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居酒屋さすらい 1172 - 御徒町ガード下のキャバクラ - 「EGOIST3」(台東区上野)

2017-05-23 22:57:11 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

「ガールズバーに行こう」。

電車の音で、よく聞き取れなかったが、社長は、確かにそう言った。

御徒町駅ガード下をボクは社長とA藤君と歩いた。

この先、アメ横の手前に、ガールズバーが一軒あったはずだ。多分、社長はそこを目指しているのだろう。

すると、A藤君が、口を挟んできた。

「ガールズバーなら、こっちにもあります」。

と言って、JRの高架下をくぐろうと進路を変えた。山手線の内側にも、ガールズバーはあったか。

今はなき、「かっぱ」を通り越し、「佐原屋」を過ぎ、「味の笛」に差し掛かかったところで、A藤君は、頭上を指差した。

「ここですよ」と言う。

ガード下の2階にあるテナントだ。こんなところに、店があったか。しかも、それは、ガールズバーではなく、キャバクラだった。

「EGOIST3」と書いて、「エゴイストキューブ」と読むらしい。

1セット、2,900円。

ちょっと、安くないか。いや、安すぎないか。

 

「行くか?」と社長がボクらに促し、A藤君が頷くと、社長は狭い階段を昇っていった。そして、扉を開けた瞬間、そこは別世界になった。

ボクらは確かに、今まで、御徒町の見慣れた風景にいたはずだったが、ものの数十秒で世界は変わった。壁の中央にスワロフスキーで飾った、祭壇のようなものがある。

そこから、数人の女が現れた。

 

「居酒屋さすらい」では、あり得ない展開だ。

ボクらは、女についていき、皮のソファに座った。

3人ついた女は、皆若かった。全て20代だという。一人だけ怪しい子がいたが、多分嘘ではないと思う。

 

この「EGOIST」という店は、神田と浅草橋にあるらしく、それぞれ店の客層が違うという。浅草橋には年配の客が多いとか。女の一人が教えてくれた。

 

キャバクラには、ほとんど行かないし、興味もない。そんな金があるなら、ボクは違うものにお金を使う。

キャバクラに来たのは、4年ぶりだろうか。前回は、大船渡の「マイアミ」という店に行った(居酒屋さすらい未収録)。もちろん、自分のお金ではない。でも、行けば、楽しくないわけではない。多分、ボクのような男は、あるきっかけで、ハマってしまうのだと思う。だから、のめりこまないように、リミッターをかけているのかも。

 

おしゃべりの時間は瞬く間に過ぎていく。社長は、延長した。

 

ウィスキーの水割りは、やはりおいしくない。

ボクの隣に座った女は、1日ひがな、ぼうっとしてるのが好きらしい。どうでもいい話だ。

 

その延長の時間も、またあっという間だった。ということは、それなりに楽しかったのだろう。

 

ボクらが階段を降りると、女も一人降りてきて、丁重に挨拶をしてくれた。「吉池」から出てくる客は、そんなボクらをじろりと見ている。

しかし、御徒町のガード下に、まさかキャバクラがあったなんて、知らなかった。

穴場。ノーマーク。

御徒町駅ガード下のキャバクラ。

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