栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

民主党代表選、低レベルな対立を作り煽るマスメディアの酷さ

2011-08-29 01:10:42 | 視点
 毎度のこととはいえ、相変わらずマスメディアの報道は酷い。
報道番組なのに娯楽番組のように興味半分で取り上げている。
それだけならまだいいが、世論を一定の方向に誘導する役割を果たすだけに恐ろしい。
今回の民主党代表選のことである。
実質、次の首相選びと同じなのに政策や理念を聞かず、あろうことか、好きか嫌いか、○か×で答えてくれと5人の立候補者に質問している。
夕方6時から放映された「真相報道バンキシャ!」なる番組である。

「小沢さんが好きか嫌いか○×で答えてください」
司会の某氏(名前は知らない)の最初の質問である。
あまりにも失礼だ。
私が立候補者で、もしその場にいれば、「そんなくだらない質問をするために呼んだのなら失礼する」と憤然とイスを蹴って退場しただろう。
芸能番組でも料理番組でもなく、曲がりなりにも「バンキシャ!」と名前が付いているくらいだから、一応は報道番組のはずだ。
それなのにこの低レベルな質問!
立候補者の方も方だ。
誰一人怒るわけでなく、○を揚げたり揚げなかったり。
政治は誰かを好きとか嫌いでするものではない。
にもかかわらず、こうした好き、嫌いの質問が出るようになった元は菅直人氏がそのような次元で党内政治を行ったからだ。

 大体、「小沢支配」「小沢悪人」説を創造し、その対立軸で煽ってきたのは日本のマスメディア(海外メディアの対応は違うから、ここでは敢えて「日本の」という接頭語を付けた)である。
なぜ、そこまで「小沢悪人説」を流布しなければならないのか。
答えは簡単だ。
小沢氏の政治改革で自分達が不都合を被るからだ。

 今回の選挙の対立軸は「脱小沢」「親小沢」なんかではないはず。
「この国の将来をどうするのか」ということこそ問われなければならない。
なのに、そういうことは全く聞かない、聞こうとしない。
いい加減にしろと言いたい。
民主党政権の公約も財源がないから、撤回するのが当たり前だ、という論調が目立つが、果たして本当か。
民主党の公約を撤回しろというのは自民党政治に戻せと言うのと同じだ。

 管政権がやったことは自民党政治に戻したことだけなのに、マスメディアはそこを一切突かない。
官僚の天下り防止も、事業仕分けの徹底実施も、公務員制度改革も、何も行われていない。
そういう問題を突かずに、復旧・復興のために「大連立」を煽り、財源不足を理由に民主党の看板製作の撤回を迫るマスメディアって一体何だろう。
彼らは戦前、この国が戦争に突き進んで行った時に、軍部と一緒になって国民を煽ったことを忘れたのだろうか。
今回も同じ事をしているというのに。
だから「マスメディアは信用できない」とネットなどで言われるのだ。
しっかりしろ!
自らの力と影響力を自覚し、きちんとした報道をすれば、既存媒体に視聴者・読者も帰ってくるだろう。

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