セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「ダーク・シャドウ」

2015-08-19 23:49:57 | 外国映画
 前回は突発、正式参加はこの作品で。
 昼食時、TV点けたら何だかクセのある可愛いコが出て来て、どうやらコメ
ディ寄りのヴァンパイアの話らしいので、今回は「これ」と即決、TV消しまし
た。
 レンタルして観てみると、「きもだめし」要素ゼロだったんで困ったけど、一
応ヴァンパイアだからと強行突破させて頂きます。(汗)

 「ダーク・シャドウ」(「Dark Shadows」、2012年、米)
   監督 ティム・バートン
   脚本 セス・グラハム=スミス
   原案 ジョン・オーガスト    セス・グラハム=スミス
   撮影 ブリュノ・デルボネル
   美術 リック・ヘインリックス
   音楽 ダニー・エルフマン
   出演 ジョニー・デップ    (バーナバス)
       エヴァ・グリーン   (アンジェリーク)
       ミシェル・ファイファー
       クロエ・グレース・モレッツ
       ベラ・ヒースコート  (ヴィクトリア/ジョセッテ)

 観終わった後、映画評価サイトを見ると無残な数字。(笑)
 「血は水よりも濃い」と言って、冒頭から「選民思想」丸出し。
 両親を殺され一人息子の当人は結婚前にヴァンパイアにされた挙句、地
中に埋められたのに200年後、末裔が屋敷に住んでるって???。
 クロエちゃんは、何の前触れもなくアレになっちゃうし、ラストの後、正体バ
レちゃってるのにどうすんの?とか、評価も妥当な線と言える作品。

 トロイアの王女カッサンドラ。
 アポロンに誘惑され「予知能力」と引き換えに身を任す約束をしたのに、貰
うものだけ貰ってトンズラ(アポロンに捨てられる未来を見た)、怒ったアポ
ロン(まあね、男なら)が、「カッサンドラの予言は誰も信じぬ」と、もう一つの
お呪いをした為、以後、誰も彼女の言う事を信じなかった。
 この作品に出てくる魔女アンジェリークを見てるとカッサンドラの悲劇を思
い起こします。
 確かにバーナバスを吸血鬼にし、両親と恋人を殺したのはアンジェリーク
なのですが、元はと言えば、立場を利用して弄んだバーナバスに非がある。
 200年経っても、バーナバスに対する恋情は変わらない、ある意味、究極
の「悪(魔)女の深情け」だけど一途に200年忘れず焦がて、自分の心臓ま
で捧げる、何て純情なんでしょう。(笑)
 それも美女の○乗(男性は好みで数字入れて下さい)みたいなE・グリーン
でナイス・バディ付き。
 あ~、それなのにそれなのに(笑)、バーナバスときたら屁理屈つけてまで
絶対受け付けない。
 この作品はアブノーマルな「家族愛」を前面に出してるけど、魔女の哀しい
「純情悲恋」物語として観た方が面白いかもしれません。
 エヴァ・グリーン、彫刻のように美しいし。
 (その彫刻のように美しいお顔にヒビが入るって整形美女への皮肉かな(笑)、
最後のバトル・シーンは「永遠に美しく」の復刻版?)

 でもね、ふふふ・・・。
 突き放せない。(笑)
 作品自体、粗だらけだけどそれなりに可笑しい。
 200年後のバーナバスがマクドナルドのマーク見て「メフィストフェレス!」
と思い込んだり、クロエちゃんがTVの「カーペンターズ」を見てたら「大工が
何してる?」とか、今の人からは?だろうけど、オッサンにはウケた。
 (「top of the world」聞いたのは10年振りくらい(LP持ってるのに)、動くカ
ーペンターズも懐かしい)
 よく考えるとクロエちゃんが違和感なく「top of the world」聞いてるってもシ
ュール。(笑)
 が・・、それ以上というかそれだけと言うか、突き放せない理由は見る角度
によっては顔の骨格・渥美清のべラ・ヒースコート!!!(爆)
 本来なら、この作品のヒロインの位置に居るのに最初と最後だけ出て来て
中テキトーで非道な扱いをされてた可哀そうな、なりそこねヒロイン。
 普通ならバーナバスが燃えてる時、水ぶっ掛けるのはヒロインの務めなの
に、さっさと逃げ出してスクリーンから居なくなっちゃう、仕方ないから下男が
ぶっ掛けるという哀しい展開。
 この時、べラが水ぶっ掛けて見詰めあった後、逃げるか、さもなくば、逃げ
ずに短時間でもジョニデ&べラで一緒に魔女と戦うシーンが有ればラストも
切なくなるのに、完全に無視!無視!無視!(笑~最後の戦いは一族限定)
 そうしておけば、ラストの台詞も少しは効果的だったけど、テキトーなもんだ
から、最後「解釈はお客にお任せ」が「どうでもいいじゃん」になっちゃった。
 まぁ、ティム・バートンがそんな真っ当なコトする訳ないみたいだけどね。(泣)
 精神病院から身一つで逃げ出して映画では真っ直ぐ屋敷に辿り着いたのに、
切符代とかお洋服、バックの中の靴、服、ネグリジェどうしたんでしょうね?
オジサンは不純な事考えちゃいます。(汗)
 そんな事、考えてたら、この作品、成り立たないし疲れるだけだけど。(笑)

 でも、全部許す!!
 べラ・ヒースコートの変な魅力で許す!カテゴリーも彼女のお陰でUP!
 この作品の感想は、グダグダ書いたけど↑の一行です。(汗)

 誤解されるので一言だけ、弁解させて頂きます。
 「僕、ロリコン嫌いです!だけど、誰にでも「例外」はあるらしい」(笑)

※この作品、‘60~‘70年代に掛けて放映されたTVシリーズの映画化。
 TVの方ではクロエちゃんの件、べラの件は説明されてたんじゃないかな。
 映画化に当たってアメリカなら大概知ってるからと省略されたのかもしれま
 せん。
 アメリカ国内向けの作品なんでしょう。

 2015.8.16
 DVD

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コメント (9)
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