宮本輝著「流転の海・全9巻」を読み終えました。
宮本輝さんのお父様の波乱万丈の人生を描いた作品です。
作者が第1部の「流転の海」を書き始めたのが34歳の時、それから71歳までの37年間に及ぶ大作です。
私が、図書館でこの本に出合ったのが、2016年の3月29日から市の図書館を探し回って
刊行されている8部迄を一気に読み上げたのが7月でした。
それから、最終章となる9部の発行が待ち遠しくて待ち遠しくて~~
そのうち、すっかり忘れてしまいました。
このころ、私は、図書館にある宮本作品を「泥の河」を手始めに眼に付く限りの作品を読んでいました。
で、先日久しぶりに「宮本作品」は無いかと書棚を見ますと、第9部の「野の春」が有るではないですか。
2018年10月に発行されていたのに気が付かなかったのです。
なんと、愚かなこと!!
5年前に読んだ本ですので、忘れているかもしれないと7部から読み返しました。
宮本輝さんは、私らと同年代を生きてきた人です。
作品の中に脈打つ、戦後日本の背景に郷愁を感じます。
作者の父「松坂熊吾」
戦後の大阪で、度胸と才覚で戦後を生き抜いた男の人生は壮絶なものでした。
唯、がむしゃらに稼ぐだけでなく、人への思いやりや暖かい心はすごい魅力でした。
昔は、こんな器の大きい男の中の男を感じさせる人が居たなぁ~と懐かしさを覚えました。
それに比べて「今の男の小さいこと」(ごめんなさい)
興味のある方は、読んでみて下さい。一読の価値ある本だと思います。
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