昨日、ミステリー商店街で見かけたこの花・・・
読者の方から「カラスウリではないか?」というコメントを頂いた。
秋に赤い実をつけるカラスウリ(烏瓜)は
何度か公園散歩で見かけたことがあるので知っている。
でも、こんなユニークで奇怪な花を咲かせるとは植物とは知らなかった。
但し、カラスウリは夜咲いて朝には萎んでしまうので
別の方から、これは「キカラスウリ」ではないかというご指摘も頂いた。
お二人が異口同音に「異様な光景」と言われたので
ますますミステリー度が増幅して来た。
そのカラスウリの「お化け屋敷」の脇で
一匹の野良猫がじっとこっちを見ているのでギョッとなった。
まさしく「迷宮の住人」である。
不敵な面構えの中にも人懐っこさがあるように見える。
「お前、こんなところで何してるの?」
呼びかけたらヒョコヒョコと足元に寄って来た。
自慢ではないが、野良猫に好かれた経験はめったにないので
オジサンはかなり嬉しかった!
「こんなところで何してるんだ?」
「呼んだから来てやったんじゃねえか」
「ま、それはそうだけど・・・お前、ホームレスなの?」
「俺にはもともと家なんて概念がないの。あんたこそホームレスだろ?」
「し、失礼な・・・家はちゃんとあるよ」
「こんな真昼間から仕事もなくてウロウロしているからさ」
見ると耳のあたりに痛々しい傷跡が・・・
「耳、どうしたの?」
「別にどうもしないさ」
「でも、かなりヒドイことになっているけど」
「人間、一人で生きてりゃ、いろいろあるさ。猫だって同じよ」
「でも、痛そうだけど、大丈夫?」
「ふん、蚊が刺したようなものさ」
「お前もいろいろ大変なんだねえ」
「同情するよりエサをくれ」
親しくなった気になると、すぐにプイと横を向いてしまう。
全く可愛げがないが、猫のそういう「冷淡」なところがいいなと思う。
「俺、そろそろ行くけど」
「勝手に行けばいいだろ」
「愛想がないなあ」
「俺には愛想なんて概念もないの」
「一人で生きて行くのは大変だろうけど、頑張れよ」
「あんたこそ頑張れ。目が死んでるぞ」
と言う訳で、わずか3分ほどの邂逅であった。
「迷宮の住人」は未練たらしいオジサンを突き放すかのように
背中を向けて二度と降りかえることはなかった。
その視線の先には・・・ヒラヒラと舞うモンシロチョウがあった。
野良猫に励まされた・・・
などと言うとお笑い草だが、オジサンはちょっと元気になった。
何か「白昼夢」でも見ているような心持だった。