天津佳之著「尊氏と正成・利生の人」を読みました。
皆が明日の皆を生かすために、
役割を果たすのです。
「利生の人」とは、衆生に神仏の利益をもたらすこと。(民のために働くこと)
鎌倉幕府を倒し、人が生きる甲斐のある世を理想に掲げた後醍醐天皇の志に賭けた楠木正成
正成に惚れ込んだ足利尊氏。
たとえ敵味方に分かれようとも、二人はただ、為すべきを為そうとした。(帯封の解説より)
二人とも後醍醐天皇の、建武の新政を支えようとするが、武家や公家の私利私欲に翻弄されて
お互いが気持ちを通じ合いながら、敵味方に分かれて戦わねばならなった。
(尊氏は鎌倉方~天皇~幕府と二回寝返りますが、衆生の味方になるという初心を貫いて、足利幕府を興します)
敗けると判っても初志一貫、天皇方として戦った正成に、もののふの生きざまを感じます。
正成と子の正行との、桜井の別れは「楠公の歌・青葉茂れる桜井の」と歌になって後の世にも歌い継がれています。
15章有る歌詞の中に、正成の心持ちや業績を讃えています。
年の所為か、理解力が無くなったのか、なかなか本が読み進めません。
久し振りに良い本に出合ったと、満足しています。
私が武士としての生きざまに共感を覚えるのは、「楠木正成と真田幸村」時代は違いますが
この二人の武将の生き方に、初心を曲げない清冽な潔い志を感じます。(二人が行きていたら、のちの世は?)
皇居外苑に「楠木正成公」の銅像が有ります。
躍動感溢れるこちらの銅像、実は東京三大銅像の一つ。(残り二つは上野の西郷隆盛像と、靖国神社の大村益次郎像)
像の正面は「記文」がはめ込まれている側になりますが、像の顔は正面とは反対側の皇居側を向いています。
これは皇居に対して顔を背けるのは失礼にあたるという理由によるもの。
像の正面から見て顔が反対側を向いているという、珍しいつくりの銅像でもあります。(皇居外苑のサイトより)
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