クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

春に逝った忌野清志郎さん

2009年05月04日 | 恋部屋
ぼくにとって忌野清志郎さんは春の人だ。
なぜなら、
その歌声を初めて聞いたのが春だったから。

清志郎さんの歌の中で、
1番好きなのは「宝くじは買わない」。
RCサクセションのデビュー作だ。

とても変わった苗字の人が持ってきたCDの中に、
RCサクセションのベスト版が入っていた。
日本中がワールドカップで盛り上がっていた頃、
ぼくはそのCDを聴きながら海へ向かった。

特異な清志郎さんの声。
ぼくはその歌声がたまらなく好きだ。
だけど、ときどき切なくもさせる。
なぜなら、
ひどく悲しいときに清志郎さんの歌を聴いていたから。

あれから何年も経っているのに、
清志郎さんの歌声はその春へ連れ戻す。
普段思い出すこともないのに、
去っていった人の顔が胸をよぎる。
「だってぼくには愛してくれる人がいるからさ」と歌う清志郎さん。
だから宝くじは買わない、と……

ニュースで清志郎さんが亡くなったと知った。
5月2日に息を引き取ったという。
やはり清志郎さんは春の人だ。
立夏を目の前にして逝ってしまった。

春に知った人は、
なぜ春に去ってしまうのだろう。
桜は毎年
鮮やかに咲くというのに……
謹んで清志郎さんの冥福を祈る。
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菜の花あかり ―恋うた(98)―

2009年04月21日 | 恋部屋
快晴より雨が好き。
明るい曲より、切ない曲を聴く。
やるなら集団競技より個人競技。
本を選んでいているときは、
誰にも邪魔されたくない。

利根川の源流へ向かうとき、
流したCDは森田童子のアルバム「たとえばぼくが死んだら」。

自殺へ水上に向かった太宰治のごとく、
何かが「おいで」と呼んでいた。
うまくいってたものがかみ合わなって、
朝が始まるごとに胸が痛んだ。

 春はやさしい
 今宵は満月
 短い命の
 あなたは十七
 淋しいあなたと
 どこへ行きましょう
 (「菜の花あかり」作詞森田童子)

深夜に車を走らせ、
利根川の上流で朝を迎えた。
「もしも」と思うとき、
あの日見た利根川が甦る。

もしも別の選択をしていたのなら、
もしもあの人と出会っていなかったのならば……

利根川の畔で、
白む空をぼんやり眺めていた。
全てを否定された気がした。
こっちへおいでと誰かが呼ぶ。
揺れる菜の花のように――

「菜の花あかり」を聴く
http://www.youtube.com/watch?v=lrPyj82TCA0
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3月2日生まれの人物は?(ミニの日・中国残留孤児の日・遠山の金さんの日)

2009年03月02日 | 恋部屋
3月2日生まれの人物には次の名前が挙げられます。

ベトルジヒ・スメタナ (作曲家『わが祖国』)
米内光政 (37代首相・海軍大将)
渡辺晋 (経営者・渡辺プロダクション創立)
ミハイル・ゴルバチョフ (大統領)
カレン・カーペンター (ミュージシャン(カーペンターズ))
ジョン・ボン・ジョヴィ (ミュージシャン(Bon Jovi))
寺井力三郎(画家)
高橋たか子 (作家)
柳瀬尚紀 (英文学者・翻訳家)
水田薫 (アナウンサー)
伊沢利光 (ゴルフ)
中森友香 (タレント)
琴龍 (相撲)
藤木悠 (俳優)
千葉れみ (タレント)
魚住りえ (アナウンサー)
島崎和歌子 (タレント・俳優)
浅田翔子(アイドル)

この日起きた事件は以下のとおりです。

『日本書紀』に日食最古の記録(628)
奈良・興福寺が完成(1048)
山科言継 (公卿)死去(1579)
遠山の金さんが北町奉行に着任。以後この日は“遠山の金さんの日”(1840)
足尾銅山鉱毒の被害者約800名が徒歩で上京し鉱毒問題の請願運動を始める(1897)
D.H.ロレンス (小説家『チャタレイ夫人の恋人』) 死去(1930)
野球用語を全面日本語化。ストライクが「よし」アウトが「ひけ」に(1943)
中国残留日本人孤児が肉親探しのため初めて来日。ゆえにこの日は“中国残留孤児の日”(1981)
プロ野球の江夏豊が覚醒剤取締法違反で逮捕(1993)

※「ミ(3)ニ(2)」の語呂合せからこの日は“ミニの日”。

『誕生日事典』によると、この日生まれた人物は、
“揺るぎない忠誠心の人”とのことです。
誕生花は「アルメリア」、花言葉は「同情」

参照文献
高木誠監修/夏梅陸夫写真『誕生花366の花言葉』大泉書店
主婦と生活社編『今日は誰の誕生日』主婦と生活社
ゲイリー・ゴールドシュナイダー ユースト・エルファーズ著/
『誕生日事典』角川書店
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信長とプカプカ ―恋うた(97)―

2009年02月17日 | 恋部屋
織田信長と「プカプカ」。
両者に接点はなさそうだけれど、
廃車寸前の車で名古屋へ旅したとき、
幼なじみが持ってきた「プカプカ」をずっと流していた。

「プカプカ」は作詞作曲、唄ともに西岡恭蔵である。
しかし、そのCDは福山雅治がカバーしたものだった。
宛のない車の旅で何枚聞いたかわからないCDの中で、
初めて聴いた「プカプカ」にひと聴き惚れした。
しびれた。

詞に登場する「あん娘(こ)」が面白い。
その一方でどこか切ない。
「好き」や「愛している」の言葉よりも、
2人の心が伝わってくる。

想いを伝えるのに美麗秀句はいらない。
タバコ(プカプカ)、スィング(ドゥビドゥ)、男(ウフウフ)、
トランプ占い(スタスタ)。
「あん娘」の擬音は、愛情の音でもある。

 おれのあん娘はタバコが好きで
 いつもプカ プカ プカ
 体に悪いからやめなって言っても
 いつもプカ プカ プカ
 遠い空から降ってくるって言う
 「幸せ」ってやつがあたいにわかるまで
 あたいタバコやめないわ
 プカ プカ プカ プカ プカ
 (「プカプカ」より)

ぼくらの旅も空中を漂うタバコの煙みたいに、
宛のない旅。
そうだ、信長に会いに行こう。
ただそれだけだった。
最初は湘南のラーメンを食べに行くはずだけだったのに……

幼なじみに断って「プカプカ」をリピートする。
熱田神社に参詣して「プカプカ」、
桶狭間へ行って「プカプカ」、
夜の岡崎城に登城して「プカプカ」。
ぼくらは気ままに流れていく。
ブラブラと……

あの季節には二度と戻れない。
行き当たりばったりの旅だったけれど、
案外、遠い空から「幸せ」が降っていたのかもしれない。

※「プカプカ」が聴けるURL
http://www.youtube.com/watch?v=xaOwaKM7jb4&feature=related


織田信長


今川義元本陣とわたし
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「天地人」、県から見る“直江兼続”と“お船”の恋愛観は?

2009年01月28日 | 恋部屋
“埼玉県人会”の賀詞交歓会に出席し、
いろいろな方とお話をする中で、
「埼玉県の人は……」という話になった。

埼玉はとてもおおらかで、親切な人が多いのだが、
悪く言えば、他県に比べてハングリー精神が希薄。
全ての人がそうでないにしても、
そう言われることが多い、とのこと。
そういえば、高知から埼玉に越してきた人もそう言っていた。
県別の性格の違いはあるらしい。

ところで、「天地人」は第三回目から恋の予感がしている。
第四回目は「年上の女(ひと)」
上杉景勝はお船に初めて恋をしているし、
直江兼続もその予感を仄めかす。

活発で「じゃじゃ馬」であるお船に対し、
景勝や兼続は絵に描いたような純情ぶり。
年の差がどうであれ、女が一枚上手の方がその仲も円満で、
出世させやすいかもしれない。
お船も年上の女を演じているが、
恋愛に関してはまだ不器用な一面もあるようである。

では、越後人はどんな性格なのだろう。
その手の事典を見てみると、男は勤勉で真面目、
女は社交的で明るく、情に厚いらしい。

恋愛はというと、男は純情すぎて消極的。
しかし、一度つき合うと裏切ることは少ないとのこと。
一方、女はミーハーは一面があるものの、恋愛は意外に慎重。
そして、夫を尻に敷く可能性が大だという。
離婚率はかなり低い。

このような性格が、景勝や兼続、お船に見られるだろうか。
ちなみに、越後出身の有名人には、田中真紀子、渡辺謙、小林幸子、川合俊一、
樋口可奈子、三田村邦彦がいる。

お船は兼続の心をチクチク刺すような言葉を言うが、
決して小馬鹿にはしていない。
あくまでも一枚上手。
酒の強さも男に負けていない。
いずれ「夫を尻に敷く」のだろうか。
景勝や兼続の前で、しばしば意表を突く年上の女(ひと)は、
越後の美酒のごとく
艶めく笑みを浮かべている。
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「天地人」。初恋をどちらの耳に伝えるか?

2009年01月20日 | 恋部屋
「天地人」の第3回目は「殿の初恋」。
実は、完全に見逃した。
“殿”はどんな恋をしたのだろう。
再放送も見られそうもないし、
録画した人から借りるか、総集編まで待つしかなさそうだ。

恋という感情は、脳のどこから発生するのだろう。
右脳だろうか、それとも左脳か、
あるいはその両方か……
恋のきっかけは千差万別。
どちらの脳にしても、心はときめいている。

ところで、あま~い言葉を囁くとき、
どちらの耳に向かって言うだろうか?
そのいずれかによって効果は異なるらしい。
左耳は右脳に繋がり、
右耳は左脳に訴えるという。

一般的に、右脳は感性や創造力、
左脳は理論的思考を司ると言われる。
どうせなら、相手の感情に訴えたい。
ならば、右脳に繋がる左耳に言うのが効果的ということになる。
したがって、耳元であまい言葉を囁くなら左耳。
冷静に返される可能性は、右耳より低いかもしれない。

果たしてこれが本当かどうかはわからないし、
どちらの耳であろうと、相手に気持ちがあれば感情に訴えるだろう。
皆無なら冷静な態度で切りかえされる。
あまりあてにならない。

おおよその初恋は、
なかなか想いを伝えられないものである。
村下孝蔵も「好きだよと言えずに初恋は」と唄っている(「初恋」)。
初恋の前では、右耳も左耳もないのかもしれない。
その人の前では何も言えなくなってしまう。
越後に降る雪のごとく、想いはつのるのに……
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God Rest Ye Merry Gentlemen ―恋うた(96)―

2009年01月13日 | 恋部屋
クリスマスを過ぎると、
サンタクロースの気配は消える。
あれほど待ち遠しかったのに、
過ぎてしまえばあっという間に忘れてしまう。

ただ、サンタが残したプレゼントは、
仄かなぬくもりと共に残る。
クリスマスが遠い1月にも、
それは生き続けている。

しかし、ある日それをなくしたとき、
いつまでも残るのは深い悲しみ。
意図して捨てたわけではない。
神隠しにあったみたいに、
忽然と消えるプレゼントは、
季節の終わりを伝えているのだろうか。

電池が切れて止まった時計。
火がつかなくなったライター。
プレゼントが不変でないように、
人の心もいつか
変わってしまうときがくるのかもしれない。

あやふやで形のない人の想い。
変わらないと信じ、
どこかで疑う。
プレゼントの魔法が、
いつまでも消えないことを願いながら。
次のクリスマスも、
変わらずあなたがいて欲しいと――

※参照URL「God Rest Ye Merry Gentlemen」
http://jp.youtube.com/watch?v=cFPTQSbxKNE&feature=related

http://jp.youtube.com/watch?v=JSIU53VeX7w&feature=related
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We Three Kings ―恋うた(95)―

2008年12月29日 | 恋部屋
初めて恋をしたあの子は高嶺の花。
周りにはいつも男の子がいて
ちっとも話しかけられない。
遠くから見つめるだけの秘密の恋。

だから、あの子が隣の席になったとき
死んだおばあちゃんに感謝の祈りを捧げた。
でも、やっぱりうまく声を掛けられない。
あの子の方から話しかけても
素っ気ない態度をとってしまう。

そんな歯がゆさに
やがて終止符が打たれる。
あの子は再放送していたドラマの名前を口にした。
それは「オヨビでない奴!」
若くして逝った高橋良明が主演したドラマだった。

友だちの家でそのドラマを観ていたぼくは、
途端にあの子と意気投合する。
やっと共通の話題を見付けた。
「おもしろいよね、あれ」
「ビデオ撮ってるからあとで貸してあげる」

あの子はドラマの中で流れるBGMが好きだった。
重要な場面で必ず流れるちょっと切ない曲。
ずっとあとで知ったその曲の名は「We Three Kings」だった。
ぼくも好きだと言うと、
あの子は嬉しそうに笑った。
たぶん、これからどんなに恋をしても
あの子の笑顔は忘れない。

ドラマが終わる頃、
席替えになってあの子と離れてしまう。
それからまた
遠くから見つめる日々。
好きだと伝えることもできず、
日曜日には野球に行って、
あの子との距離は広がるばかり。
同じ教室なのに、
きら星のごとく遠い存在――

※参照URL「We Three Kings」
http://jp.youtube.com/watch?v=n08I6D3VR7w&feature=related
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潮騒のうた ―恋うた(94)―

2008年12月22日 | 恋部屋
守られなかった約束は
時が止まったまま胸に残り続けるのだろうか。
いつか一緒に川の果てを見に行こうと約束した。
利根川の河原で花火をした夏の日、
あどけなく笑うあなたが好きだった。

放課後の土手、
2つ並べた空き缶、
川の向こうに沈む夕陽。
ずっとあなたと一緒にいられると信じていた。

交わした約束は果たされず、
「さよなら」がいつまでも胸に突き刺さる。
それでもやっぱりあなたが好きだったから、
憎むことなんてできない。

ひとりで眺める川はいつもと違う色。
交わした約束が宙ぶらりんにぶら下がる。
空にはひと筋の飛行機雲、
その向こうは突き抜けるように青い。
頭上を飛んでいく鳥を見ていたら、
無性に海が見たいと思った。

まだ見たことのない川の果ては
どこに繋がっているのだろう。
あなたと行くはずだった海は
どんなふうに広がっているのだろう。

隣にいるはずのあなたはもういない。
まだ見ぬ海に描いていた光景。
さよなら。
ぼやける景色に、
潮騒が聞こえる――

※参照URL「潮騒のうた」(Bell & accordions)
http://jp.youtube.com/watch?v=VCIoN1aMTkk&feature=related
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ぼくと観光バスに乗ってみませんか ―恋うた(93)―

2008年12月15日 | 恋部屋
12月15日は“観光バス記念日”である。
大正14年のこの日、
東京で初めて遊覧乗合自動車が登場したことによるという。

シンガーソングライターの“森田童子”に、
「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」という曲がある。
この曲が好きだ。
詞の中の「疲れてしまった君」、
「すべていやになった君」が思い浮かぶ。

  もしも君が 疲れてしまったのなら
  ぼくと観光バスに乗ってみませんか
  色あざやかな 新しいシャツを着て
  季節はずれの ぼくの街は なんにもないけれど
  君に 話ぐらいはしてあげられる
 (森田童子「ぼくと観光バスに乗ってみませんか」より)

疲れても、いやになったわけでもないけれど、
心に隙間を抱えてやってくる人がいる。
遠い街のお土産を片手に「よっ」と言って。

ぼくの街には何もない。
観光バスすら走っていない。
だけど、自転車の後ろにその人を乗せて、
ぶらぶら街を散策する。

――人にどれほど傷つけられたの?
明るく振る舞ったり、
笑顔を見せたりするけれど、
その向こうに暗い心が見え隠れする。

ぼくが話すのはお城や神社のことばかり。
気の利いたことは何ひとつ言えない。
でも、話ぐらいは聞いてあげられる。
それで寂しさが少しでも埋まるのなら……
何もないこの街で。
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聖橋で ―恋うた(92)―

2008年03月28日 | 恋部屋
老作家がラジカセから流した「聖橋で」。
ビルの一角
哀愁漂うその曲を聴きながら
「まるで俺のようだな」と作家は笑った。

ときに思う。
人の幸せとは何だろうと。
「あなた」は売れない小説家。
ため息をつきながら四畳半で小説を書いている。

そんな「あなた」と暮らしていた「わたし」は、
ある日手紙を残して部屋を去る。
2年2ヶ月2日目に
聖橋で逢いましょうと。
そのときはきっと
こんなわたしを見返す人になっていてと――

貧しくてもかまわない。
「あなた」との愛を信じていた。
だけど
このまま一緒にいられない。
わたしは鬼になり
「あなた」を捨てる。
2年2ヶ月2日目に聖橋で逢いましょうと
手紙を書いて……

「聖橋で」を聴かせてくれた老作家は言う。
「2年2ヶ月2日というのが切ないね」
それが男に与えられた時間。
いい作品を書き、
「わたし」を見返してほしいという願いが込められている。
それは「あなた」というより、
自分自身のギリギリの限界なのだと思う。

夢。
何かを得ようとすると
何かが失われる。
夢が眩しいほど
影は濃くなる。
それが「見果てぬ夢」ならば
どちらが幸せなのだろう。
夢を抱き続けるのと
夢を失うのとでは――

老作家は微笑む。
「夢があるから生きていけるんだよ」

(参照)
「聖橋で」
作詞:阿久悠 作曲:杉本眞人
唄:あさみちゆき
ユーチューブで聴く「聖橋で」
http://www.youtube.com/watch?v=ujeb0X9LqWE
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明日晴れるかな ―恋うた(91)―

2008年03月26日 | 恋部屋
まっすぐな想い。
ときに寄り道をしたり
くじけそうになっても、
その想いが変わらず胸にあるのなら、
いつかきっと
それは叶う。

「プロポーズ大作戦」は
過去に戻って未来を変えようとする青年の物語。
不器用な恋を叶えるべく、
戻った過去の中で奔走する。
人は過ぎた時間には帰れないのに……

結果は過去の集結である。
有るべくして有り、
成るべくして成る。
過去に戻りたいと思う心は
いずれ未来のどこかに集結する。

妖精は現れないし、
過去に戻ることもできない。
いつか残した悔いは
未来の自分自身に届く。
「悔いのない人生を」と言うけれど、
人は誰しも痛みを抱えている。
「もしもあの時……」の言葉と共に。

でも
まっすぐな想いに祝杯を。
きっとそれは叶う。
一途に貫き通せるのなら、
妖精が現れずとも、
福音は届く。

思い描くなら「いま」の未来。
例え涙で濡れる「いま」であっても。
「あの時」から始まる別の未来は幻想だ。
物語はいまも続いているのだから……

(参照)
「明日晴れるかな」
作詞作曲:桑田佳祐
唄:桑田佳祐
※ドラマ「プロポーズ大作戦」(フジテレビ/主演山下智久・長澤まさみ)で使用された。
ユーチューブで聴く「明日晴れるかな」
http://www.youtube.com/watch?v=dBPWWpcxdNU
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宝くじは買わない ―恋うた(90)―

2008年03月23日 | 恋部屋
宝くじは買わない。
愛してくれる人がいるから。
どんなに大金があっても、
お金では買えないものを手に入れたから――

そう唄うのは「宝くじは買わない」。
RCサクセションのデビューシングルである。

人に愛されることは
かけがえのない悦び。
テンションは上がるし、
強く生きられるような気がする。
愛し愛され続け
ときにそれを幸せと呼ぶ。
人が最も幸せを感じるのは、
人と共にいるときなのかもしれない。

ただ、お金で買えないものはとらえ所がない。
その人にとってはかけがえのないものでも、
ほかの人にはどうでもよかったりする。

人の感じる幸せが
全て一緒とは限らない。
愛よりも宝くじで大金を得ることに
幸せを感じる人は
確実にいる。
ときに愛だってお金が必要だ。

自分が宝くじを買わなくても
相手が大金を欲するかもしれない。
プライスレス。
宝くじを当てるより
もっと難しい。
愛を得るのと
愛し愛され続けることは――

(参照)
「宝くじは買わない」
作詞:忌野清史郎 作曲:肝沢幅一
唄:RCサクセション
ユーチューブで聴く「宝くじは買わない」
http://www.youtube.com/watch?v=ihldDKoUDKA
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花は桜 君は美し ―恋うた(89)―

2008年03月21日 | 恋部屋
「タスケテ」と突然入ったメッセージ。
向かった新郷駅で彼女たちは待っていた。
自転車1台で行田から2人乗りしてきたという。
新郷駅で力つき、
「タスケテ」のメッセージを入れたと話す。

彼女たちが抱えていたのは花束で、
片手には卒業証書の筒を持っていた。
ぼくの学校より少し早い卒業式。
彼女たちは卒業式からの帰りだった。

「最後の制服だよ」
幼顔の彼女が笑う。
来月から離ればなれ。
高校の制服姿の彼女たちは
明日からいなくなる。
楽しそうに笑う彼女たちに
少しの寂しさが通り過ぎる。

気付くはずもなかった。
あどけなく笑うその子のお腹に
小さな命が宿っていることを……

例えばいつかこんな日を
懐かしく思うときがくるのだろうか。
誰もいない新郷駅。
ロータリーには制服姿のぼくらだけ。
明後日になれば、
ぼくも制服と別れる。

ひとりをぼくの自転車に乗せて
新郷駅をあとにする。
背後で警報機が鳴っていた。
だけど
ぼくらは振り返らない。



(参照)
作詞作曲:水野良樹
唄:いきものかかり
ユーチューブで聴く「花は桜 君は美し」
http://www.youtube.com/watch?v=dEfpG11dqN4&feature=related
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22才の別れ ―恋うた(88)―

2008年03月12日 | 恋部屋
5年目の春。
ときとして
人は培ったものより
目の前にある幸せに
心を揺り動かされる。

嫌いになったわけではない。
激しくののしりあったわけでもない。
ただ、ともに歩んでいけなくなっただけ。
あなたの夢や
あなたとの日常に。


長い歳月を共に過ごしても、
別れを運んでくる季節。
草花の芽吹きや
新しい風が
心を騒がせる。

このままでもいい、
このままではいけない
交錯する気持ちの先
あなたに告げた別れ。

目の前にある幸せは
本当の幸福か。
しかし、手を伸ばしてしまう。
目の前に幸せがあるならば……
人の心はそんなに強くできていないから……

(参照)
「22才の別れ」
作詞作曲:伊勢正三
唄:風
1975年リリース
ユーチューブで聴く「22才の別れ」(かぐや姫バージョン)
http://www.youtube.com/watch?v=O_NYzE0G89A&feature=related
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