森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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お知らせ08年4月② ― カミキリの浮游空間日記
条件は金だ-入学式を拒否された生徒。
入学金未納の2生徒、入学式に出席させず 千葉の高校 千葉県八千代市の県立八千代西高校(大迫太校長)が、入学金を納めなかった新入生2人を、8日に行われた入学式に出席させなかったことがわかった。同校は「入学金を納めてもらわないと入学を許可できず、苦渋の選択だった」と説明している。 同校と県教委によると、新入生159人は入学金5650円や教材費、授業料など計9万円を入学式当日に納めることになっていた。ところが2人の生徒が未納であることがわかり、保護者に連絡したところ、それぞれ「今日は払えないので、後日支払いたい」「お金を持ってきていない」と話したという。 |
結果的に、2人の保護者は入学金を納め、生徒はいずれも入学は許可されたらしい。
この場合、入学式に出席させなかったことが問題として存在するのは、本来、簡単なはずの解決の方向が他の価値観と衝突するからだ。
ようは、校長の価値観は、入学金納入を入学を認める前提とするという県条例の遵守に置かれていたということだろう。それだけでなく、より重要なのは、条例の遵守が生徒の式に出席するという意思をも奪い去ったという事実である。
入学金納入の有無がはたして一人の高校生の今後をも左右しうるほどのものか。しかも、入学金は入学式当日に収めることになっているというのだから、そもそもこのような事態が発生することは容易に想像つくし、仮に当日の未納であっても式の出席は担保されている、されるべきものと理解するのが妥当なように思えてならない。
いうまでもなく校長は、管理者であると同時に、教育者でもあるのだから、生徒の成長にとってどんな対応が適切であったのか、教育的な配慮というものがあるとすれば、それを発動すべきではなかったのか、判断できるだろう。校長は、教育者である前に管理者であった。
子どもの貧困がいま問題になっている。親の世代の貧困が子どもに影を落としている。貧困が連鎖し、貧困の固定化さえ懸念される今日なのである。
記事だけではその背景を把握するのはむずかしいが、入学金を払えないというのはもちろん生徒の責任ではない。一方で、入学式に出席する/しうるのは生徒のはずである。
この問題が問うのは、つまるところ子どもに向き合う、おとなの、教育現場の想像力の貧困ということだ。(「世相を拾う」08063)
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PS;毎日新聞が社説(15日付・東京)でこの問題をとりあげています。
入学金未納 生徒を隔離したのは間違いだ (魚拓) 4月15日追記
また、朝日新聞は以下のとおりこの事件に関連して記事を掲載しました(4月16日電子版)。
入学金未払い・学費未納、悩む現場 退学勧告も (魚拓) 4月16日追記