で観て理解しておきたい、というシーンをいくつかピックアップして、頭に入れて観劇に臨むことに。
ああ、本当に泥縄。そして恨むぞ、自分の英語難民ぶりに。
←行きの飛行機の中や、ホテルのベッドの中まで、ギリギリまでこの準備をすることに。ヒーコラ。


「翼よ、あれがテムズ川だ」とか言ってる場合ではなかったロンドン到着日(お昼12時くらいにロンドンに到着)

ということで、私が特に観ておきたい、ジャクロの声で聞きたい、(ジャクロ以外の)俳優さんの演技を観たい、と思っていたシーンは以下の通り。

<あらすじ>
遠方に旅にでる公爵の代理に任命された青年貴族のアンジェロ卿は、風紀を取り締まるために法律を厳格に適用し、結婚前に恋人の女性を妊娠させた若者(クローディオ)に対して死刑の宣告をする。クローディオの知人から知らせを受けた、(クローディオの)妹で修道女見習いのイザベラは、兄の助命嘆願のためアンジェロの元に訪れる。しかしイザベラに心奪われたアンジェロはイザベラに兄を助けたければ自分に身を委ねよと言う。困り果てたイザベラの元に修道士が訪れるが...。

1. 公爵がアンジェロに対する評価を口にする場面
「今はただこう言っておく、アンジェロ卿は潔癖で、中傷に対する防御が固く、熱い血が通っているとは思えず、意志よりパンを好むとも思えない。そこで、仮に権力が人を変えるとすれば、権力を持った偽善者がどうなるか、見ようというのだ。/Lord Angelo is precise, stands at guard with envy, scarce confesses. That his blood flow, or that his appetite Is more to bread than stone. Hence shall we see, if power change purpose, what our seemers be.」
正直、この場面からすでに公爵閣下から出てくるクセ者感...。公爵はアンジェロに対して、こんな風に思ってたんだね、ふーん...というか。

2. シスター見習いイザベラに恋に落ち、戸惑う公爵代理アンジェロ卿の独白
「これは何だ、何なのだ?あの女のせいか、私のせいか?誘惑する者とされる者、いったいどちらが罪深いのか?嗚呼。/What’s this? What’s this? Is this her fault or mine? The tempter or the temped, who sins most? Ha?」
←この時のジャクロの目の動きや体の動きが観たい

3. 兄を助けたければその身を私に預けろ(抱かせろ)と迫るアンジェロ
「あなたの宝(=処女)を差し出すか、さもなくば、あなたの兄が苦しむしかない。あなたはどうする?/You must lay down the treasures of your body. To this supposed, or else to let him suffer, what would you do?」
←ゲスいお奉行さまみたいなことを言うジャクロを観たい(ゲッヘッヘ)

4. 不条理な取引要求をするアンジェロを弾劾する、世間に訴えるというイザベラに対してアンジェロが言い放つ言葉
「誰があなたを信じるものか、イザベラ!汚点1つない私の名声、私の厳正な生活、お前に対する私の反論、国家における私の地位、これらのおかげでそんな非難は突き崩される。お前は自分の言葉を喉に詰まらせ、悪臭を放つ。/Who believe theee, Isabel? My unsoiled name, th'austerensess of my life, My vouch against you, and my place i'ht'state, Will so your accusation over weith That you shall stifle in your own report And smell calumny. 」
「あなたの真実は私の虚実に勝てはしない。/my false o'erweights your true.」
←ゲスいお奉行さまみたいなことを言うジャクロを観たい2(自分の欲望に忠実な人)

5. 戻ってきた公爵がアンジェロに罪状を告げる場面
「クローディオにはアンジェロを、死には死を。早急には早急を。猶予には猶予を。類には類を。尺には尺をもって報いるのだ。/An Angelo for Claudio, death for death! Haste still pays haste, and leisure answeres leisure, like doth until like, and Measure still for Measure.」
←一見、胸がすくような大岡さばきみたいなことをしてる公爵閣下を観たい。この時のジャクロの表情/反応が観たい(自分の欲望に忠実な人2)

6. 大円団?の最後、公爵がイザベラへ行う(ワッツハプンな)提案
「愛しいイザベラ、私はあなたの幸福へ繋がる申し込みをしたい。耳を傾けてくれるなら、私のものはあなたのもの。あなたのものは私のものだ。/Dear Iavel, I have a motion much imports your good, Whereto if you'll a willing ear incline, What's mine is yours, and what is yours is mine.」
←いや待て公爵、あんたが一番ゲスなんじゃあ....で終わる最後のセリフ。正直、この時の周りの俳優の表情や動作、観客の反応が観たい(Me too運動の影響を多少なりとも受けている時期でもあったし)。


主にこれらのポイントにフォーカスするように準備だけをして、いざ、本番へ(もう開き直ったとも言う)。





(泥縄タイム@ロンドンの某ホテル;ジャクロの舞台の観劇日の朝)


Ref)
1. ウィリアム・シェークスピア(2016年)尺には尺を(シェークスピア全集28)(松岡和子 翻訳)ちくま文庫
2. William Shakespeare (2015年)Measure for Measure (PENGUIN CLASSICS)