SIMフリースマホを使って分かったこと~メリットと注意点(1)

 昨年12月にデュアルSIMフリースマートフォン(以下スマホ)を買い、ケータイ(従来型携帯電話、フィーチャーフォン)との2台持ちよりコストパフォーマンスがいいと書いた(「栗野的視点No.498」)が、1年近く使ってみて分かったこともあるのでSIMフリースマホを買う場合の注意点も含めて、使用感をリポートしてみたい。

スマホ利用料がさらに下がった

 現在、私が使っているスマホはコヴィアの「FLEAZ F5」という3G回線専用のSIMフリースマホ。このスマホの仕様(スペック)は「栗野的視点(No.522)」に記しているから細かいところは先メールで確認していただくとして、大きな特徴のみを示すと
1.標準SIM、マイクロSIM用のスロットがあるデュアルSIM。
2.両SIMの同時使用はできない。
3.両スロットともLTE未対応。
4.無線LAN(WiFi)が2.4Ghzと5Ghzに対応
5.販売価格は2万円を切る

 このスマホにソフトバンクのケータイから抜いたSIM(標準サイズ)を差し、もう一方のSIMスロットにはヨドバシカメラで購入したワイヤレスゲートのデータ通信専用「480円プラン」SIMを差している。
 ワイヤレスゲートの「480円プラン」は通信速度が250kbpsと遅い代わりにデータ通信に制限がなく、いくら使っても月額480円と安いのが特徴だ。他社にも低額使い放題はあるが、通信速度が皆150kbpsか200kbpsまでで、ワイヤレスゲートの方が少し速い。
 ところで、250kbpsってどこまで使えるのか、という疑問がおありだろうが、実際に使った経験では結構というか案外使える。「結構(案外)」とはメールの送受信は問題なく使える、HPも大体見ることができる。画像、ファイルのダウンロードはかなり時間がかかる。
 さらにいいのは外出時にワイヤレスゲートWiFiが無料で使えることだ。駅、空港、ファストフード店、カフェ、商業施設等の全国4万か所でWiFi接続(無料)できるから、ちょっと重い(画像が多い)ホームページを開いたり、ファイルのダウンロードをするときはワイヤレスゲートWiFiが繋がる場所に行けばいいわけで、これも結構使える。





 データ通信はこれでいいが、音声電話はどうするのかといえば、もともと契約していたソフトバンクのケータイに入っているSIMを抜き替えてスマホに差している。こちらは2200円でかけ放題。つまり月の利用料は2200円+480円=2680円(税別)。

 だが現在、通信費はさらに下がった。データ通信用のSIMをワイレスゲートからFREETEL(フリーテル)の「使った分だけ安心プラン」に変えたのだ。
 同社プランは、~100MB(299円)、~1GB(499円)、~3G(900円)、~5G(1,520円)、~8G(2,140円)、~10G(2,470円)と分かれている。
 つまり、ほとんど使わなければ月299円だし、もっとも使っても2,470円まで。

 FREETELがこのプランを打ち出したのが今年7月から(たしか)。私は早速、FREETELの同プランに乗り換え、現在、データ通信料は299円で済んでいる。しかも10月1か月は299円で10Gまで使い放題を実施したから、この月に限ってはガンガン使えたはず。私自身の使い方は変わらなかったからほとんど関係なかったが。

FREETEL マイクロSIMカード[LTE対応・データ通信専用] FREETEL SIM データ通信専用 M002K01


ソフトバンクユーザーは要注意

 政策の人気取りもあり、国は携帯電話(主にスマホ)の通信料の引き下げ圧力を強めているから、来年から少し通信料金は下がりそうだが、逆に端末機器を「実質無料」で手に入れられなくなる可能性が高い。
 そうなるとキャリアでスマホを買うのを止め、格安のSIMフリースマホに替えようと考える人もいるだろう。実際、SIMフリースマホに替えるとスマホにかける金額がかなり下がるのは上記の例からも分かるように明らかだ。

 しかし、SIMフリースマホならなんでもいいわけではない。よく調べずに買って、こんなはずではなかったと後悔することもある。
 例えば私の場合、地方に出かけて電波が入らずに困ったことがある。その時は「ああ、やっぱりソフトバンクはダメだ。地方はドコモかauでなければ」と思ったものだ。
 ところが、同じソフトバンク契約の友人はアンテナが立っていた。もちろん通話ができていたのだ。ということは私の場合のみ電波が通じなかったわけで、それは友人がLTE回線で、私が3G回線だからだろうと考えていた。

 だが、よく考えてみればこれはおかしな話で、音声通話はどのキャリアも3G回線で、LTE、3Gの差が出るのはデータ通信時である。つまり音声通話ができない(電話ができない)のは電波の周波数帯(バンド)が対応しているかどうかの問題だ。
 しかし、しかしである。SIMフリースマホの多くは「ドコモのFOMAエリアのみでなくFOMAプラスエリアにも対応」しているから、「ドコモの電波が届く範囲内なら通話できる」ことを唱っている。
 これを周波数帯(バンド)で見ると、FOMAが2100MHz(バンド1)、FOMAプラスが800MHz(バンド6、19)となる。
 私が使っているコヴィアのSIMフリースマホにはもちろん2100MHz、800MHz対応と明記してあるし、日本国内で売られているSIMフリースマホにもそのように明記されている。にもかかわらず電波が届かず、通話ができないのはどういうことだ。





 実は、いままで漠然とドコモとソフトバンクは同じ方式(W-CDMA)でauのみ別(CDMA2000)だと思っていたが、ドコモとソフトバンクでは対応周波数帯(バンド)が違っていたのだ。
 ちょっと専門的な話になるが、ソフトバンクユーザーがSIMフリースマホに変更、あるいは現在使っているスマホにキャリアのSIMではなくSIMフリーを入れようと考えている方は注意して欲しい。

 ドコモの周波数帯(バンド):2100MHz(Band1)、800MHz(Band6、19)
 ソフトバンクの周波数帯(バンド):2100MHz(Band1)、900MHz(Band8)

 要するに2100MHz(Band1)は同じだが、より広範囲に電波が届くプラチナバンドと呼ばれている周波数帯がドコモとソフトバンクでは違うのだ。そしてほとんどのSIMフリースマホはドコモの周波数帯には対応しているが、ソフトバンクの周波数帯(900MHz)には対応していない。そのためソフトバンクの電波は繋がりにくい、届かないという症状が出る。私の場合が完全にそれだった。
 これはSIMの問題ではなくハードの問題だから、後でソフトのバージョンアップを行えば対応できるということではない。それ故、SIMフリースマホを買う場合、最初にスマホ本体が対応している周波数帯をよく調べて買う必要がある。

 SIMフリーを勧めたり、メリット・デメリットを紹介しているメディアでも、このことに触れているものが皆無に近いのも問題だろう。

 またソフトバンクはフィーチャーフォン(従来型ケータイ)のSIMサイズの変更には応じてくれない。例えば標準SIMをMicroSIMに変更する場合は機種変更するしかない。早い話、SIMのサイズ変更に際し、高い金を払わされるわけだ。
 ソフトバンクがSIMフリー化や、通信料の値下げに前向きではなく、後ろ向きなのがよく分かる。






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