昨日は東大安田講堂でシンポジウムに参加しました→
地球温暖化問題 議論から行動へ~低炭素社会の実現に向けて~
前半は、小宮山東大総長、松橋東大大学院教授、一方井京大教授の講演で、後半は松橋、一方井両教授に加え、大野東京都環境部長、大林駐日英国大使政策アドバイザー、小林三菱化学社長、清水日経新聞論説委員、湯原東大特任教授によるパネルディスカッションでした。
前半終了時点で35分も押してしまったのですが、責任の大半は小宮山総長の責任です。講演は非常に気持ちが伝わる良い内容だったのですが主催者としては完全に失格ですね(苦笑)。
シンポジウムの結論は、2050年二酸化炭素85%削減に向けて、行動を起すべきだということです。小宮山総長はこの85%削減を誰もが達成可能だと考えていないことが問題だと言ってました。
建物の断熱化、古い家電の買い替え、太陽光・風力発電の導入など現在可能な技術を総動員するだけでも相当の部分は達成可能だと力説していました。また、小宮山、松橋両教授とも、再生可能エネルギーの不安定さは系統をコントロールする技術を突き詰めて行けば必ず解決できる問題だと自信を持って発言していました。
小宮山総長は技術者にとってはやりがいのある、おもしろい研究対象だとむしろ嬉しそうでした。
現在、太陽光や風力発電が全体に占める割合はごくわずかだが、原発の商業炉1号が完成してから、発電量の1%を占めるようになるまで30年かかったというような話もありました。
また、二酸化炭素85%削減のためにはライフスタイルを変えること(省エネ)はもちろん大切だが、それだけでは全体としては大きな成果にはつながらないというような発言もありました。
パネルディスカッションは、時間が押していた上に、更に一人ひとりの発表が長くて、残念ながらディスカッションの時間はまったくありませんでした。パネリストはそれぞれ専門家なので、自分の研究に関することを1時間でも2時間でも話がしたい人たちばかりですから、話を手短にと言っても無理無理ですね。
その中では東京都の野心的な取組みと、三菱化学の社長から原油は遠くない将来枯渇するのだから、発電には石油は使わないようにしないとマズイと言っていたのが印象的でした。個人的には車も別の方法で動かすようにしたいですね。
おそらく自分が知る以上に原油が原料になっているものは多そうです。まあ、普段意識していませんが農業さえ油がなければまったく成立しないわけですから、原油の枯渇を考えると恐ろしいことです。
先日、日経のしょもない記事(地球寒冷化)について触れたのですが、今回のパネリストの日経の論説委員も酷かったな。日経サイエンス編集長や科学技術部長を務めていたそうですが、空気が読めずに司会者から急かされてました。
終了時間も押したので、慌てて新幹線に飛び乗って帰ってきました。こういうシンポジウムがインターネットで中継されると地方に住む者としてとても助かるのにと思います。おもしろそうな催しが無いかと時々、チェックしているのですが、スケジュールや懐具合で参加できないことがしばしばです。
今日はボランティアで雛のつるし飾りの道案内をしたのですが、それにしても暖かかったです。家に帰ってきたら末っ子が半袖で遊び回っていました。