セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「セッション」

2015-04-26 01:12:53 | 映画感想
 去年、場外ホームランの作品に何本も当たった反動か、今年はイマイチ不
作気味。
 これで初見18本目だけど、HRはおろか3塁打さえ無い感じ、本作は当た
りが強烈過ぎて2塁打止まりだったかな。

 「セッション」(「WHIPLASH」、2014年、米)
   監督 デイミアン・チャゼル
   脚本 デイミアン・チャゼル
   撮影 シャロン・メール
   音楽 ジャスティン・ハーウィッツ  
   出演 マイルズ・テラー
       J・K・シモンズ
       メリッサ・ブノワ

 名門音楽学校へ通うニーマンは、鬼教授フレッチャーの目に留まりエリート・
バンドへ編入される。
 そこで待っていたのは、少しのミスも許されない強烈なレッスンだった・・・。

 この作品、終わり方がいい。
 極めてドライにスパッと終わらせてるのが大好感。
 作品自体、教授vs生徒の一点にピントを合わせた非常にシンプルなものを
スピードで一気に見せるから、この終わらせ方が正解だと思います。
 付属部分のガールフレンドの描き方も最小限。父親の描写がテンポダウン
させてるけど、これが無いとタメの一切無い作品になってしまうから、邪魔だ
けど必要でしょう。
 (ガールフレンドの描き方、凡百ならもっと描き込みたくなる所)
 現代に於いて、これだけシンプルな作品をしっかり魅せる事が出来たのは、
全て教授役J・K・シモンズの個性のお陰。
 確かに主演M・テラーのバチ捌きは素晴らしいの一言なんだけど、それもシ
モンズという強烈な太陽があるからこそ光る事が出来たような気がします。
 「ガンダム」で言えば、シャアという光が有るからアムロが映える、って感じで
しょうか。
 只、強烈な個性に必死に対抗する個性は描けてるけど、「パレードへようこ
そ」と同じで、その内面には余り立ち入っていない。
 表面的な個性を描く事だけで止まってる、それが、この作品の弱い所じゃな
いかと思っています。
 赤い彗星vsガンダム、マシーン同士の戦いは描けてるけど、搭乗してるシャ
アとアムロという人間は類型で終わってる。
 そんな感じがしました。

 昔々のスポ根モノ、「巨人の星」、「あしたのジョー」、「アタックNO1」、いろい
ろ有りましたが、これはモロに「巨人の星」ですね。(笑)
 男性向けかもしれませんが、中々、面白かったです。

※「ジェレミー」(1973年)でチェロの先生がラッキョウ頭だったけど、男の音楽
 教授はラッキョウ頭がデフォなのか。(笑)
 顔も良く似てるし。
※「ペーパー・チェイス」(1973年)では、L・ワグナーとの恋愛パートを削って
 勉強一点に絞った方が良かったと言う人が少なくないのですが、それを実行
 すると、この作品に近くなると思います。

 2015.4.24
 TOHOシネマズ新宿 スクリーン7
コメント (2)
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