
京都からふらいんぐふりーまん師がやってきた。
昨年の12月16日以来、ぴったり7ヶ月ぶりの再会だ。
師は歴代の我が家をよく知る男だ。
成田市の実家、西葛西、浦安、そして王子。一度も足を踏み入れていないのが、花小金井だけだ。その歴代の住みかで飲んだ酒はいい思い出として心に残っている。
酒々井町のお好み焼き屋「金太楼」。西葛西のお好み焼き屋「丁屋」にはよく行ったっけ。浦安では自宅から徒歩30秒の「山田家」。ケチケチ団は、様々な土地で酒を酌み交わしてきた。
さて、北区の我が家では、どこで酒を飲むか。これが、今回の最大のテーマであり、オレに与えられた最大のミッションだった。
王子神谷駅近くにそれを求めることはやめておいた。
ただ、なんとなく東十条銀座のほうへ行ってみようと思いたち、徒歩にて通りをぶらつくことにした。
しかし、東十条銀座に適当な居酒屋がないことは百も承知だったから、通りの中央まで来たときは半ば、後悔をしていた。そう思いながらとぼとぼ歩いていると、商店街のシャッターに一枚の貼紙を見つけたのだ。
「『居酒屋 やまさと』は下記に移転しました」。
ご丁寧に地図まで書かれている。
「ここに行ってみようかナ」。
我々の足は自然にその店のほうに向いていたのだった。
「やまさと」は東十条駅の側にあった。
ロッジ風の喫茶店のような外観だ。
店舗の外にはお祝いの花などが飾られており、店舗の移転を果たして、まだ日が経っていないようだった。
喫茶店風のドアを押すと、中から威勢のいいおばちゃんが出てきた。
手前側にテーブル席、奥が厨房になっており、カウンターが5席ほど確保されている。
20人も入れば満員の小さな店だ。
我々はテーブル席に腰掛けた。
つき出しは「だし巻き卵」。
どうやら、おばちゃんの手作りのようだ。
これは意外!つき出しで「だし巻き」とは意表をついた。
味付けは甘い。だが、卵の表面は狐色したほどよい焼き具合。おばちゃん、料理の腕もなかなかと見た。
ビールはサッポロ。
ジョッキ、ビールともほどよく冷えていた。
酒肴は家庭料理中心。
やはり、おばちゃんの手作りのようだ。
そこで、我々は「パリパリサラダ」(400円)、「えびマヨ」(480円)、「牛すじ煮込み」(350円)を一気に頼んだ。
「パリパリサラダ」。
普段、居酒屋メニューにはあまりなじみのないもの。
しかしよく考えれば、一人暮らしになってからというもの、極端に食生活が乱れた。
この日で、居酒屋連続来店記録は11日に伸ばした。もちろん、熊猫史上記録を更新中である。ここは、生野菜を採らねば。
そんな気持ちを慮ってか、師が「パリパリサラダ」を注文してくれたのだ。
料理はどれもおいしい。
おばちゃんの丹精こめた家庭料理はしっかりと魂が入っていた。ここから200mも離れていない「立ちのみタイム いーぐる」とは天と地ほどの差がある。
ただ、「牛すじの煮込み」は味が若かった。スジ肉も少量で煮しまっていない。
ビールを飲み干したところで、師が意外な言葉を口にした。
「ホッピーを飲んでみたい」。
京都出身の師は「ホッピー」という飲み物を知らない。だが、わたしが意外に思ったのは、都出身の「おじゃる丸」のような師が「そんな下卑なものは飲まない」と口にこそ出さないが、そう感じていたであろう「ホッピー」を自ら欲したことだった。
「えっ?」
わたしは、当然驚いたリアクションをした。
最近は西のほうでも「ホッピー」の認知度が上がりはじめているようだ。
そうそう、「TOKIO古典酒場」でホッピーが飲める酒場の北限と南限を探る旅を連載していた。その南限がどこにあるかは、知らないが、ホッピーも少しずつ、全国へ散らばりつつあるのかもしれない。
ホッピーセットは380円。
悪くない金額だ。
「やまさと」の「ホッピー」はいわゆる1冷。ジョッキはもはや冷やされておらず、中には氷が入っている。出来れば、師には3冷のホッピーを飲ませてあげたかった。
だが、ホッピーに対する師の反応は悪くなかった。
京都人と納豆の邂逅という按配か。
「飲んでみたら悪くなかった」という顔をしている。
そうして、我々はグビリとホッピーを空けては中(150円)を次々にお代わりをした。
中150円はなかなかリーズナブル。「いーぐる」の100円は例外として、この金額で中味を提供する店はなかなかない。
師が、ホッピーをガンガン飲んだのは、店の雰囲気もあっただろう。
小気味いいおばちゃんの元気なテンションが店のボルテージを上げていた。
「東京にもこんなおばちゃんいるんだね」。
師の言葉がそれを裏付ける。
聞くところによるとおばちゃんは東京のご出身とのこと。
女性の店主でこれだけのテンションを持つ東京の居酒屋をわたしは他に知らない。それは、決して嫌味ではなく、くどくない。楽しい酒を飲む付け合せのような心地よいものだ。
会社や家庭で嫌なことがあっても、ここに来れば全て忘れてしまうかもしれない。
酒場とは、本来そういうものである。
おばちゃんの笑顔もメニュー。
我々も気持ちよく飲み、店を後にしたのだった。
昨年の12月16日以来、ぴったり7ヶ月ぶりの再会だ。
師は歴代の我が家をよく知る男だ。
成田市の実家、西葛西、浦安、そして王子。一度も足を踏み入れていないのが、花小金井だけだ。その歴代の住みかで飲んだ酒はいい思い出として心に残っている。
酒々井町のお好み焼き屋「金太楼」。西葛西のお好み焼き屋「丁屋」にはよく行ったっけ。浦安では自宅から徒歩30秒の「山田家」。ケチケチ団は、様々な土地で酒を酌み交わしてきた。
さて、北区の我が家では、どこで酒を飲むか。これが、今回の最大のテーマであり、オレに与えられた最大のミッションだった。
王子神谷駅近くにそれを求めることはやめておいた。
ただ、なんとなく東十条銀座のほうへ行ってみようと思いたち、徒歩にて通りをぶらつくことにした。
しかし、東十条銀座に適当な居酒屋がないことは百も承知だったから、通りの中央まで来たときは半ば、後悔をしていた。そう思いながらとぼとぼ歩いていると、商店街のシャッターに一枚の貼紙を見つけたのだ。
「『居酒屋 やまさと』は下記に移転しました」。
ご丁寧に地図まで書かれている。
「ここに行ってみようかナ」。
我々の足は自然にその店のほうに向いていたのだった。
「やまさと」は東十条駅の側にあった。
ロッジ風の喫茶店のような外観だ。
店舗の外にはお祝いの花などが飾られており、店舗の移転を果たして、まだ日が経っていないようだった。
喫茶店風のドアを押すと、中から威勢のいいおばちゃんが出てきた。
手前側にテーブル席、奥が厨房になっており、カウンターが5席ほど確保されている。
20人も入れば満員の小さな店だ。
我々はテーブル席に腰掛けた。
つき出しは「だし巻き卵」。
どうやら、おばちゃんの手作りのようだ。
これは意外!つき出しで「だし巻き」とは意表をついた。
味付けは甘い。だが、卵の表面は狐色したほどよい焼き具合。おばちゃん、料理の腕もなかなかと見た。
ビールはサッポロ。
ジョッキ、ビールともほどよく冷えていた。
酒肴は家庭料理中心。
やはり、おばちゃんの手作りのようだ。
そこで、我々は「パリパリサラダ」(400円)、「えびマヨ」(480円)、「牛すじ煮込み」(350円)を一気に頼んだ。
「パリパリサラダ」。
普段、居酒屋メニューにはあまりなじみのないもの。
しかしよく考えれば、一人暮らしになってからというもの、極端に食生活が乱れた。
この日で、居酒屋連続来店記録は11日に伸ばした。もちろん、熊猫史上記録を更新中である。ここは、生野菜を採らねば。
そんな気持ちを慮ってか、師が「パリパリサラダ」を注文してくれたのだ。
料理はどれもおいしい。
おばちゃんの丹精こめた家庭料理はしっかりと魂が入っていた。ここから200mも離れていない「立ちのみタイム いーぐる」とは天と地ほどの差がある。
ただ、「牛すじの煮込み」は味が若かった。スジ肉も少量で煮しまっていない。
ビールを飲み干したところで、師が意外な言葉を口にした。
「ホッピーを飲んでみたい」。
京都出身の師は「ホッピー」という飲み物を知らない。だが、わたしが意外に思ったのは、都出身の「おじゃる丸」のような師が「そんな下卑なものは飲まない」と口にこそ出さないが、そう感じていたであろう「ホッピー」を自ら欲したことだった。
「えっ?」
わたしは、当然驚いたリアクションをした。
最近は西のほうでも「ホッピー」の認知度が上がりはじめているようだ。
そうそう、「TOKIO古典酒場」でホッピーが飲める酒場の北限と南限を探る旅を連載していた。その南限がどこにあるかは、知らないが、ホッピーも少しずつ、全国へ散らばりつつあるのかもしれない。
ホッピーセットは380円。
悪くない金額だ。
「やまさと」の「ホッピー」はいわゆる1冷。ジョッキはもはや冷やされておらず、中には氷が入っている。出来れば、師には3冷のホッピーを飲ませてあげたかった。
だが、ホッピーに対する師の反応は悪くなかった。
京都人と納豆の邂逅という按配か。
「飲んでみたら悪くなかった」という顔をしている。
そうして、我々はグビリとホッピーを空けては中(150円)を次々にお代わりをした。
中150円はなかなかリーズナブル。「いーぐる」の100円は例外として、この金額で中味を提供する店はなかなかない。
師が、ホッピーをガンガン飲んだのは、店の雰囲気もあっただろう。
小気味いいおばちゃんの元気なテンションが店のボルテージを上げていた。
「東京にもこんなおばちゃんいるんだね」。
師の言葉がそれを裏付ける。
聞くところによるとおばちゃんは東京のご出身とのこと。
女性の店主でこれだけのテンションを持つ東京の居酒屋をわたしは他に知らない。それは、決して嫌味ではなく、くどくない。楽しい酒を飲む付け合せのような心地よいものだ。
会社や家庭で嫌なことがあっても、ここに来れば全て忘れてしまうかもしれない。
酒場とは、本来そういうものである。
おばちゃんの笑顔もメニュー。
我々も気持ちよく飲み、店を後にしたのだった。
ああ、飲みにいきた~い♪
別のインターネット記事にもそのように書かれていました。
ライチ!さんは最近飲みに行ってないのですか?
体によくありませんね。
ところで、ライチ!さんはホッピー、ご存知でしたか?
秋田には、ホッピーがあるのでしょうか?
おっさんは、あんな雅なお子様とは違って下品丸出し京都人でっせ。
納豆も食えば、ホッピーも飲む。
そうそう、確かホッピーは、北千住に住んでた時、居酒屋の表によくポスターとかが貼ってあって「なんじゃこりゃ?」と思ったのが最初だったね。
ただ、飲んだのはこのやまさとが初めてだったけど。
中々面白い飲み物だったよ。結構気に入ったね。
ちなみに、最近は関西の酒屋にもホッピーをおいてるところがあるよ。さすがに居酒屋では見たことないけど。
徐々にメジャーになってきたんじゃないだろうか。
それにしてもこの記事、そんなに昔の話じゃないのに、もうかなり前のことのように思うのは、やっぱりおっさんになった証拠なんだろうね。
あのおばちゃんは、元気な下町のおばはんだったなあ。それにつられた?おっさんも、ホッピーの酔いも回って声がでかくなった訳だけど・・・。
中々良い店だったねえ。
居酒屋さんにいくと、普通にホッピーのポスターやノボリがあったりします。
でもね、ホッピー頼んでるヒト、見たことありません。
あ、お酒の量販店で、売ってますよ。
どんな味なんでしょうネ。
関西の酒屋にも秋田の居酒屋にもホッピーがあるんですか?
やりますねぇ。
ホッピービバレッジ3代目社長、石渡美奈氏!
しかし、師はこないだ初めて飲んで、ライチ!さんはまだ飲んだことがない、と。
まだまだ営業が足りないですね~。
もし、飲まれた際には、是非感想を教えてください。
まさか、ワシントンDCにはないですよね。穂ピーは。
これを見ていたら、まき子さん情報教えてください。