渋谷に最後の納品の日。もう、全くこの会社と付き合いがなくなる訳ではないと思うが、しばらくもう渋谷には来ないだろう。ならば、帰りはあの店に行くしかない。
「富士屋 本店」。
「居酒屋さすらひ」立ち飲みアワードに波乱を起こしそうな予感を漂わせる店。
前回、初訪問した際は、数人の客が並んでいたが、この日は誰も列を作らず、開店前の10分から入店まで誰一人並ぶ者はいなかった。
17時ちょうどに入店が許され、奥のカウンターへ。
ポジションして、「ホッピー」白(350円)を宝焼酎の大(750円)でオーダーした。このシステムがいいのは、いちいち中を頼まなくてもいいところ。頼む回数が少なくなって、お客も店員も負担感は減る。つまみはもちろん、「スパサラ」(300円)と「ハムキャ別」(400円)。もはや自分の定番になりつつある。
「スパサラ」は適度に辛く、ボリュームもある。とても300円とは思えない一品。「ハムキャ別」は言うまでもなく。
開店から10分すると、カウンターはいっぱいになった。自分の右隣はタブレットとなんかの機材を持ち込んで、何やら動画を見始めた。立ち飲みのカウンターも様変わりしつつある。
「スパサラ」を平らげて、さて次の展開をどうするか考えた。この2品で終わりにしても良かったが、それではなんか寂しい。ただ、これで終わりにすれば1,000円台で会計できるはず。さて、どうするか。つぎは「兆楽」が待っている。
そんな逡巡をしていると、右隣の動画おっさんが頼んだ「アジフライ」が運ばれてきた。立派な鯵にタルタルソースが添えられている。これはすごい。タルタルべっちょり。タルタル大好きな自分は、もうこれを見て決断した。
「アジフライ」(450円)をオーダー。
やがて出てきた、「アジフライ」に、左隣のご婦人が感嘆を上げた。
「まぁすごい」。
右隣から端を発した「アジフライ」のウェーブ。
「すごいですよねー」。
と言葉を返し、ご婦人との会話が始まった。ご婦人には、旦那さんがいて、3人で会話が弾む。老夫婦は恐らく70歳を過ぎた頃だろう。だが、歳をとっても仲良く立ち飲みに来られるのは羨ましい。それを夫婦に伝えると、相好を崩して喜んだ。
渋谷でも知らない人と会話が弾むのが嬉しい。それはひとえに店の雰囲気がいいからに他ならない。老夫婦は2杯飲んで、引き上げ線いった。
「アジフライ」にタルタルソースは抜群にうまい。フィッシュ&チップスなのである。ここに来たら、これも定番にしたい。
ただ、今度はいつ来られるだろうか。渋谷の会社にアイデアを提案しなければ。
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