歴史はらせん形に進む--時代の修正作用が働き始めた(1)

 歴史は決して1本調子に発展も後退もしない。かといってジグザクに進むのでもない。ある時には後戻りしているようにも見えるが、確実に過去をアウフヘーベン(止揚)しながら、いわばらせん形に進んでいるのである。それはまるで「時代」の意思とでもいうべきものが存在し、行き過ぎや過ちを修正しているようにさえ思える。

 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、といわれるが、日本人が歴史に学ばなくなったのはいつ頃からだろうか。恐らく驕り高ぶったバブル経済の頃からではないかと思う。そして最高潮に達したのが小泉政権の頃。

 あの頃、この国と国民は浮かれていた。なんといっても国のトップからして「なんてたってア~イドル」と自分のことを歌っていたぐらいだから。


 気が付いた時には、「総中流」社会といわれたこの国はアメリカ並みの格差社会になり、国民の大半は中流から下流に押しやられていた。それでも下流になったのは「自己責任」だと言い、まだ頑張れば中流、上流に上がれるんだという幻想を持っていた人達が多かった。とりわけ若い人達の間に。

 そのツケがいま回ってきた。
 首相という立場を除けば、麻生さんの最近の言動はバカ正直というか当事者意識がないというか、いずれにしろ、当時この国が陥っていたトランス状態を正直に吐露している。


 鳩山総務省が「かんぽの宿」売却に疑念を呈した時、大手新聞社は社説で「総務大臣がいちゃもんを付けて、郵政民営化を後戻りさせようとしている」と論じた。
 ところが、その後、1,000円で売却された施設が全国に7か所もあったり、1万円で売却した施設が6,000万円で転売されていた事実が明るみに出てくると、途端に論調が変わってきた。


 市場原理に任せておけば「見えざる神の手」が働き、全体で調和が取れるようになるどころか、市場原理に任せておけば「神の手」ではなく「悪魔の手」が裏で働き、誰かが不正に儲けていた



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