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基地問題で混迷深める民主党
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00167710.html 11月から始まった普天間移設問題を話し合う日米作業部会を通じて、鳩山首相がアメリカ側に、日米合意を重視するともとれる極秘書簡を送っていたことが明らかになった。 11月13日の日米首脳会談の翌日、鳩山首相が外遊先で、記者団に対して、今後の協議について、「日米合意を前提にしたものではない」と発言し、両首脳の認識のずれが表面化したと報じられたことについて、鳩山首相は、ルース駐日大使にあてた書簡で「心配されているかもしれないが、そうした報道などに惑わされないでください」と伝えていた。 県内移設の「日米合意重視」ととれる内容だけに、今後波紋も呼ぶものとみられる。 |
これが事実なら、面白い。というか、腹立たしい思いを抑えることができません。
つねづね民主党の二面性に当ブログは言及しているのですが、それを裏付けるような出来事になりますね、これは。しかも、同党政権の長たる鳩山氏がいったということですから、注目せざるをえません。
国民に思ってもいないことを公約し、盟主米国の大統領にむけては服従を誓うというわけですね。欺瞞、ここに極まれりではありませんか。
社民党はこんな立場を公表しました。
http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY200912030168.html
「現行案決着なら、社民党にとっても、私にとっても重大な決意をしなければならない」と福島瑞穂はいいました。まさに福島党首が問われる問題です。
明確な対応策を少しも明らかにしない鳩山氏。いろいろな憶測が飛び交っていますが、結局は現行案を前提に話をすすめる気ではないか、と思います。
民主党の混迷ぶりは以下。
普天間「年内決着断念、事実ではない」3日の鳩山首相
普天間決着「年内と言ったことない」 平野官房長官
首相の言葉を、ただちに理解できる人がいるでしょうか(上記記事)。ほとんど首相の主張が分からない、このことだけがはっきりしている以外に、明瞭さの微塵もない発言ではないのでしょうか。それはすなわち、民主党の政策の不明瞭を反映しているでしょう。
(「世相を拾う」09276)
FUTENMAでない基地問題があるのか。
平野氏以外は、現下の情勢で、基地問題といえば普天間の基地移設問題を指すと思っているでしょう。そもそも氏の発言自体が、(普天間の)基地移設問題にたいする注目と関心が強いから発せられたものなのでしょうに。本人のつぶやきでしょうか?
「連立3党合意に普天間入ってない」 官房長官、会見で 平野博文官房長官は記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の質問に答える中で「3党合意の中には、普天間問題は特に入っていない。基地問題は入っているが」と述べた。 民主、社民、国民新3党の連立合意では基地問題について「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と書かれている。確かに普天間の文言はないが、普天間の県内移設に反対する社民党の主張を受けて表現を修正した経緯がある。平野氏の発言は、鳩山由紀夫首相が県内移設を容認した場合でも3党合意に反しないとの立場を示したものだ。 |
政権にとわれているのは、むしろ沖縄県民の願いにどのようにこたえるのか、選挙戦であれほど県民の願いを実現するかのようにいってきたわけですから。国民の請託にこたえるのが政党であるのなら、とるべき方向は明確だといえます。
ですから、この意味で3党合意以前の問題として、民主党自身がいってきたことを実現すると考えているのか、その意思が問われているのです。
その上で、連立3党合意。
合意本文は、わずかな文章でした。
民主党、社会民主党、国民新党の三党は、第45回衆議院総選挙で国民が示した政権交代の審判を受け、新しい連立政権を樹立することとし、その発足に当たり、次の通り合意した。
1 三党連立政権は、政権交代という民意に従い、国民の負託に応えることを確認する。 2 三党は、連立政権樹立に当たり、別紙の政策合意に至ったことを確認する 3 調整が必要な政策は、三党党首クラスによる基本政策閣僚委員会において議論し、その結果を閣議に諮り、決していくことを確認する。 |
同時に合意の前提に、「連立政権樹立に当たっての政策合意」を交わしています。平野氏の発言に関係する項目は、いちばん最後から2番目の以下の項目。
9、自立した外交で、世界に貢献
国際社会におけるわが国の役割を改めて認識し、主体的な国際貢献策を明らかにしつつ、世界の国々と協調しながら国際貢献を進めていく。個別的には、国連平和維持活動、災害時における国際協力活動、地球温暖化・生物多様性などの環境外交、貿易投資の自由化、感染症対策などで主体的役割を果たす▽主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる。日米協力の推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む▽中国、韓国をはじめ、アジア・太平洋地域の信頼関係と協力体制を確立し、東アジア共同体(仮称)の構築をめざす▽国際的な協調体制のもと、北朝鮮による核兵器やミサイルの開発をやめさせ、拉致問題の解決に全力をあげる▽包括的核実験禁止条約の早期発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約の早期実現に取り組み、核拡散防止条約再検討会議において主導的な役割を果たすなど、核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ▽テロの温床を除去するために、アフガニスタンの実態を踏まえた支援策を検討し、「貧困の根絶」と「国家の再建」に主体的役割を果たす。 |
「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」とあります。
たしかに、普天間の文字はありません。
けれども、ここまで書いていて、平野氏みたいな、会見ではぐらかしの発言をおこなうことに二面性と欺瞞を感じるのです。
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思いやり予算は侵すべからず。。
思いやり予算の仕分け、根幹には触れず…民主・枝野氏 政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)の「事業仕分け」統括役を務める枝野幸男・民主党元政調会長は21日の読売テレビの番組で、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の一部を仕分け対象とすることについて、「思いやり予算全体が良いとか悪いとか、額の規模をどうするかは、外交交渉を含めて政治的に決めることだ」と述べ、制度の根幹には触れない考えを示した。 行政刷新会議は24日から27日まで、2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の後半の作業を行う。思いやり予算のうち、米軍基地従業員の給与に充てる労務費が対象となっており、北沢防衛相が「対米関係も考慮してもう少し防衛省に任せてほしい」と反発している。 |
思いやり予算にも手をつけるなんていっておきながら。検討の対象は、日本人従業員の給与というのですから。それでいて、報道される際には、この調子。いかにも大本に切り込むかのような見出しだったのです。
事業仕分け447事業選定 行政刷新会議、思いやり予算も
問われているのは、枝野幸男のいう根幹のところ。結局、この事業仕分けでは、思いやり予算そのものについては是認するという結論を出したというに等しい発言です。
だいたい日米地位協定にすら、思いやり予算についてはふれていない。同協定24条第2項に明記しているもの以外は、すべて米軍が負担すべきものとうたっているのですから。思いやり予算は全廃して当然のものです。
枝野は「外交交渉を含めて政治的に決める」などといっていますが、そもそも交渉ごとではない。金丸信が勝手にはじめたのですから。支出すべき根拠などどこにもない代物です。米軍は日本を守るというよりも、犯罪を繰り返し、むしろ日本の安全を脅かしているのが実態ですから、何も「思いやる」必要などないのではないでしょうか。
枝野の今回の発言は、あらためて事業仕分けの欺瞞性を示すものにほかなりません。事業仕分けの視点は、採算や効率化が強調されています。ほんらい事業仕分けは小泉が考えてやってきたことなのですから、その点でも、構造改革路線を引き継ごうとするものであることがいよいよ鮮明になってきたといえるでしょう。まさに小泉構造改革とは、財界と米国の権益には一切、手をつけず擁護してきたように。
聖域には、入らないという宣言です。
(「世相を拾う」09264)
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オバマに物申せなかった鳩山首相
そういわざるをえなかった背景について、読売が言及しています。
「普天間」早期決着、強く迫ったオバマ大統領 13日に行われた日米首脳会談で、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、オバマ大統領が「時間がたてば、より問題の解決が難しくなる」と発言し、2006年5月の日米合意に基づいて早期に決着するよう鳩山首相に強く迫っていたことが14日、明らかになった。 大統領自ら強い調子で求めたことで、首相も早期に結論を出す、と応じざるをえなくなったようだ。 複数の関係者によると、普天間問題は大統領の方から切り出した。大統領は迅速な結論を求めただけでなく、「基本は守るべきだ」とも述べ、沖縄県名護市を移設先とする現行案の履行を明確に求めた。首相は大統領の発言に対し、「理解する」と応じたという。 |
結論を早期に出すとふれざるをえなかったのは、こんな事情があったのですね、なるほど。うなづける話ですね。
にもかかわらず、鳩山氏は、オバマ氏のいないところで、会談後の会見で自ら語った(可能なかぎり)早く結論を出すという立場とは、明らかに反すると周囲には受け取られかねない態度をとったようです。氏は、「年末までにと(大統領に)約束したわけではない」といったとか。
でも、これって国民には理解しにくい話です。約束したわけではないのなら、なぜ会談後の会見であえてあんな言い方をするのでしょうか。できるだけ早期に結論を出すなどと。メディアの記事をたどってみると、やはり読売が指摘するように、首相はオバマに詰められたのです。オバマの最大限の譲歩で、当日、鳩山氏が語ったような表現に落ち着いたのでしょうね。
もちろん、こんな経過があるものですから、メディアの指摘は以下のように、米国と日本国の首脳の「約束」を守るという視点から、鳩山氏の態度を問うています。
たとえば、このように。
鳩山首相、基地再編で問われる指導力=重い米大統領との約束 訪日したオバマ米大統領との首脳会談で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について「できるだけ早く結論を出したい」と確約した鳩山由紀夫首相。来年度予算案に関連経費を反映させるには年内決着が求められ、首相は決断を迫られている。しかし、首相は14日、外遊先のシンガポールで記者団に、来年1月の名護市長選後に結論を先送りする可能性を示唆。定まらない首相の姿勢は、大統領と確認した「強固な同盟」を空洞化させかねない状況だ。 大統領は14日、アジア外交政策に関する演説で、普天間問題を協議する日米の閣僚級作業グループに触れ、「両国政府が既に達した合意を履行するためのもの」と説明した。これは、過去の経緯の検証を重視する日本側の立場は尊重するものの、代替施設の建設地を同県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部とした現行計画以外に選択肢はないという姿勢を明確にしたものだ。 普天間先送り発言、米の鳩山首相不信に拍車も 鳩山首相は14日、訪問先のシンガポールでの同行記者団との懇談で、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、「迅速な結論」で合意した13日の日米首脳会談から、一転して結論先送りの可能性に触れた。 米側は「首脳レベルでの公約は極めて重い」とみなしており、鳩山政権に対する不信感に拍車がかかるのは必至の情勢だ。 首相は、現行移設先の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を抱える沖縄県名護市長選(来年1月)の結果を見極めることも、改めて選択肢の一つだと述べた。選挙の結果、移設反対派が当選すれば、現行計画が暗礁に乗り上げる恐れが出てくることを「織り込み済み」と受け取られかねないものだ。 |
はっきりいえば、鳩山政権は立ち往生の事態にあるのではないでしょうか。
盟主米国の大統領の前では、早期に結論を出すといいながら、片方で、あとで申し訳をのべるというのは、どうみても納得はえられない。首相はいったい、日米合意に沿うつもりなのか、そうではなく、米軍基地の国外撤去を伝えるのか、論点は最初から明らかなのに、態度決定はあとにあとに先送りされていく。
民主党政権の態度は少なくとも、沖縄県民の願いを実現させる方向に収斂されているのはなく、しだいにその願いとはかけ離れていく、それがこの間の事態の推移ではないでしょうか。
鳩山氏のシンガポールでの発言は、いよいよそれをとりつくろう姿勢のみが透けて見えてくるのではないでしょうか。
鳩山さん、それじゃあオバマの前でそのことをはっきり伝えればよかったのに。何をいまさら。
そんな態度を欺瞞だというのではないでしょうか。
(「世相を拾う」09259)
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オバマ来日。首脳会談の成果は?
オバマが来日しました。
さっそく首脳会談がおこなわれました。
成果をどう考えるのか、それはみる人の立場によるのでしょう。が、私には具体的なやりとりはなく、抽象的な、課題を外からなでるだけのような感じを率直に受けました。
その成果に関して一つ。日本は普天間基地移転の問題では、「時間がたてば解決がむずかしくなる。可能なかぎり早く結論を出す」旨の首相の発言があったそうです。つまり鳩山首相は、閣僚級の作業部会を開催し、早期に結論が出せるようにしたいと言い出したのですから、その点、民主党政府にとってみれば後に引き返すことができなくなったともいえるでしょう。つまり、米国にとっては、これは「小さな前進」であって,なおかつ「大きな成果」なのかもしれません。
会談では、日米関係の深化が強調されました。メディアによれば、「日米同盟をさらに深化、発展させていきたい。50年という節目に、未来志向の日米同盟をめざして、きょうから協議のプロセスをすすめよう」という発信をしたらしく、その点では、首相は国民にむけても日米安保をどのように考えるのか、明確に示してほしいと思うのです。
日本は最初の訪問国であったことは事実ですが、しかし、米国の頭のなかでは、それが最重要国だということを示したものでも何でもない。たしかにオバマは日本にたいして文字どおり外交辞令よろしく、もちあげる発言と思えなくもない表現ももちいて会見していました。同時に、かなりの程度の淡白さも私には感じられましたが、どうでしょうか。おそらく、日本のあとに訪問する予定の中国への米国の関心は、日本へのそれよりはるかに大きいのではないでしょうか。
それにしても、鳩山首相の持論であった、緊密で対等な日米関係はどこにいったのでしょうか。オバマに対等な関係などと先手を打たれていました。(鳩山氏は)それに気をよくしたのでしょうか。ほとんど米国に同等にもの申すとはいかなかったようです。
その一端は、「日米合意は重く受け止めている。県外や国外を訴えたのは事実であり、沖縄県民の期待感が強まっている」とのべるにとどまったわけですね。これで、沖縄県民の思いがオバマに伝わったとは到底、考えられませんし、日米首脳会談についての国民のインタビューをメディアは報道していましたが、その中の一人が「(沖縄に)来て、見てほしい」とオバマにたいしてのべていたのがなおさら印象的でした。鳩山氏の発言は、この端的な国民の思いには少しも及ばないのです。
首脳会談は日本にとってはセレモニーに終わったし、一方、米国にとっては、普天間問題を早期に解決するという言質をとったという意味で成果はあったといえるのではないでしょうか。
(「世相を拾う」09258)
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事件発生で地位協定の存在を知る屈辱
読谷男性ひき逃げ 米兵が事故車運転 県警、聴取要求へ 7日に読谷村楚辺の道路脇の雑木林で、ひき逃げされた男性(66)=同村=の遺体が発見された自動車運転過失致死、道交法違反(ひき逃げ)事件で、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐が10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人の20代男性が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。実際にひき逃げをしたかについては捜査中とし、氏名も公表しなかった。県警によると、同日午前に米陸軍の捜査機関から「限られた範囲で上司の監視下に置き、通常作業をさせている」との連絡があり、米側が男性をトリイ通信施設内で禁足下に置いていることを明らかにした。 嘉手納署は11日以降、男性から任意で事情聴取をすることを米軍側へ求めていく方針。 |
聴取を要求というところから、まず引っかかりますね。日本国内での事件なのに、聴取するのにも米軍にお伺いをたてるという事実。
ここにこそ、日本国と米国、米軍との関係のありようを示す現実があります。地位協定というやつです。日本での米軍の治外法権を法的に是認している。したがって、たとえば犯人は米軍兵士だと分かっていても日本国は手を勝手には出せない。こうして、これまで米兵の犯罪が見逃されてきたのです。
石破茂は、もちろんこのような現実を知っていながら、ぬけぬけといっていますね。
米兵ひき逃げ「地位協定改定には結びつかない」 自民・石破政調会長 自民党の石破茂政調会長は11日午前の記者会見で、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件に関連し社民党が日米地位協定の見直しを求めていることに対し、「ストレートに地位協定の改定に結びつくものではない」と指摘した。そのうえで「(協定論議は)かえって困難な立場にある方々の救済を遅らせるのではないか」と述べた。 |
石破の発言とは逆に、地位協定がなかったら、事実解明が格段にすすんでいたであろうことは誰の目にも明らかではないでしょうか。地位協定の存在は、日本国にとって何らの役割も果たしておらず、むしろ米兵の度重なる犯罪を誘引しているようにさえ、私には思える。日本、沖縄では米兵が日本国によって直接逮捕されることなど、ないのですから。俺たちには(日本の)法律などクソ食らえだ、といわんばかりの米兵の姿が浮かぶのです。
上にあげた琉球新報の記事の時点から過去にさかのぼって記事を列記してみます。どうですか、米軍の対応に、その端々に、日本の法律の埒外にある米軍の横柄さが、語られる言葉とかけ離れて感じ取ることができるのではありませんか。
那覇市長 「米兵身柄引き渡しを」 外務副大臣に 那覇市の翁長雄志(おなが・たけし)市長らは11日午前、外務省で武正公一外務副大臣に対し、米兵が拘束された沖縄県読谷村での死亡ひき逃げ事件について、「犯人の身柄引き渡しを政府から強く要請してほしい」と述べ、容疑者の起訴前引き渡しを米軍に要求するよう申し入れた。 |
読谷村のひき逃げ:トリイ司令官、所属軍人の車両運転認める 同村で7日に発生したYナンバー車によるとみられるひき逃げ事件について、米陸軍トリイ通信施設司令官のジェームス・ウッダード大佐は10日午前、読谷村役場を訪れ、同基地所属の軍人が事故車を運転し、修理工場に車両を持ち込んだことを認めた。同基地は軍人の身柄を容疑者として拘束している。ただ、実際にひき逃げした事実については捜査中として、氏名を公表しなかった。 |
ひき逃げ:雑木林に男性遺体 米軍関係者関与か 沖縄 沖縄県読谷村楚辺(よみたんそんそべ)の雑木林で7日、頭から血を流した男性の遺体が見つかった。県警嘉手納署は現場の状況などからひき逃げ事件とみて捜査。近くの修理工場に同日、米軍関係者の所有を示す「Y」ナンバーで、フロントガラスが割れた車を外国人が持ち込んだことが分かった。県警は関連があるとみて、この車を押収し、米軍に捜査協力を要請している。 |
Yナンバーなど、日本には要りません。
これ以上、米軍の犯罪の犠牲に甘んじろなど、どうしていえましょうか。
(「世相を拾う」09256)
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米軍基地移転- 沖縄の声が聞こえぬか。

一方で、報道によれば、岡田外相は普天間基地移転問題が来年に持ち越すことを示唆したといわれています(参照)。 一つ前の記事で主張しているように、今この時期に政府はどんな立場をとるのか、これを国民、とくに沖縄県民に明示すること、これが求められているというのに。いよいよ先送りを決め込んでいるようです。ですが、前エントリーで私は民主党が下す結論について日米合意にもとずくへ辺野古に落ち着くのではないか、と推測しているのですが、そうなれば文字どおり沖縄県民と対峙することになるのは必至です。民主党の丁寧な説明を、今、まず沖縄県民にしなければならないでしょう。
民主党が政権について後の米軍基地移転にかかわる当ブログのエントリーを、以下に列記します。
(「世相を拾う」09253)
他党のことはいえても、自己規定ができない政権
正念場の民主党政権- 沖縄県民集会を前に
米軍の「要求基準」とは。
とどのつまり- 辺野古移転へ
日米関係のゆくえ- 基地問題で揺れる民主党政権。
前原さん、移転先にありきでは解決しないよ。。
しょせん「たらい回し』路線-鳩山「県外移転」では解決しない。。
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正念場の民主党政権- 沖縄県民集会を前に
この間の予算委員会では、民主党が野党として選挙に臨んだときの姿勢と、政権についてのちの発言の矛盾が浮き彫りになりました。国外・県外移転がそもそもの主張でしたが、時間が経つにつれて、まるで七変化のようにそれが変わり、岡田外相は嘉手納統合をもちだし、北沢防衛相は県外を諦めたような態度をとっています。いずれも、沖縄県民からすれば、公約違反の噴飯ものと即座に反発を買うにしか値しない民主党の対応といわなければなりません。
ですから、明日開かれる予定の沖縄県民集会は、今のこの状況のなかで沖縄の意思を明確にするという意味だけではなく、民主党現政権にむけてこの意思を突きつけ、公約違反を国内にアピールする重要な機会になると考えられます(参照)。
片方で、オバマ大統領の来日が近づき、その意味でも同集会は時宜にかなったものになりそうです。
新基地に新しい基地機能をもたせることが米国のねらいであることがすでに伝えられました。そうであるから、それだけに移転という課題を日本に実行させることに米国は力を集中し圧力をかけています。
そうした伏線もあるのでしょう、この数日、平野外相の集団的自衛権をめぐる発言がマスメディアをにぎわせています。
この発言は、オバマ来日もふくめて、今後の日米関係にたいする日本政府の位置づけ、別の言い方をすれば決意をあらためて米国に示すというねらいがあるように私には思えます。現行見解を捨て、集団的自衛権を解釈によって認めていくという筋道を米国に予め示すための発言だろうと思うのです。
日経新聞が「どうみる日米関係」と題して識者の意見を掲載する模様です。第1回は、北岡伸一東大教授(同紙7日付)。保守派として彼は日米安保を「アジアの安定に役立っている」と前置きしながら、鳩山氏が強調している緊密で対等な日米関係のあり方について発言しています。この論旨は、当然ながら、日経が支持する立場でしょう。
日本が安全保障上の役割を高めて対等に近づくならいいが、米国の役割を低めて対等に近づけるのは困る。これでは、「緊密で対等な関係]にはならない。
在日米軍再編問題などについて、鳩山政権がいつまでも決定を先延ばしするようだと、双方の不信感が高まり、「弱体で対等な日米関係」になってしまう |
このように米国からみれば涙がでるほどうれしくなるであろう見地からものをいっています。まあ、「日米同盟の強化」こそ民主党のとる態度だというわけですね。
その米軍基地移転問題ですが、北岡氏はこう受け止めている。ずいぶん身勝手な論理だと思わざるをえません。負担をかけてきたのは申し訳ないが、今後もそれに甘んじよというに等しいものです。
沖縄の県民に負担がかかるのは本当に申し訳ないことだ。だが、地政学的に沖縄はとても重要な場所に位置している。・・・・・・沖縄からすれば、同県は本当に不運な位置にある。その分、日本政府は沖縄にもっと例を尽くし、色々な支援をすることで地元の負担を補うべきだ。首相自身も沖縄に行って、基地受け入れを説得すべきだ |
しかし、地政学的に、とここでと表現するのは、その視点がまさに戦略を遂行する立場であることの表明です。戦略上、重要か否か、そこに住む住民にそれ自体は無関係のことです。
そうではなく、こう考えることはできないのか。
同じ民主党政権は、内容が具体的になってないとはいえ、東アジア共同体構想なるものを一度は打ち出しています。それを真に東アジアの平和と安定に寄与するものとして、隣国と手をつなぎ確立する道は開けないのか。沖縄県民もふくめて、もし同党の考える構想が平和・安全のためのものだと理解されれば、多勢の賛同をうることが可能でしょう。
北岡氏のような、現行安保条約を所与のものとしてそこから出発する考え方を一度、横こに置いた上で検討に値するものではないでしょうか。沖縄の人びとにこれ以上、犠牲を払えということはもう止めたらどうでしょう。今後は即座に止めることを私は支持します。
前段でふれたように、平野官房長官の発言は、今後の首脳会談の行方を暗示しているようでもあります。北岡氏は、平野氏がとりあげた集団的自衛権について記事でつぎのように語っています。
そもそも日米安保条約で日本は米国とは対等な役割を担っていない。米国は日本を守るが、日本は米国を守らない。その代わり、日本は基地を提供している
日本やアジアの平和と安定を守ろうとする米軍の活動に対し、日本がより大きな役割を担うことが必要だ。そのためには集団的自衛権行使を禁じている解釈を少し、見直すことがカギになる |
もちろん北岡氏のいう対等な関係とは、軍事面での対等という留保がつきます。ようは対等な軍事的役割をもつということにほかなりません。いまや北岡氏と平野氏の発言の意味と両者の脈絡は明白でしょう。
北岡氏の発言は、民主党と同政権内の保守・改憲潮流を外からはげますものであって、平野氏はそれを加速させ、内外に広める点で一役買っています。
ですから、たとえば先の衆院予算委員会で、岡田外相のとったほとんど訳の分からない態度も了解される。岡田氏は、自分が同党代表のときの発言を指摘され、最近の彼の嘉手納統合案との矛盾を衝かれ、事実上、回答不能という状態にほかならなかった。理由は、代表だったときと今とは状況が違うというものでしたが、そういうだけで、何がどうかわったのか、明らかにしなかったのですから。
米軍基地再編問題はSACOに遡らなければならない(参照)。SACO合意は、岡田氏が代表を務めるずっと以前のものなのです。
こうした、無理をとおそうとする姿勢は、一皮むけばもう民主党の態度は日米政府合意、つまり辺野古に決定しているのではないかという疑いすら強くもつのです。しかも、集団的自衛権行使を約束するとなれば、この間の経過もふまえて、いよいよ対等な日米関係とはほど遠いものにならざるをえません。
(「世相を拾う」09251)
追記;当然、社民党のとる態度が注目されます。福島氏の態度は、結果的に、政権保持を沖縄県民への共感に優先させるものといってもよいのかもしれません。
福島党首、沖縄県民集会への出席取りやめ 内閣に遠慮
日本政治の転機になりうる- 思いやり予算見直しはホント?
だって、思いやり予算見直しをかつて口にした首相がいたでしょうか。いませんでした。これまでの日本の政治をゆがめる要因の一つに米国追随があり、その典型が法外な思いやり予算と当ブログは主張してきましたから、思いはなおさらです。
思えば、金丸信が日本側が負担するといってはじめた思いやり予算。1978年のことでした。そのときは、在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部(62億円)を負担するというものでしたが、みるみるうちにその額はうなぎのぼりに上がり、とんでもない多額な予算を準備しないといけない羽目に日本は置かれている。在日米軍駐留経費負担のいいかえですが、日米地位協定をもとに支出されるとしています。が、そんなもの協定のどこにも見当たらないのが事実です。
鳩山首相の答弁は、したがって画期的といってよいと私は思います。言葉どおりに実践されれば、日本の政治をゆがめてきた米国への追随姿勢をあらためるきっかけになるのは確実でしょうから。ただ、懸念するのは、鳩山氏がこういったからといって、確実に実行に移される可能性が大きいかといえばそうでもないのが現実でしょう。
なぜなら、総選挙時には国民・有権者にむけてあれほど約束した、たとえば後期高齢者医療制度の廃止は必ずしも日程にのぼっているわけでもない。いわゆる打ちあげ花火に終わっている現状があるのですから、不安が残るわけです。
あえていえば、民主党政権に求められているのは、国民に約束した、国民が望んでいる施策をただちに実行に移すことではないでしょうか。
一抹の不安をぬぐいきれませんが、口先だけのことにならないように願いつつ記事全文を掲載しておきます。
実行に移せば、もちろんかつてない快挙だと諸手をあげて賞賛したいと思うのです。
「村山談話」踏襲と鳩山首相 思いやり予算見直し必要 鳩山由紀夫首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が29日午後、衆院本会議で前日に続いて行われた。首相は、侵略戦争と植民地支配を謝罪した「村山談話」について「新政権は歴史をまっすぐ正しく見詰める勇気を持った政権だ。談話の思いはこの政権でこそ尊重されなければならない」と述べ、踏襲する考えをあらためて表明、アジア重視の姿勢を示した。 在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)については「わが国の負担をより効率的で効果的にするため包括的な見直しが必要」と指摘。「透明性を確保しながら見直しに取り組んで理解を得たい」と述べた。 衆院では民主、国民新両党が質問を見送ったため社民党の重野安正幹事長が与党で唯一、質問に立った。重野氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移転問題について「沖縄県民の負担軽減の観点から見直しの方向で臨む」とする3党連立合意を強調し、県外・国外移設の実現を迫った。 ただ、首相は「外相や防衛相にさまざまな選択肢を検討して調査するよう指示した。最後の意思決定は私自身がする」と述べるにとどめた。 子ども手当創設に伴う所得税の扶養控除や配偶者控除見直しについては「政府税制調査会で本格的に検討し、年末までに結論を出す」と述べた。 重野氏と共産党の志位和夫委員長に対する答弁。 |
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米軍の「要求基準」とは。
嘉手納統合案「要求基準満たさない」 在日米軍司令官 ライス在日米軍司令官(空軍中将)は28日、横田基地内の司令部で朝日新聞のインタビューに応じ、岡田克也外相が普天間移設の代替案として主張している嘉手納米空軍基地への統合案について「運用要求基準を満たさない」と述べ、米政府としては受け入れられないとの考えを示した。 ライス司令官は「この点については、ゲーツ国防長官がすでに記者会見で明確にしている」と指摘、米側としてはすでに判断を下していることを強調した。 ゲーツ長官は来日中の21日、北沢俊美防衛相との共同記者会見で「米国政府は、すべての代替案を詳細に検討し、いずれも政治的にもたないうえ運用上も実行不可能だと考えている」と語っていた。 |
この要求基準というのが気になります。基地移設には、ハードルがあるというのです。おかしな話ですが。移設は、米軍のもともとの要求であるはずなのに、日本国が移設先を探し、しかもそれが米軍の目にかなったものでならぬと。この現実に、そもそも日米の非対称な関係が映し出されていませんか。
これを裏付けるかのように、28日付のしんぶん赤旗が報道しています。
米軍の本音は最新鋭基地
一面トップのこの記事は、米軍は移設という機会に最新鋭の基地建設をもくろんでいるというわけです。しかも、記事によるかぎり、建設費をかけることが地元対策につながるなどといって、固定翼機が離発着可能な滑走路を日本側が求めたきた経緯も明らかにされています。そこにベクテル社(*)の介在があった。基地建設と沖縄の「振興」をセットにして当時の政権は考え、そのことで米軍の意向に沿おうとしてきたというわけです。
ところが、表向きは米国ではこんな世論をつくらんとして、圧力をかけながら、基地移転の早期決着を迫っているのですから。
首相に対し「米国と距離を置くという選挙中の公約にこだわっているかもしれないが、代替案について十分に考えているようには思えない」と批判。「日本は自国の防衛に、さらに費用をつぎ込むのか。北朝鮮の核計画や増大する中国の軍事力は、緊密な日米関係を正当化するには十分でないと考えるのか。外交交渉だけで日本の安全を保つことができると考えているのか」と疑問を投げかけた。 「鳩山首相がスタンドプレー」 米紙、普天間問題で批判 |
米軍の本音が最新鋭の基地建設にあるというのは、日本国内の米軍基地が日本の安全のためにという大義名分とはほど遠く、米軍基地の存在が、いかに米国の戦略にそったものであるのかを端的に語っているということです。
(「世相を拾う」09238)
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べクテル社;原子力から宇宙、軍事部門など米国の軍産複合体で、世界最大の建設・開発企業。CIA長官、政府高官などが天下り、米軍とはとくに深い関係にある。
とどのつまり- 辺野古移転へ
首相は年内に移転先を判断するといいます。日米合意の辺野古を容認する方向が確実視されています。
鳩山首相、普天間の辺野古移転認める可能性 年内判断へ
この間の政府・民主党の対応の移り変わりはこのエントリーでみたところです。結局、米側の姿勢を崩すことなどできなかった。崩す気があったかどうか、それも不明なのですが。しかし、マニフェストには、在日米軍再編の見直しを掲げていたのですから、それに期待をかけてきた、とくに沖縄県民の失望は察するに余りあります。
鳩山政権の発足以来、首相らの発言に振り回され、一喜一憂を繰り返した沖縄。県幹部からは政府の統一見解を早く示すよう求める声が上がる一方で、名護市の移設反対派からは民主党の「公約違反」に対し「県民への裏切り」との声も飛び出している。 |
こう朝日は35面の記事(西部版)でのべています。今でも明らかにならない民主党の見解。「日米関係を規定する日米安保条約にどんな態度をとるのか、国民・有権者の前にはっきり提示せよ」と先のエントリーで指摘しましたが、沖縄県民が煮え切らない政府と民主党に苛立ちを覚えるのは当然のことでしょう。その典型が鳩山首相だったかもしれません。
彼は、来年1月の名護市長選後の判断をちらつかせてきたわけですが、先ほど来日したゲーツ国防長官は重ねて日米合意の早期履行を強く要求しましたし、たとえば「最も厄介な国」というような表現をもちいて米国内で日本の対応を懸念する世論形成が同時におこなわれ、日本にも発信されてきたことは周知のことでしょう。こんな中、岡田外相はすでに県外移転はありえないことを表明し、北沢防衛相も判断を先延ばしにすることに否定的でしたから、鳩山氏はまさに宙に浮いた格好で事態は推移してきたわけです。
そして、つまるところ、現時点で、日米合意を民主党政府が追認する可能性だけが大きくなった。
一方では、米軍での思いやり予算をこれまでの自民党政権と同様に聖域として扱い、8月までの自公政権による概算要求をそのまま認めているのです。これは何を意味しているのか。米国への端的な追随姿勢がこれに表れているとみてよいのではないでしょうか。
したがって、基地移転問題での政府の「右往左往」も、結局は、基地再編見直しどころか、日米合意を追認することになるのでしょう。
ですから「公約違反」、「裏切り」という言葉を甘んじて受けざるをえない、こういえるのです。
(「世相を拾う」09231)
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【関連エントリー】
日米関係のゆくえ- 基地問題で揺れる民主党政権。
日米関係のゆくえ- 基地問題で揺れる民主党政権。
米軍普天間基地移設問題で、政府が県外移転を断念したそうです。
普天間移設で年内に新候補地策定 「県外は断念」米側に打診へ
以下に、この問題での政府と民主党の対応を(当ブログのエントリーから拾い)列記しました。
鳩山首相は米国との対等な関係をあれほど強調してきましたから、常々、考えてきた日米関係のありようにてらして、民主党のこの発言を私は積極的に受け止めてきたわけです。一方で、また腰砕けになるという想定もしていました。
結果は、後者の方でした。列記した記事の末尾の記事に、すでに今回の結論は暗示されています。つまり、民主党の態度の変化は、列記の最初の記事からあとになるにしたがい、おそらく民主党のいうであろう現実的対応が強まっていき、しだいに「原則的立場」が後退していったということです。
ただし、あえてかっこ付きで原則的立場と表現するのは、この党にこの問題での原則性があるのか否か、疑念をもつからです。
この記事のかぎりでは、鳩山氏がいった米国との対等な関係の構築をめざすという一点を原則だと理解して、話をすすめます。
参院選のさなかの記事で、米国高官がこのようなことをのべていました。
当然といえば当然ながら、米国も日本の政情に敏感に反応しています。 朝日記者の直截な質問にも、たとえばこうのべています。 ――日本の政治は大きく変わろうとしています。 外務、防衛両省とだけでなく、政党や政治家とも幅広い関係をもつことが重要だ。米国は日本でどのような政権が誕生しても対応する用意があるし、強固な関係を築く自信がある。90年代と違って今は、日米関係が平和と安定の基礎となっていることについて両国民の間に深い確信があり、より希望が持てる。
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高官のコメントに貫かれているのはいうまでもなく日米軍事同盟の強化です。投票日前の記者会見ですが、すでに高官は政権交代を視野に入れていて、そのことによって米国の対応がかわることはないことをあらためて強調しています。
それから、交代なって数日後、今の鳩山首相はオバマ大統領と電話で会談。そこで鳩山氏は日米同盟強化でオバマ氏と一致したというわけです。それにたいして、当ブログは以下のように言及しました。
民主党の鳩山代表は3日未明、米国のオバマ大統領と電話で12分間会談した。鳩山氏によると、鳩山氏は「日米同盟が基軸だ。建設的な未来志向の日米関係を発展させよう」と呼びかけるとともに、「大統領は気候変動、核廃絶・不拡散にリーダーシップを発揮されている。私たちも同じ気持ちの政党だ。経済問題も互いに解決するよう努力しよう」と表明。こうした問題で足並みをそろえ、日米関係を発展させることで一致したという。
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もう、この時点で、はっきりと米国の示す強固な姿勢の枠組みに民主党ははめられています。そもそもはめられやすい、その限りで対等な関係を追求できる確固とした原則的な立場など、民主党にはないということを以上の事実は示しているのかもしれません。
米国の考える枠組みにしっかり取り込まれたわけですから、民主党の対応は以下のように当然ながら動いているはずです。「県外が基本」というのが、ミソでもあるのですが、基本をそこに置くということは、基本からはずれることもすでに考慮されているということです。
しかも、問題なのは「県外」と言う表現で沖縄県民の願いに応えたつもりなのでしょうが、県外移転によって事態は何もかわらないということです。
それから以後、首相が、普天間移設は県外が基本とのべました。
鳩山首相の視点では基地問題は解決しない、これが結論です。 県外移転といっても、これは、たらい回しにすぎません。たしかに発言はSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意を念頭に置いたものではあるとは思いますが。SACOは、1996年に米軍基地の(沖縄)県内たらい回しを決めたものですからね。 たらい回しを解決するには、基地の無条件撤去という立場にしっかりとたたなければならない。そうしないと解決しないでしょう。
再編は、米(沖縄)海兵隊のグアム移転の条件として、名護市辺野古沖へ海兵隊新基地を建設することがセットされていること。移転と新基地建設は切り離せない条件されていること。 沖縄県民の負担軽減というウソ八百。日米両国政府は海兵隊1万8千人のうち8千人を減らすと宣伝するものの、そもそも1万2千人が海兵隊の現勢。実際は2千人の削減で1万人は残すという内容でごまかし。 というものでした。 |
こんなたらい回しにのっかってしまうと、問題がこじれてくるのが目にみえています。利害が移転先と元で対立してしまう。対立させる方向を提案するというのですから、矛盾が生まれる。そのことに以下のとおり言及しました。
自らのよって立つところを明確にすることと、実際の外交交渉をどのように進めるかということを何も直結させる必要はない。私はこう思います。今必要なのは前者を国民の前に明らかにしておくことです。「板挟み」という現象以前に、では民主党の基地問題解決の道筋を示してもらわないと困るのですね。 それをはっきりさせないでいて、双方によい顔をしようという構図でしょうか、今の政権の姿は。 追記 |
そして、ついに防衛大臣は困り果てたのでした。「難しい」ですって。
ここで少なくとも、勇気をふりしぼって、最初に立ち戻り、原則的な立場を追求すべきでした。
民主党政権の考えは、県内であろうと、県外であろうと、そしてそれが国外であろうと、基地を平行移動するにすぎません。米軍基地とその周辺地域との間にいくつもの問題が常に発生してきたのは誰もが知っていることです。 こんな状況がありながら、県外移転などといえるのは、いったいどのあたりからくる発想でしょうか。 鳩山首相は米国との対等な関係を口にしていますが、沖縄県民の実情をよく理解できるのであれば、今こそ基地撤去を主張しなければならないでしょう。 だからどうよ。移転案を撤回すべきでは。 |
しかし、それをやれない政府と民主党は、沖縄相にこう語らせたのでした。筋道、民主党が探ろうとする落としどころはこの辺りにくれば、はっきりみえているのではないでしょうか。
前原誠司沖縄担当相は3日、就任後初めて沖縄県を訪問し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を視察した。この後、記者団に対し、自民党政権下で日米が合意した同飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設計画について「鳩山政権の下で、新たな移設先の検討と、それ(移設)を実施することを考えた」と述べ、抜本的に見直す必要があるとの考えを表明した。
そもそも米軍の戦闘のための基地を日本が確保するという協力の是非が問われないといけません。民主党が、見直しをやるのなら、その観点からやるべきではないでしょうか。前原氏のように移設先を最初に考えるのではなく。 |
重ねて問いたいと思います。
少なくとも、この一連の対応は、鳩山さんが公言した対等な日米関係からはほど遠いのではないか。
そもそも日米関係を規定する日米安保条約にどんな態度をとるのか、国民・有権者の前にはっきり提示せよ。そうして退路を自ら断ってこそ、(民主党の)原則的対応というものが可能になるのです。
(「世相を拾う」09229)
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前原さん、移転先にありきでは解決しないよ。。
普天間、新たな移設先を検討=前原沖縄相が表明 前原誠司沖縄担当相は3日、就任後初めて沖縄県を訪問し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を視察した。この後、記者団に対し、自民党政権下で日米が合意した同飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設計画について「鳩山政権の下で、新たな移設先の検討と、それ(移設)を実施することを考えた」と述べ、抜本的に見直す必要があるとの考えを表明した。 前原氏は「代替地を探さなければ(移設は)動かない」と指摘する一方、「外相と防衛相が米側と接触しており、その結果を待ちたい」と述べ、両担当閣僚の米側との協議を見守る考えを示した。 普天間移設を含む在日米軍基地の在り方について、民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で「見直しの方向で臨む」ことを掲げた。前原氏の発言はこれに沿ったものだが、北沢俊美防衛相は合意見直しに慎重な米側の事情も踏まえ「新しい道を模索するのは極めて厳しい」と述べるなど、閣僚間でも温度差がある。 前原氏は視察に先立ち、仲井真弘多知事と会談。知事が「理想は県外移設だが、受け入れを表明している名護市への移設が現実的だ」と述べたのに対し、前原氏は「沖縄の意向をしっかり踏まえなければならない。(政府との)橋渡しをするのが私の役割だ」と地元自治体との調整に意欲を示した。 |
移転先にありきをまず横に置くことからはじめること。沖縄県環境影響評価審査会は、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設に関し、防衛省が提出した環境影響評価(アセスメント)の準備書を批判し、やり直しを求めたわけですから。
どうしても移転という考えから抜け出せないようです。もっとも同党のなかでの議論がそこで行き止まりになっているのでしょうが。
もっと踏み込めば、基地の移転は、基地にともなう痛みを平行移動することにほかなりません。たらい回しです。基地の痛みを取り除くには、基地撤去以外にはありません。
それを前原沖縄担当相が、移転先の検討と移設を実施することを考えたというのは、基地の存在がもたらす痛みを解決しようという決意はないことをあらためて示したものです。衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)で「見直しの方向で臨む」とは、この程度のものにすぎなかったというわけです。
代替地確保にどれほど精を出しても、痛みのない新基地をつくるのは不可能なのですから。
そもそも米軍の戦闘のための基地を日本が確保するという協力の是非が問われないといけません。民主党が、見直しをやるのなら、その観点からやるべきではないでしょうか。前原氏のように移設先を最初に考えるのではなく。
対等な日米関係をいうんだったら、それくらい主張できるはずでしょう。対等な関係を構築したいと思うのは、今現在がそうではなく非対称な関係だからであって、その典型の一つが、この米軍基地押し付けにあるのですから。
(「世相を拾う」09211)
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【関連エントリー】
しょせん「たらい回し』路線-鳩山「県外移転」では解決しない。。
東アジアのことは東アジアが決める。。
米政府、鳩山首相の「東アジア共同体」に強い反対 不信と懸念強める 鳩山由紀夫首相が国連総会の一般討論演説で表明した「東アジア共同体」構想に対し、米政府高官が米国抜きの構想だとして強く反対する意向を日本側に伝えてきたことが28日、分かった。日米関係筋が明らかにした。 |
鳩山さんが打ち出した東アジア共同体が単に構想としてではなく、実現してほしいと考える一人にとっては気になる記事ではあります。
しかし、この記事が産経だと割り切ることもできるのでしょうね、たぶん。同時に、私たちは鳩山さんが主張する共同体の中身を詳細に知らされては現段階ではないという留保もつくわけですが。
それでも、この記事は酷すぎるといいってよいでしょう。
いったい強い反対を述べているのは、誰でしょうか。納得できる人がどこにいるのでしょうか。
どうもメディアの逃げ口上の一つに関係筋に語らせるというものが定着しているように私には思えます。案の定、この記事のいうところによれば、「『東アジア共同体』構想に対し、米政府高官が米国抜きの構想だとして強く反対する意向を日本側に伝えてきた」というソースは、どこにあるのかといえば「日米関係筋」ですって。これは、つまるところ誰を指すのでしょうか。
そこが明らかにされないままで、「就任直後の訪米で、オバマ米大統領との信頼関係の醸成に自信を示した首相だが、首相の外交政策への米側の懸念がかえって強まっていることを示している」と論じることはできないと私は思います。
根拠、いいかえれば記事になるための事実の存在、たとえばAという米国政府の幹部がのべた発言を裏づけとしてとっているとは思いがたいのではないでしょうか。
この記事は、国連での議論の大筋に真っ向から反するものでもあるでしょう。なぜなら、核のない世界とは、東アジアの動向を抜きにして考えることは現状でできないからです。だから、逆に、東アジアの共同体をどのように構築するのかにそれは深くかかわっているということです。
こんな立場にのっとっていうのならば、記事が示す方向は、それに少なくとも懐疑的なものであって、それは国連総会で議論された世界の方向に背くものではないでしょうか。
議論はだから、東アジアの平和をどのように構築するのか、そのための共同体のあり方は、探求するとすればどんな方向なのか、ということでしょう。実践的に、どのようなものであればそれが可能か、そんな議論が必要なのでしょうね。
むろん東アジアの共同体化は、東アジア諸国が決めることであって、米国が決めるものではありません。米国がどのように受け取ろうと、それは紛れもないことにしなければ始まりません。
(「世相を拾う」09204)
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だからどうよ。移転案を撤回すべきでは。
だからどうよ、って感じですね。
防衛相は結局、持ち帰ることになったというのが結論ですね。
一昨日ふれたように、この問題の打開策は、そもそもの米軍基地を撤去するしか、方法論としてはないわけです。米軍にお引取り願うしかない。
民主党政権の考えは、県内であろうと、県外であろうと、そしてそれが国外であろうと、基地を平行移動するにすぎません。米軍基地とその周辺地域との間にいくつもの問題が常に発生してきたのは誰もが知っていることです。
こんな状況がありながら、県外移転などといえるのは、いったいどのあたりからくる発想でしょうか。
鳩山首相は米国との対等な関係を口にしていますが、沖縄県民の実情をよく理解できるのであれば、今こそ基地撤去を主張しなければならないでしょう。
北沢防衛相の発言からみえるのは、この問題が先送りされる可能性です。
北沢氏は民主党が掲げてきた県外・国外移設についても「(再編)事業がすでに進んでいる中で、かなり時間がかかる」と指摘。「普天間は極めて危険な状況で、リスクを除去することは一日も猶予できない」と話した。 |
北沢氏がいわなくても、普天間は危険な状態におかれている。それが他の地に移って改善するはずがないでしょう。
結局はこの問題に対処する際の民主党の基本的な姿勢が問われています。
それは、基地の無条件撤去を明確にするということです。
対等な関係とは、そう主張できればこその話ではないでしょうか。
(「世相を拾う」09202)
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