セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

平成「ガメラ」を観たら・・・

2019-06-01 22:05:00 | 映画日記/映画雑記
 脚本家、監督、どちらも多分、若い時、「超時空要塞マクロス」(初代TVアニメ)に嵌まってたんじゃないかな。
 僕はSFを深く追求しなかったから「マクロス」のアイデアの出処は知らないし、当時、20代前半のアニメ好きの学生仲間達が作り出した作品の発想が何処にあるのかも知りません、只、あの発想は当時素晴らしく斬新で、オリジナリティに富んだものだと20代半場の僕は物凄く感銘を受けました。(拗らせて50代初めに二次小説までUPしてブログ仲間と盛り上がったのは楽しい思い出、行き詰まって本籍の映画、このサイトを始めたのです)
 初代「マクロス」は才能有れど若すぎてほぼ素人みたいな人達が業界に来て大混乱、然し、責任者がそれを許したのが功を奏し、板野さん他、今現在も活躍する若い才能を開花させたエポックメイキングな作品でした。
 その基となった「マクロス」はシリーズとなり30年以上経った今でも派生作が作られてる程の原石、粗いけれど魅力ある物語でした。

 何万年も前、宇宙の何処かの星、高度に文明化した人間と同じ姿をした古代人(プロトカルチャー)が現代と同じく争い、戦闘用生物兵器として巨人兵を遺伝子操作によって作り出す、やがて、巨人兵同士の争いが激化し宇宙空間に拡がり創造主のプロトカルチャーをも滅ぼしてしまうが、戦う事しか知らない巨人兵達はプロトカルチャーが滅びた後も永遠に戦いつづていた・・・

 遺伝子操作によつて作り出された生物兵器がギャオスで、それに対抗する為に作られたがガメラって、僕から見ると、まんま、「マクロス」のゼントラーディ軍とカンサツ軍(映画ではメルトランディ軍)に見えてしまうのは如何ともし難い。
 最終作の「邪神(イリス)」が地上に降り立つ姿、或いは、巨大な月をバックに雲上に浮かび上がる姿は、まんま、伝説の第27話「愛は流れる」で、ラストのマクロスが地球に降り立つ場面。(イリスから触手を取ればマクロスのフォルムに酷似)
 京都駅構内でのガメラとイリスのバトルは、22話「ラブ・コンサート」で、マクロス側のエース マックス中尉のバトロイド(VF-1Jバルキリー)とゼントラーディ軍のエース ミリアの乗機(クァドラン・ロー)の艦内居住区での一騎討ちシーンがイメージの元でしょう。(この回は韓国外注の作画崩壊回だけど)

 特に気の付くはそんな所だけど、製作者側に初代「マクロス」好きが居たんだと思ったのが一番の感想。
 僕、怪獣ものに子供が絡むのはイマイチなんですよ、「ガメラ」は元々、その路線で平成版もその基本は引き継いでいるから、どうしても・・・、後、軍人はリアルを狙ったのだろうけど東宝の方が「らしい」し、伊福部さんが居ないと・・・。
 あ、「ガメラ」の声は懐かしかったです。

※物語としても様々な葛藤のある、初代「マクロス」のほうが好きです。(36話という長丁場だし)
 「マクロス」の巨人兵達は培養器によって無限に作られるのだけど、面白いのは巨人兵達が勝手に生殖を始めるのをプロトカルチャーが恐れたのか、「男と女が一緒に居ると必ず争いが起き災いとなり、やがて、滅びる」と教えたので男と女はそれぞれに軍を作ってる、映画では発展させてゼントラーディ(男)vsメルトランディ(女)が戦ってる。「男と女が一緒に居ると必ず争いが起きる」って、よく20代前半で思いつくな、アニオタでも絵が上手いからモテたんだろうか。
 キャラデザの美樹本晴彦は慶応卒業したばかりの新人、彼の作画を渡されたプロが一言、「こんな絵、動かせる訳ないだろう」。まぁ、それでも必死こいて動かしたり、他の連中もそんな調子だからスケジュール破綻、スタッフ倒れて病院送りが続出、更に映画化決定で終盤は主要スタッフが映画行きで現場は阿鼻叫喚だったとか。
 記事に原石と書いたのは、アイデアも物語も斬新で面白いけど、制作がそれに追いつけなかったから。
 とにかく作画が回事にバラバラで36話の内、3割がマトモ、あと3割はギリギリ、残り(繋ぎの回)は予算と時間不足からアニメを立ち上げたばかりの韓国へ外注、この絵が子供が描いたのかっちゅうくらい酷い、気持ち悪くなるくらいのレベルで根性据えないと見れない。これは伝説で囚われた主人公達がが初めてゼントラーディ人と対面する第11話「ファースト・コンタクト」という重要回が完全に制作時間が間に合わず絵が動かない(笑)、一枚の絵を台詞で持たせ、少ない絵でラストまで続くという完全な放送事故(どうしても動きが必要な所だけコマ落としのように動かした)、現在あるDVDは絵を足して販売してるけど、リアルタイムは凄かった、本当の電気紙芝居、当時、オメデタイ僕は「内容が斬新だけど、演出もスゲ〜斬新」と勘違いしました。(大汗)
 でも斬新でしたよ、星などあっという間に全滅させるような大宇宙戦争やってるのに、敵の残置艦を改装・就役させたマクロスの中に1万人位の民間人が避難民として乗ってて、その人達が広い艦内に町作って、民間放送が出来て、ミスコンがあってアイドル歌手まで誕生して、アイドルと士官が三角関係で火花を散らす(笑)、もう40年近く前だもんなぁ。
 最初ヒロインだと思ってた女の子がダミーで、脇だと思ってた本当のヒロインが11話になって漸く浮上してくるとか、普通、考えられないですよ。(キャラデザの美樹本氏はリン・ミンメイ命だったのに早瀬中尉にヒロイン取られちゃってプンプンとか、あの人、以後、ミンメイのイラストは描くけど未沙の絵は滅多に描かんもんな)
 最初の予定では最終回になる筈の第27話「愛は流れる」の設定も凄いけど、最終決戦のクライマックスに主役とヒロインが不在というのも凄い(主役は被弾して戦線離脱、ヒロインは既に破壊された地球に閉じ込められてる〜主役より腕のいい部下がいるってのも当時は珍しかったと思う)。
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3 コメント

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初マクロスは (宵乃)
2019-06-02 08:48:51
マクロスプラスでした。初代は劇場版しか観てませんが、TVシリーズはそんなことになってたんですか(汗)
ヒロインはリン・ミンメイしか覚えてないので、劇場版とは内容がかなり異なっていたのかな?
まさか平成「ガメラ」に影響を与えていたとは…。いろんなところに影響を与えてるんですね~。
ちょっと自分の黒歴史?でもあるのですが (鉦鼓亭)
2019-06-02 22:33:43
 宵乃さん、こんばんは
 コメントありがとうございます!

マクロスプラス
〉「ヤマト」以降、アニメ見なくなったのですが、この初代「マクロス」の時だけ、アニメ熱が復活しちゃったんですよ(汗)、でも、またパッタリなのでプラスも7もF(娘は見てた)も内容知らなくて。スンマセン。(26にもなって日曜午後2時に在宅なんて大概です)

劇場版
〉あれも、エンディングの♪「天使の絵の具」の絵が公開に間に合わなくて、キャスト・スタッフロールの背景は黒一色と歌だけで済ませたのですよ。現ソフトのミンメイのコンサートシーンは後日、追加されたもの。僕は黒の方で観ました。
当時、TVシリーズの映画版はダイジェストが決まりみたいなものでしたが、「愛・おぼえていますが」は攻めてます。
設定と話の流れポイントだけ押さえて、映画用に作り変えた半オリジナルのような作りになってます。
後年、後付けこじ付け設定で「星間戦争を背景にしたリン・ミンメイのプロモーション映画」とされてますから、TV版より少しミンメイの比重が大きくなってるかな。(TVも映画もダブル・ヒロインではあるけど、やはり早瀬未沙がヒロインと思ってます〜僕が居たサイトも輝・未沙のファンの集まりでした)
劇場版、セル動画の最高作の一つと言われるくらい絵は綺麗だし要点を外さず上手く作ってるけど、冒頭シーンに至る説明が一切無いので、ファン用の映画と割り切っています、知らない人は、なんで土星近くに居て、何故、戦闘していて、無駄にマクロスがバカデカイのかサッパリ解らないですもん。映画としては点数つけられない、好きだけど。(TVシリーズの愛されキャラ、味方殺しのカムジンが一瞬しか出てこないというのは残念、嫌われキャラのカイフンも空気でしたが)

今日、4ヶ月ぶりくらいに映画館へ行きました、今年は映画館での作品ハズレばかり・・・。
訂正・追伸 (鉦鼓亭)
2019-06-05 10:39:21
「愛・おぼえていますが」→「愛・おぼえていますか」

劇場版のミンメイ
〉プロモーション映画と言われるくらいですから、性格が5割増で良くなってる。
TV版のミンメイは可愛いけど自己中の塊みたいな所があって、人気もあるけど、当時のアニメ誌の悪女(ビッチ)1位にも輝いた人だったんですよ。

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