
近所の夏祭りが4年ぶりに開催されたので出かけてみた。
一人で。
今まで、子どもと一緒にくるのが常だったが、誰もついてこなくなった。4年という歳月の重さを感じる。
しかし、近所の夏祭りにおっさん一匹出かけていくもの悲しさといったら。
一人で生ビールを飲み、屋台を冷やかす。生ビール屋さんは近所の酒屋が営っているが、それ以外の屋台は初めてみる顔ぶればかり。かつては「ピザーラ」が出店していたが、今年は不在だった。また、インド系のお店はかつて一店舗だけだったが、今年は2軒。そのうちひとつはケバブ屋で、もう一つがカレーっぽい店。隣接する東十条はムスリムの街で、彼らはどんどん増えており、お店の出店はそれに比例して増加した模様。
そのうちの一軒の店頭に「サモサ」があって、300円と書いてあった。パックには2個入っているので、まぁ安価な方だなと思い生ビールのつまみに買ってみることにした。ところが、よく見ると、一つ入りのパックもある。嫌な予感がしたので、グラマラスなインド系のおばちゃんに訊いてみた。
「2個で300円?」
すると、おばちゃんは「2個500円よ」と流暢な日本語でいった。
テーブルのどこにも500円なんて書いた紙はない。まぁ、インドに行けばこんなことは日常茶飯事だ。かみさんの分も買って帰るかと、2個入りを買った。
この出店した屋台は実際どこかでお店を営っているらしい。宣伝用のポケットティッシュにはおばさんの顔と店名らしいカタカナがプリントされていた。その単語が店名を示しているのか分からなかったし、そのお店の住所とか電話番号は一切書かれてなかった。なので、店名不詳ということにする。
ちょっと高かったけれど、大好きな「サモサ」を手に入れた。
「サモサ」はパリッパリの皮の中にスパイシーな餡を入れた揚げ物だ。マサラ味の餡はしばしばカレーなどと言われるが、インドにおいては日常の味。これをカレーなどと一括りにしてはいけない。
自分は、この「サモサ」でインドを乗り切ったと言ってもいい。今、「オレたちの深夜特急」はちょっと休載しているが、いずれ「サモサ」が大活躍する場面が来る。毎日、自分は「サモサ」を食べ続けた。自分にとっては、思い出であり、一生忘れないエスニックだ。
インドでは大体、一つ4,5ルピーで買ってた覚えがある。約12円から15円程度。それが日本では一個250円て。確かに材料費はそれなりにすると思うのだが、やっぱり高すぎるよ。
東十条駅近くにムスリムが集うチャイハナがある。チャイハナとはチャイが飲める店、平たく言えば喫茶店みたいなものだ。ムスリムはお酒を飲まないから、多くはチャイを飲む。熱いチャイを飲みながら、男どもは井戸端会議をする。そんな店が東十条にある。いつかそこでチャイを飲んでやろうと思って機会をうかがっているが、どうにも勇気が出ない。けれど、そこには「サモサ」が売っていて、2回ほど買ったことがある。こちらも個で500円だったかな。しかも、手製のチリソースもついてくる。
「サモサ」はバングラデシュに行くと名称が変わる。
確か「シンガラ」だったと思うが、祭りで売られていたものも、東十条のチャイハナで売られているのも、「サモサ」と書かれていた。
この「サモサ」が絶妙にビールに合うんだ。
そんな「サモサ」が大好きだ!
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