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BASEBALL馬鹿 BLOG

井川慶、上原浩治両投手が訣別するものとは。

2005-01-29 23:46:59 | Weblog
 今年1月11日、東京高裁である判決が下された。青色発光ダイオードの発明対価を巡り、勤め先であった日亜化学工業と係争していた中村修二氏が和解したというものである。当初、発明の対価として中村氏は日亜側に200億円の支払いを求めていたにも関わらず、裁判所が下した判断は中村氏が主張する僅か4%の8億円のみ。中村氏は記者会見の席で怒りにむせびながら「やる気ある技術者は米国へいくべき」と語った。
 阪神タイガース井川慶、讀賣ジャイアンツ上原浩治両投手の渡米を巡る球団との騒動は両者いっこうに引かない泥試合の様相を呈してきた。
「井川、上原は我儘だ。ルールを守れ」という声が聞こえる一方で「移籍を求める交渉自体『わがまま』だとか『ルール違反』ということにはならないはずです」(週刊ベースボール1月24日号、選手会通信)という声もある。
 両問題は極めて微妙で難しい問題だ。経営側、雇用側どちらの立場にもそれぞれ言い分があり、答えを見つけるには双方の譲歩が必要である。
 野茂英雄投手が今季タンパベイ・デビルレイズとマイナー契約を結んでまで米国でのプレーにこだわっているのは、彼は既に日本プロ野球と訣別しているからに他ならない。金銭トレードでアナハイム・エンジェルスに移籍した長谷川滋利投手が巧みに英語を操り、米国社会に溶け込んでいるのも、既に日本での伸びしろがないのを悟っていたからではなかろうか。それは米国に活躍を求めた多くの選手が抱えていたものだったのかもしれない。少なくとも日本の球団はこうした選手の気持ちを知るべきである。
 護送船団方式で連綿と運営を続けた日本プロ野球機構は、まさに現在の日本社会の縮図のようだ。既得権益にしがみつき、トップの思惑でなかなか改革は進まない。道路公団民営化は骨抜きとなり、郵政民営化もその二の舞となるのは必至だろう。社会補償費の負担ばかり増え、自己責任などという胡散臭い言葉が跋扈する日本の世の中に希望の明日は見えてこない。
 中村氏をはじめとする技術者や海を渡っていくプロ野球選手、そして多くの日本人はこれから先、日本社会そのものと訣別していくのではあるまいか。
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