セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

2014年度カーリング・シーズンを振り返る

2015-03-27 01:58:11 | カーリング
 夏冬通じて一番好きなスポーツなので、ちょっとばかり・・・。(まだ男子の世界選手権終わってないけど(汗))
 (贔屓チームは北海道銀行フォルティウス(以後、略して「道銀」)
 ファンなので道銀サイドからの視点になりますが、非情とも言えるチーム再編成後の初シーズンは、
ほぼ望み通りの結果と言っていいと思います。
 初の日本選手権優勝、世界選手権6位(世界ランキングは10位)。
 特に先日終わった世界選手権はランキング下位のチームには全勝、ビック4に二つも勝つなど大健闘だったと思います。
 なにより五輪、世界選手権で小笠原歩率いるチームが初めて6勝5敗と勝ち越せたのは大収穫でした。
 (記録は世界選手権の目黒萌絵さん率いる「チーム青森」が順位、勝数でも上)

 でも、それ以外、サプライズのないシーズンの印象が強い。
 それはスキップ小笠原歩さんが一度も「スーパーデリング」モード(スーパーサイア人)を発動しなかったから。
 道銀の魅力は、何と言っても、
 どこまでも簡単なショットを失敗、かと思うと、「そりゃ、無理ぼ」のショットを難なく決める、思いっきり不安定なスキップ小笠原のキャラクター。
 去年までは小笠原のお陰で負けた試合も有ったけど、ソチ五輪の中国戦みたく小笠原一人で勝ったような試合も有って、彼女の場合、
それが通常形態でした。
 でも、今シーズンを振り返ると、小笠原のお陰で負けた試合は相変わらずだけど、小笠原のお陰で勝ったといえる試合は殆ど記憶にないんです。
 勝った試合は、殆どチーム力で勝った。
 それが本来のカーリングの姿とは言え、やはり、世界相手となると、それでは前頭止まりで大関、横綱にはなれない。
 カナダ、スイス、スウェーデン、イギリス(スコットランド)、中国には名前を聞いただけで気が引けるビックネームのスキップが居て、
彼女らは重要場面で必ずと言っていい程チームを救うスーパーショットを魅せる。
 現状の日本代表(道銀)との格の違いが、明確に解った1年でした。
 
 只、「格の違い」と言っても、昨シーズンまでの「格の違い」とはハッキリと異なる。
 去年までの上との差は「夢」の範疇だったけど、今年は、遠くにだけど背中が見える「格の違い」の気がします。
 それは、まだまだ粗いとは言えワールドクラスのパワーを持つフロント二人(リード近江谷杏菜、セカンド小野寺佳歩)、正確なショットとパワーを兼ね備えた逸材、サード(ヴァイス)吉村紗也香がチームとして機能してきたから。
 世界選手権でも前三人が綺麗にお膳立てしてくれたのを、最後の小笠原で「ちゃぶ台返し」やらかしたばかりに・・・。
 でも、これ重要な事なのですが、全国の罵詈雑言を小笠原が一手に引き受け、若手のプレッシャーを軽くしてる側面も有るんです。(詳しい人が見れば、小笠原の所に来る前に勝負が決まってて、博打に出て失敗、小笠原がブーイングを浴びる、という事も多かったようです)
 そして、その罵詈雑言を受け流し、シレっとしてるタフさと天然さも持ち合わせてる。(当人は、ホントの所「気が弱い」と言ってますが)

 それでも日本代表の道銀が、これ以上の上を目指すなら、スキップ小笠原さんのスキルをもっと上げるか、吉村をフォースに小笠原さんをサード・スキップに変更するかの選択をしなければならない気がします。

※知らない人の為のレクチャー
 ・小笠原歩さんは、並はずれた行動力(チームを作り、その為のスポンサーを探して来たりetc)と抜群の統率力を持つ選手で、今の道銀が纏ってるのは小笠原+お目付役船山選手(吉村と並ぶ日本屈指のサード)二人のレジェンドの力が有るから、二人が抜けたら「チーム青森」のように空中分解してしまう恐れが多分に有る。
 ・よくサッカー、野球の代表のように選抜制にしろ、と言われますが、カーリング・ファンの9割以上は「止めろ」と思っています。
  カーリングは「あ・うん」の意思疎通がキーになる競技で、即席チームでは機能しません。
  世界を見ても選抜制を取ってるのは競技人口が殆ど居ない中国、韓国くらい。
  (ロシアも選抜チームでソチに挑み惨敗、只、その後、ソチ組を固定、強化して強くなった)
  中国、韓国は4人を選んだ後、国家予算で4年以上カーリング漬けにし、中国に至っては、ずっと強豪カナダへカーリング留学させてます、このシステムを日本で出来るなら選抜制も有りですが、そんな予算もないし、今は日本も裾野が拡大しててチームへの補償問題が起きます。
  僕は、共産主義でもないのに、こんなシステムは嫌悪します。
  それにね、今の「道銀」は実質「選抜」と言っても過言でないチーム。メンバーの誰一人、他に代わりが居ないんじゃないかな。
  それくらい、国内じゃ抜けたチームに成長しています。
  (大体、選抜賛成派のドリームチーム・メンバー見ると、全員4番バッターでチームとして機能する筈が無い(笑))

 (おまけ)
 カーリング、オリンピックへの道(前回と同じシステムなら)
 来年、再来年の世界選手権での獲得ポイント上位7カ国と開催国、計8カ国に出場権が与えられる。
 残り2枠を、各ゾーン選手権のポイント上位7カ国が参加する最終予選で決める。
 日本のファン全員が思ってるけど、これが著しく不公平なんですよ。
 世界選手権に出場出来る枠は大陸別に決められていて、ヨーロッパ8、南北アメリカ2、アジア・オセアニア2なんです。
 アジア・オセアニアが2というのはカーリング後発国でやってる国が少なかったからなのですが、現在、五輪、世界選手権でもアジア勢は上、中位に入る実力があります(中国、韓国、日本)
 平昌の場合、韓国は開催国出場だからアジア枠は実質1、で、中国とは悔しいけど大関と前頭くらいの差が有る、おまけに韓国とは、どういう訳か相性がすこぶる悪い(ついでに、何故かアメリカも)。
 ヨーロッパなんて日本より弱い国が沢山あるのに8、それより酷いのがアメリカ大陸で普及してるのがカナダとアメリカだけなのに枠が2あるから、ほぼ自動的に出られる。
 せめてアジア・オセアニアの3番目とアメリカ大陸の2番目とのプレーオフをやってくれないと、日本が次回以降五輪に出るのは、本当に苦しい。
 でも、ビッグ・スポンサーがフォードなんですよね・・・、アメリカに不利になる改正は望み薄。(泣)
  

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