久しぶりに上野に行き、アメ横を歩く。見知らぬ立ち飲みがまた増えている。とりあえず、アメ横センタービルまで行ってみて、折り返した。すると、見慣れない立ち飲みを見つけた。赤いテントにモノトーンの装飾。壁には虫のシルエット。「次世代良質昆虫Food」と書いてある。
うわー。昆虫食か。
無視したいなー。見なかったことにして、このまま通り過ぎたい。けれど、立ち飲みと聞いたら、黙っちゃいられない悲しき性。入るか否か、本当に悩んだ。数分、店頭で悩んだら、お店のお姉さんと目が合った。
「どうぞー」と優しい声を掛けてくれる。
どれ、いってみるか。
まずは店内に備え付けられている自販機で欲しいものを買うらしい。
串焼きは「大コオロギ」、「コオロギ、カイコ」のミックスが600円。結構高いな。「大コオロギ」をチョイス。
一方、飲み物はビールが「サクラケムシ」入り、600円、タガメの「ハイボール」が700円。蠍のウォッカが800円とのこと。正直、どれも食指が伸びない。
消去法で「サクラケムシビール」を選ぶ。自販機から出てきた缶のようなアイテムを窓口のお姉さんのところに持っていくと、店の奥でお姉さんが用意してくれるというシステム。
まず最初にビールから出てきた。
一見すると何の変哲もないビールのように見えるが、ブラコップの底に、黒いものが沈んでいる。それが恐らくサクラケムシなのだろう。
箸でつまんでみた。
わー、ワーム。
でもね、これをビールに入れる必然性ってないと思う。
最近、コンビニのおにぎりにGが入っていた件があるが、それも新時代の昆虫食とか。ともかく、このお店では昆虫がビールに入っているのにお咎めなしって。万が一ハエとかが入っても、「これも昆虫食です」で全て解決しそうだ。
「サクラケムシ」を食べてみた。噛んだ時にプチュっときたら、嫌だったけど、コリコリと堅かった。
やがて出てきたのが、「コオロギ」の串焼き。
まんまやん。
4尾のコオロギが串に。
白っぽいのは塩がまぶされているから。ちなみに串に刺されていないコオロギ2尾はサービスでもらったのたが、あんまり嬉しくない。
串を持って、1尾ずついただく。味はよく分からないし、思ったよりも堅かった。
昆虫食って、本当に食料不足の救世主になるのだろうか。昔、イナゴの佃煮を食べたが、それほどおいしくもなく。蜂の子も食べたが、ちょっと嫌だった。日本で昆虫食は広まらないと思う。だって、丸亀製麺のシェイクうどんに蛙が入っていて大ニュース。おにぎりにGが入っていて大騒ぎ。こんな国民性だから。
ドイツのジョークにビールにハエが入ったときの国民性の噺があるが、ドイツ、ロシア、中国以外はビールを交換してもらう。ドイツとロシアはおおらかにそのまま飲むが、中国は虫を珍味と言って食べるというオチ。昆虫食はそれほど広まらないのでは。
さて、ビールを飲みながら、コオロギを喰らうが、ちっともおいしくないし、楽しくない。店の前の通りに向き合って飲んでいるが、時折通りすがりの人と目があうと、なんだか気味の悪い顔をされて足早に通り過ぎる。
コオロギはもう持て余し気味だったが、なんとか完食。ただ、腹に異物が入ったみたいでなんだか気持ち悪くなった。さて、口直しが必要だ。
お店のお姉さんに感想を言って店を辞した。なかなか可愛い娘だった。変な虫がつかなきゃいいなと思った。
もし自分も店の前を歩いていて君と目が合ったら逸らすかも・笑
でも、楽しくなかった。
ワームはグロいですな。
昆虫は漢方にも適用されます。原型は留めていませんけどね。
漢方はなんでもありですね。虎のポコチンとか。
30年前、コオロギを養殖している人がいました。1匹50円で卸してると言ってました。当時は蜘蛛やトカゲ用の餌の需要だと聞きましたが。