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BASEBALL馬鹿 BLOG

居酒屋放浪記NO.0126 ~真昼間にホッピー~ 「築地活鮮市場」(台東区上野)

2007-07-05 12:43:17 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
 約5年間使ったSONYのVAIOがとうとう壊れた。
 多分、秘密の大人サイトにアクセスし、画像や動画などを収集するうちに我がVAIOは悪い病原菌をいっぱい貰ったのだと思う。
 とにかく、新たなパソコンが必要になり、妻から大至急買ってこい、というミッションを与えられ、その日わたしは秋葉原へと出向いたのだった。

 ゴールデンウィーク本番の初日は晴天で初夏に相応しく汗ばむ陽気。
 わたしはヨドバシカメラAKIBA館とマウスコンピュータの販売店とをそれぞれ2往復ずつしてパソコンの品定めをした。
 しかし、この秋葉原という街はスゴイ。物欲と性欲の塊がどどーんと集まって形成されたかのような気がする。
 無言のまま流れていく人の流れも、大音響で音楽を流す店も、整然と並んだカラフルな商品群も、無機質な雑居ビルも、ひとたび一枚の皮をめくればどろどろとした脂のような欲望が腐臭とともに流れ出してくるような気がする。

 中央通りの交差点で信号待ちをしていると、ひとりの小太りの青年が目に付いた。
 どこかで見た顔。
 そうだ、彼こそは「サンデージャポンやらせ疑惑男」(『週刊現代』<講談社>4月21日号掲載)ではないか。記事中に「休日の秋葉原でよくみかける」とあったが、まさか本当にいるとは。
 まぁ、そんなことなどどうでもよく、わたしはこの後もパソコン選びに没頭し、結局小一時間ほどうろうろして、マウスコンピュータのウィンドゥズビスタを搭載したモデルを購入したのであった。

 実は、わたしのミッションはもうひとつあって、自宅の合鍵をつくることだった。鍵屋さんなんて、どうせすぐ見つかるだろう、と思っていたのだが、なかなかどうして、秋葉原にあった金物屋は大型連休に便乗したのか、休業していた。このあと、街を右往左往しながら鍵屋を探したがいっこうに埒があかない。そこで、秋葉原を諦めてよそで鍵屋を探すことにした。さて、どこへ行ったらいいものか、と思案していると「上野」がまず頭に浮かんだ。そうだ、上野ならきっとあるぞ、と思い、早速山手線に乗って上野駅へ向かった。

 上野に着くと実にあっけないほど簡単に鍵屋は見つかった。
 上野丸井の「ミスターミニット」である。早速、鍵を作ってもらい、その鍵を受け取ると、急に腹が減っていることに気がついた。
 時計を見ると既に正午を回っている。それと同時に喉もカラカラだった。
 汗ばむ陽気のなか、約3時間わたしは何も飲まずに街をうろうろしていた。それと同時に怒りがふつふつと湧き上がってきたのだった。
 「クソっ!この暑いのに何でオレは買い物に出なければならんのだ」と。
 誰でもお腹が減ると機嫌は悪くなる。
 しかし、妻に怒りの矛先を向けるのは筋違いというもの。このぶつけようのない怒りをどこに向ければいいのか。
 「そうだ、居酒屋に行こう。
 その怒りはビールでも飲めば爽やかになってきれいさっぱり忘れられるはずだ」。そう思いながら、わたしはアメ横の飲み屋街に向かって既に歩き始めていたのである。

 しかし、アメ横の大衆系居酒屋が密集する一角はとてつもなくスゴイ。まだおてんとう様が真上にあるというのに、既に店はどこも盛況だ。
 例えば、「もつ焼き大統領」も満員御礼札止めの状況。だが、そうこうするうちにひとりの客が店から出てきた。
 およよっ、これはチャンス!と思ったが、空いた席は店の一番奥。わたくし熊猫、このときパソコンの19インチモニタワイド画面を持っていて、これがすこぶる大きな荷物。これを持って奥の席に行くとなると顰蹙買うだろうな、と思って「もつ焼き大統領」は断念した。
 一方、同店の別店舗もまさに満員で立錐の余地もないといった感じ。
 だが、その一軒上野駅側にある「築地活鮮市場」には、まだ若干の空席が見えた。
 あれこれ店をえり好みをしてもしようがない。そこで、同店のカウンターに座って、待望のビールをあおることにしよう。

 ビールジョッキに手をかけ、一気にぐいぐいと喉に流し込む。まさに文字通り五臓六腑に沁み輪たるとはこのことだ。いよいよ、本当にビールがおいしい季節がやってきた。改憲も加憲も護憲も今は考える必要はない。とにかく、目の前のビールが今最も重要だ。
 つまみには、「牛筋ピリ辛煮込み」(490円)。
 この一品はいわゆるオーソドックスな「煮込み」とは一線を画す。少なくともお隣の「もつ焼き大統領」とは。
 焼けた鉄板に煮込みが供されて出てくる。つまり、つゆがほとんどないのだ。
 一口食べてみる、なるほど辛い。味は悪くないが、値段の高い割には実が少ないような気がする。
 料理の選択を間違えたか。この店は「築地活鮮市場」。魚の仕入れの方がやっぱり得意なんだろうな。
 次は魚にしようということで、「初カツオのたたき」(590円)。そして、飲み物は真打「ホッピー」(340円)だ!

 ポン酢にこねぎが清々しい。勝浦港からの水揚げとメニューにもしっかり記されて、トレーサビリティも忘れていない。ホッピーの中身は大きめの酎ハイグラスに注がれて運ばれてきた。香りは悪くないから粗雑な焼酎ではないはずだ。
 カツオに辛口の日本酒。確かに、それが王道だろう。だが、カツオにホッピー、それも思ったほど悪くはない。

 店は1時を回ってがぜん混んできた。わたしは3杯目の中身を飲み干して、店をあとにした。
 店を出て少し体がよろけたのは初夏の強い日差しを受けたせいか、それとも心地よい酔いのせいだろうか。





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4 コメント

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あるよね (怪鳥)
2007-07-10 11:38:35
荷物が多くて入りたい店に入れないことってあるよねえ。狭いラーメン屋とか、普通のカバンとかもどうすれば良いの?みたいな・・・・。荷物置くスペースがある店が私は好きで。大統領の野外スペースでパソコン持って呑んでたら置き引きされそうだしねえ。
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ホントに。 (熊猫刑事)
2007-07-10 13:16:09
大統領の屋外スペースは危険だよ。あそこは油断も隙もなさそうだね。夏はいいけど冬はカバンやコートやらでサラリーマンは荷物がいっぱい。それをこわきに抱えて店の奥に謝りながら入っていく狭い店は厳しいね~。なんか、引っ掛けてコップとか倒しちゃいそうで。

ホッピー飲むのもいろんな苦労の結果なんだね。
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大統領の前は・・ (まき子)
2007-07-10 18:32:46
大統領の目の前にも、もつ焼き屋さんがありますが、
そちらも満席でした?
あそこは、カウンターだけだから、荷物が多くても安心でした~。
穴場なのかなぁ。
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ありますね。 (熊猫刑事)
2007-07-11 13:53:05
オープンエアのとこ。
いっぱいってほどではなかったけれど、スルーしました。

あの近辺は全て制覇したいなぁ。
しかし、馬のモツを出す「大統領」は最高です!

今、「オレたちの深夜特急」カンボジア編を書くにあたり、戦場カメラマンの一ノ瀬泰造さんが書いた「地雷を踏んだらサヨウナラ」を改めて読んでいます。

一ノ瀬さんが、恩師である辻村先生にカンボジアから宛てた手紙にこんなくだりがあります。
「今、ビザと音楽以外、何不自由なく暮らしていますが、モツの煮込みにビールのことを思うとノドからツバが出ます」。

…まさに同感です。
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