今日もミューズが微笑んで

歌うように暮らしたい。アートの道探しを楽しむJasmineのきままな日々。

「魔笛」と思い出

2006-02-01 | いろんな舞台鑑賞ノォト

 先日、新国立劇場で上演中のモーツァルト「魔笛」を見てきました。モーツァルトのオペラの中でも、おそらく最も愛されているオペラ、チケットはほぼ売り切れ。 
 魔笛は、初めて見る人には話の筋がややわかりにくいいようにも思いますが・・・というか、ま、モーツァルトのオペラは人間関係が複雑でわかりにくいかもしれません。
 でも、人間の本質的なもの、というか魂みたいな部分を描いた作品が多いので、何度も見ても面白いし、何度か見ないと見えない部分というのがあるように思います。
 
 さて、今回の演出は2000年に上演したものの再演出だそうですが、スタッフで参加している友人曰く、実際はずいぶん前とは変えているそうです。私は前回の上演も見たんですけど、衣裳を含め、未来的なちょっと機械的というかSFっぽい印象だったことは記憶していましたが、正直言って詳細の演出はを覚えていなくて、どこが前と違うのかはわかりませんでした。
 ただ、魔笛はいろいろな演出が試行されることが多いので、ハンペ氏という著名なオペラ演出家のオーソドックスな演出を期待していたのが、やっぱり現代的だったのでちょっとガッカリした、という記憶は残っていました。

 しかし、今回は、その未来感がとても自然に描かれていたように感じました。それは、私自身が現代演出に対して抵抗がなくなった、ということも大きいとは思うのですが、映像や衣裳などの色彩がオーソドックスな演出の場合と一致していることが(現代演出にありがちなモノトーン演出とかと違って)、受け入れやすかったのではないでしょうか。女性合唱の衣裳など、よーく見ると、現代(今の時代)の洋服、スカートとブラウスとかニットのワンピースとか着ている人や昔のオペラのような農民ファッションの人やいろいろ混ざっていたんですよ。でも全体的にベージュでまとめていて、マスで見ると、不自然さは全く感じないんですね。
 スターウォーズっぽい登場人物?を合唱と一緒に出したり、パパゲーノとパパゲーナの子供をカーテンコールで出したり、細かいところでの遊びみたいなのが楽しかったですね。
 
  キャストに関しては・・・ 特に不可はないけど、特筆するキャストはいなかったようにも思います。ま、これは好みもあるとは思いますけど。
 でも、どうしてあのキャストなんだ、と思ってしまったのは私だけでないと思います。夜の女王は、もっと歌える人がいるだろうし、パミーナも悪くなないけど、男性の主要キャストは外人だったことを考えると、どうも政治的なニオイというか、まあ、SS席とかS席を友達と誘い合わせて買ってくれるオバサマたちを誘致するには、このキャストなんだろうなぁ、とかんぐってしまうのでした。予算も減り、シングルキャストになったので採算取るためには仕方ないんでしょうかね。ちなみに、私が見た日は、夜の女王のハイFはちゃんと出ていました。おそらくみんなハラハラしながら聞いていたんじゃないでしょうか(笑)。もっと、多くの歌手にチャンスを与えてほしいものです。
そうそう、先日のセルセで官能的なアミタイツ姿だった方が、今回は少年役(童子)で出ていました。

 実は初めて全幕通して見たオペラも魔笛でした。当時入っていた合唱団の定期演奏会でソリストとして参加してくださった、古沢泉さんがタミーノ、その息子さんである古沢利人さんがパパゲーノで出演するということで、行った記憶があります。どこかの市民オペラでしたが、確かそのときも未来の東京という設定でした。そのときは、自分がオペラに足を突っ込むとは思いもしませんでした。
 
 その翌年、私がオペラ団体に入って最初にキャストをやったのも魔笛。私は童子(天使とも言う)Ⅰをやりました。抜粋で2幕のフィナーレの部分だけでしたが、ドイツ語で演奏はオケ、衣裳をつけ簡単ではあったけど立ちも付けました。まだ声楽のレッスンをきちんとやっていない頃だったので、それはもう大変でした。オペラ仲間のドイツ語が読める人に言葉を教えてもらい、参加メンバーにプロの方がいたので歌をレッスンしてもらったり、皆に助けてもらってやっとのことで舞台に出ました。今、VTRを見るとよく人前で歌ったものだ、と、穴があったら入りたい気分。
 今度やることがあれば、Dameやってみたいかなぁ。あとは夜の女王もいつか・・・

 私はモーツァルトのオペラのアリアはいろいろレッスンで取り組んでいますが、なぜか魔笛はやっていない。上に書いた童子以外では、パパゲーナ、そうパ・パ・パの二重唱のみです。でもその二重唱のお相手(パパゲーノ)は、今大活躍中のバリトン歌手宮本益光さんなんですよ!もちろんレッスンのときですけどね。お願いして歌ってもらったのです。なんという贅沢。ほんとに益光クン・・・いや先生はいい人です!
早口で大変だったけど、言葉はなんとか入るようになりました。出番は少ないけど印象に残る役なので、パパゲーノも楽しいですね。

 ちなみに、宮本益光さんは、パパゲーノ役が大好きらしいです。確かにパパゲーノは三枚目役で、二枚目っぽいけど実は三枚目(わたし的には2.5枚目と思うが)の益光君には、ピッタリかも。益光くんは授業のとき、よく、オペラ現場の爆笑エピソードを話してくれます。以前どこかの地方でパパゲーナをやったときに、フィナーレの再度出会うシーンでパパゲーノの役の人がすごい勢いで突進してきて思わずよけたら、ほっぺたに相手の顔がぶつかってすごく痛かったとかね(爆)。あまり書いて該当の方にご迷惑がかかると申し訳ないので、このへんでやめときます。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めて。。。 (oka)
2006-02-07 22:02:08
この前、BSでモーツァルトの記念の特集か何かで魔笛をやっていたので録画してみました。実は恥ずかしながらちゃんとみたのは実は初めてでした。たいした予備知識もなく思っていたのと全然違ってました(ザラストロが悪役でパパゲーナは主役格で出番が多いと思っていたのに違いました)。テレビとは言え夜の女王のアリアが感激でした~。うまかったですっ。

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Unknown (lokelani)
2006-02-12 13:53:45
okaさま



そう、魔笛ってよく知ってるよ~って思うのだけど、案外見ていなかったりします。私も、このような大きな舞台での魔笛は、前回の新国立と今回の新国立と2回だけで、あとは市民オペラクラスばかり・・・ってことに気づき、シュトゥットガルト歌劇場の魔笛を見に行くことにしました!清水の舞台から飛び降りました。楽しみです!感想はまたアップしますね!

BSはオペラいろいろ見られていいですね~
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