平城京跡に“大極殿”が復元されているが、
武蔵から税を運んできた人に、
都はどんなふうに目に映っただろう。
運脚夫は東山道を使って都へ向かう。
往路29日、復路15日。
いまなら新幹線で数時間だが、
往時はかなりの長旅である。
そして、ようやく辿り着いた都にそびえ立つ大極殿。
まるで異世界のような空間が広がっていただろうか。
とりまく雰囲気や言葉の訛りも違う。
都までの税の運搬は厳しい仕事だったが、
楽しみにしていた者も中にはいたかもしれない。
都で出会った人と恋に落ち、
帰ってこなくなった人もいたかもしれないし、
都で遊びを覚えて、素寒貧になった人もいただろう。
日々は草深き田舎よりも華やかで、
ドラマチックだったように思う。
むろん、田舎だってドラマチックだったろうが、
都には田舎にはないものがたくさんあったに違いない。
流行や文化、あるいは国の舵取りの最先端だった。
いまだって復元された大極殿をポカンと見上げてしまう。
まるで異世界に紛れ込んだかのよう……
古に作られた建造物やその土地の歴史は、
未だその輝きを失っていない。
往古、旅した人の目にも、
都はまばゆく映っていたのかもしれない。
大極殿(奈良県奈良市)
平城京跡
武蔵から税を運んできた人に、
都はどんなふうに目に映っただろう。
運脚夫は東山道を使って都へ向かう。
往路29日、復路15日。
いまなら新幹線で数時間だが、
往時はかなりの長旅である。
そして、ようやく辿り着いた都にそびえ立つ大極殿。
まるで異世界のような空間が広がっていただろうか。
とりまく雰囲気や言葉の訛りも違う。
都までの税の運搬は厳しい仕事だったが、
楽しみにしていた者も中にはいたかもしれない。
都で出会った人と恋に落ち、
帰ってこなくなった人もいたかもしれないし、
都で遊びを覚えて、素寒貧になった人もいただろう。
日々は草深き田舎よりも華やかで、
ドラマチックだったように思う。
むろん、田舎だってドラマチックだったろうが、
都には田舎にはないものがたくさんあったに違いない。
流行や文化、あるいは国の舵取りの最先端だった。
いまだって復元された大極殿をポカンと見上げてしまう。
まるで異世界に紛れ込んだかのよう……
古に作られた建造物やその土地の歴史は、
未だその輝きを失っていない。
往古、旅した人の目にも、
都はまばゆく映っていたのかもしれない。
大極殿(奈良県奈良市)
平城京跡