(茨城新聞より)
つくば市などが小中学校に設置を進めている発電用風車が当初計画通り発電していない問題で、会計検査院は十五日、環境省の補助金が適正に執行されているかを調べるため、市に対し実地検査を行った。会計検査院は環境省からも説明を受け、今後の進め方を決めるという。
実地検査は同日午前十一時前から午後五時すぎまで、同市谷田部の市役所で行われた。会計検査院の職員三人が、小野寺清助役や直井光二環境保全部長らから、補助金の申請から交付までの手続きや風車発注に至るまでの経緯について、交付申請書などの関係書類を確認しながら事情を聴いた。
会計検査院の職員らはさらに、大穂中や谷田部中など三校で市側の説明を受けながら、設置された風車の稼働状況を確認した。
この事業は、二〇〇四年度の環境省の補助事業に採択され、同省の交付金一億八千五百万円と市負担金一億千五百万円で、市内十九校に早稲田大が技術移転したダリウス・サボニス型風車(出力十㌔ワット)が二十三基設置されたが、稼働率が予測を大幅に下回るなどの問題が発覚。
また、市民団体の指摘で、早大が一昨年の基本計画策定時に年間発電量を試算した風車は、設置された風車と出力特性が異なることなどが判明。市は十七日にも早大に対し、法的手段を含む、対応を決める方針だ。
以前この事業は会計検査の対象となると書きましたが、その時は一般論として書いただけで、この時期に会計検査院が乗り込んで来るとまでは考えていませんでした。
何も悪いことをしていなくても会計検査はなんとも言えない緊張を強いられます。まして、後ろめたいことがあるとなると、つくば市の職員はかなりキツイのではないでしょうか。
昨日のブログにコメントいただいた、つくば市住民の方の情報では、ほとんど実態の無い風車選定委員会の委員長でもあるつくば市助役と早稲田大学の橋詰教授は周知の仲だったようです。
選定委員会が実態の無いものだっただけでも問題ですし、知り合いの早稲田大学の教授から技術移転された風車メーカーの、それもほとんど実績の無い10kw風車を選定し、技術移転に関するロイヤリティーが早稲田大学もしくは橋詰教授に還元されていたとすればこれは、単なる税金の無駄遣いでは済まされない問題ではないでしょうか。ある方はこの件を「環境詐欺」と言っています。
会計検査院から調査官が3人乗り込んで来たとなると、補助金の返還を求められる可能性が高いのではないでしょうか。というか、これで補助金の返還を請求しないのであれば、会計検査院の存在意義が疑われてしまいます。
つくば市は早稲田大学を提訴するようですが、会計検査の内容から、補助金の返還を求められそうだという感触を持ち、その責任を回避するためには、法的手段に訴える必要があると判断したのではないでしょうか。あくまでも推測ですが。
責任のなすり付け合いが司法の場に舞台を移すこととなり、これで今までわからなかった事実関係が明らかになる可能性が出てきました。
今後ともこの問題を注視していきたいと思います。
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特にこの事件で注視したいのは、風車選定委員会に、早稲田/E&Eと研究開発パートナーとなっている、日本工業大学の助教授が加わっていることです。
風車選定委員会に、特定の業者に関わりある人材を起用するのは、常軌を逸している行為だと考えます
つくば市は「つくば市小型風力発電機設置検討委員会」の委員に、ご指摘のように設置機種と深い関わりを持った日本工業大学の丹澤祥晃氏を人選するという社会通念上許されないことを平気で行っているのです。しかも風車に関する技術的なことがわかる委員は7名中2名で、そのうちの一人が丹澤祥晃助教授ですから、つくば市がいかに世の中の常識から外れた恥ずかしい行政を行っているか明らかでしょう。「委員会」は、委員長を選出し、委員長が「委員会」を招集するという「要綱」が定められております。にもかかわらず、一回も委員会が開かれず、議論も合議もされないまま、つくば市の担当者が各委員を個別に訪ねて持ち回りに署名・捺印の承認をもらっているのです。提示された資料は、4機種を羅列した簡単な一覧表で、なぜか、すでに現在設置されている風車に推薦機種として明記してあるのです。
私たち市民が「委員」に聞き取り調査したところ、学校関係者と教育委員会から委員になっている4人は、まったく技術的なことはわからないとの一点張りで、推薦されるままに承認したという状況でした。他の有識者委員も騒音が少ないこと、カットイン風速が低いこと安全性があることなどの一般論をコメントする程度で技術的に性能保証があるのかどうかの調査も検討もせず、推薦機種を承認しているのです。
国や自治体の審議会・委員会の多くが似たり寄ったりかも知れませんが、つくば市のこの「設置検討委員会」の決定経過をみてもいかに委員会とは名ばかりで形式を整えるための「お飾り」になっていたかが伺えます。委員を承諾した人は、もっと委員として自覚を持って、おかしいことはおかしいと言える高い見識を持ってもらいたいと思います。結論すると、風車が悪いのではなく、風車の導入に関わってきた行政組織の無責任性と人為的不手際によって、つくば市と早稲田大学が「回らない風車」を作り出したのです。ですから市民の行政に対する監視とチェック機能を強化する以外に救いようが無いように思います。
この風車選定委員会がいい加減なものらしいという報道は目にしていましたが、ここまで杜撰とは驚きです。つくば市であれば、いくらでも学識経験者がいらしたでしょうに。
これでは、つくば市の自作自演と言われても反論すらできませんね。司法の場で責任を擦り付け合って適当なところで手打ちということでは、今後も同じような問題が起きる可能性があります。
つくば市のためにも、市民の皆さんの奮起を期待しております。