セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「ウォーム・ボディーズ」

2018-04-17 23:00:03 | 映画感想
 「ウォーム・ボディーズ」(「Warm Bodies」、2013年、米)
   監督 ジョナサン・レヴィン
   原作 アイザック・マリオン 「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」
   脚本 ジョナサン・レヴィン
   撮影 ハビエル・アギーレサロベ
   音楽 マーティン・ホイスト
   出演 ニコラス・ホルト
       テリーサ・パーマー
       ロブ・コードリー  

 人間、ゾンビ(生きる屍体〜僅かに記憶あり)、ガイコツ(自分の屍肉まで食べたゾンビの末期形〜記憶なし)。

 或る日、空腹に耐えかねたゾンビの一団が餌を求めて廃墟に出掛けた、防壁の中の人間達も不足する物資調達の為、志願した若者達を廃墟に向かわせる。
 ゾンビの中にRが、調達隊にはジュリーが居た・・・。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=NPe3r80z5js

 
 純愛系ゾンビものと云う事だけは知ってたのに、R(自分の名前がRで始まるのだけは記憶に残ってる)とジュリーが主役なのに、気付くのに40分掛った、鈍いなぁ。(汗)
 まぁ、バルコニーより前に気付いたのがせめてもの慰め。
 純愛、R&Jなら、即、ロミオとジュリエットだよね。(笑)

 という訳で、ゾンビ映画で「ロミオとジュリエット」のバリエーションをやってみました、という作品。
 ゾンビの側がモンタギューで人間側がキャピュレット、当然ながら敵対関係、立場的に全然被らないけどガイコツが大公家一族の見立てなのでしょう。
 本作ではゾンビのうちは記憶が薄っすら残ってて単語のやり取りが出来るのがミソ、もう一つ、相手の脳を食すとその記憶も一緒に取り込まれると云うのも特徴。(時折、フラッシュ・バックする)
 ゾンビ達が人間狩りをした時、Rがジュリーの恋人(ほぼ終了してた)の脳ミソ食べちゃって、急にジュリーの事が気に掛かりだし他のゾンビから守っちゃう、笑っていいのか何なのか非常にシュールな出会いから物語は展開していきます。

 「ゾンビは孤独だ、他のゾンビと何の繋がりもなく、只、一日中ノロノロうろつくだけだ」
 中盤まではRのモノローグで進行していくのですが、ある事をすることで(Hじゃないよ)人としての温もりが蘇りだし、他人との繋がりも恋しくなってゾンビ達に連帯感が生まれてくる。
 知能が無い筈のガイコツ達がR&Jの存在にゾンビ界の崩壊を感じ取り襲って来るやら、危難の時、ゾンビが走り出すとか、ご都合主義の塊みたいな所もあるけど、「ロミオとジュリエット」のパロディーと考えれば整合性を問うのは野暮でしよう。

 若い二人の死によって両家が和解するというのが本家ですが、「ウェスト・サイド物語」だって片方しか死なないんだから、別に死ななきゃいけないって訳じゃない。(笑)
 この作品のゾンビは「ゾンビ病」に掛ったっていう設定なのかな、病気なら治療法が見つかればOKでしょう。
 ま、そういう事にしといてくれって感じの映画。
 個人的には面白く観終える事が出来ました。

※最後はジュリーがゾンビ化してRと幸せに暮らしましたとさ、って話なのかと思ったのですが見事にハズレました。(笑)

 H30.4.15
 DVD 
コメント (2)
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