「隊長、エンジンが変です。このままでは基地に戻れません。」
「丁度良いや、今日は暑いからあそこのビーチに降りよう。海水パンツは持って来たか?」
「ビ、ビーチはまずいでしょ、ビーチは。怪我人が出て大変な事になりますよ。」
「じゃぁその向こうの空き地に不時着しよう。」
「いや、そうじゃなくて海に降りましょうよ。」
「海? このヘリをオシャカにしたらどうなるか分ってるだろうな、軍法会議もんだぞ。」
「じゃ、じゃぁ空き地に降ります。この前もジープで事故ったばかりだし。」
「だいたい俺達は日本を守ってるんだ、そんな小さな事は気にするな。」
ま、ヘリの中での会話はともかく意識はこの程度でしょう。
ついこの間は沖縄でヘリが墜落したが、基地の周辺に限っていえば沖縄も本州も同じ。それにしても砂漠の真中でなく人口密集地にこんな基地が平気で存在するなんてのは狂気の沙汰。こんな事が何時まで続くんだろう。
ニュースのインタビューを見ててふと違和感があったのは怒りというのが少ないことだ。そういう部分は放送されてなかったのか、それともそんな程度の反応? ま、死傷者が無いということでニュースの扱いも小さいようだし。