セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「きっと、うまくいく」と「ペーパー・チェイス」

2015-04-06 23:43:18 | 映画日記/映画雑記
 予めおことわりしておきますが、僕は「ペーパー・チェイス」をコメディ化したのが「きっと、うまくいく」だなんて思っていません。
 只、設定に似てる部分が多いのは事実。
 こなた、インド最難関のICE工科大学、片や、何人もの大統領、司法長官を輩出してるハーバード法学院。
 主人公が恋に堕ちる相手が鬼学長の娘なら、「ペーパー・チェイス」では、最難関と言われる契約法の鬼教授の娘。
 どちらも主人公は、それと知らずに出会う。
 理由は違うけど、即退学となりうる不法侵入シーンもあるし、
 ペーパー(試験)を追うばかりの空しさを訴えてるのも似ています。

 でも、似てるのは、そこまで。
 「きっと、うまくいく」はコメディで、「ペーパー・チェイス」は軽めのシリアス話で雰囲気がまるで違います。
 学長はちいっとばっか考えを変えたかもしれないけど、「君達の脳ミソを法律家仕様に作り変える」と宣言するキングスフィールド教授は一切変化しません。
 出来は、個人的見解ですが「きっと、うまくいく」の方が遥かにいいと思っています。
 (教授が生徒の顔と名前を憶えていない、というオチは使ったかな(笑))

 ハーバード法学院はICEや日本と違って、1年目で勝負が決まるそうです。
 ここで優秀な成績(特に難関科目)を取った者だけが次のステップへ進める、進級は一緒でも、2年目で「超エリート」と「その他」に選別され、「その他」から「超エリート」へは編入出来ない。
 「ペーパー・チェイス」という映画は、その1年目を描いた作品です。
 (日本も同じらしいけど、そういう所へ行ったら目の開いてる時間は全て勉強・判例調べに費やされ、映画のように「恋」なんてしてる暇は全く無いとか~ハーバード法学院の場合、授業が終わると直ぐに付設図書館、図書館の閉館はAM3:00)

 只、この作品、「きっと、うまくいく」に無い面白い点が一つだけ有ります。
 それは、何故か無性に勉強したくなる事。(笑)
 映画を観て「何かしたくなる」というのは結構ありますが、「勉強したくなる」という珍しい経験は、この作品以外、感じた事がないです。
 (「マダム・イン・ニューヨーク」も似た感覚を持つ人が居ると思いますが、僕には「ペーパー・チェイス」の方が、断然、強烈でした~「マダム~」は、そういう作品じゃないし)

※僕が「ペーパー・チェイス」を忘れられないのは、ヒロインのリンゼー・ワグナーの大ファンだったから。(笑)

 「ペーパー・チェイス」(「The Paper Chase」、1973年、米)
   監督・脚本 ジェームス・ブリッジス
   原作 ジョン・ジェイ・オスボーン・ジュニア
   撮影 ゴードン・ウィリス
   音楽 ジョン・ウィリアムス
   出演 ティモシー・ボトムズ
       リンゼイ・ワグナー
       ジョン・ハウスマン(アカデミー賞助演男優賞)
コメント (6)
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