クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

編集者と行く羽生城めぐりは?(14) ―池袋で羽生城―

2010年12月02日 | 羽生城跡・城下町巡り
池袋にある大手書店で、“羽生城”を見掛けた。
新刊本コーナーに『羽生城と木戸氏』が並んでいる。
旧版の『羽生城―上杉謙信の属城―』は私家版だったから、
池袋の書店に並ぶことはなかった。

羽生入城前にぼくは織田信長にはまっていて、
その書店で『信長公記』を買ったことがあるだけに、
なんとなく感慨深い。
この街に毎日通っていた頃が、
天正2年の羽生城自落のごとく遠い。

あるコーナーへ行くと、
ある人の親族が書いたという本が並んでいた。
本を捲ると、かなり専門的な内容である。
むせかえるような“知”の匂いがしてくる。

ぼくはおおよそ本の香りとは無関係な環境に育ってきたせいか、
知的なものに対する憧れが強い。
自分が知的な人間ではないという反動もある。

できる人は、生まれながらにして優秀な血を継いでいるのだろうか。
むろん、本の有無で優秀さを測ることはできない。
ただ、本を書く人の遺伝子は受け継がれているわけである。
何の書物も残っていない家系を鑑みると、
やや暗い気持ちになった。

生まれながらにして持つものは、誰にでもあるかもしれない。
幼少期に人格が形成されるというが、
血だけは自分で選ぶことができない。
ただ、物忘れのひどさや、うっかりした性格を血のせいにしたら、
先祖に怒られるだろう。
人間、いつだって他人や先祖のせいにしてはいけない。



池袋駅前
コメント (2)
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