居酒屋放浪記 番外編 ～へべれけ超特急～「BBQin水元公園」

　５月の新緑と爽やかな風に誘われて、この季節になると、何故か居酒屋以外の場所で飲みたくなる。
　２年前の５月は心の友、今pのお宅で爽やかなビールと彼お手製のおいしいものを頂いた（居酒屋放浪記 番外編 ～例えば5月の風に～「今ちゃん宅」を参照のこと）。その翌月は、ふらいんぐふりーまん師の旧宅のベランダにて牡蠣BBQを催した（居酒屋放浪記 番外編 「セルビアへの手紙」 を参照のこと）。
　夏が来る前にワクワクと心躍るのがこの季節。今年の５月は野球チームのBBQ大会が催されたのだ！

　緑の木々と芝生が目に優しく、爽やかな風がこずえを揺らす。
　ここは、葛飾区の水元公園。とにかく、だだっ広い公園の一角にあるBBQ用の敷地は、まだ、午前10時にも関わらず、多くの家族連れでにぎわっていた。
　そこに一際異彩を放っていたのが、われらが野球チーム、マイティーさんご一行。一体、このメンバーは何者だぁ？という組み合わせはもとより、他のBBQ集団と決定的に違っていたのが、生ビールのタンク＆サーバーを持参していたからだ。
　さすが、監督＆キャップ！酒卸店勤務の本領発揮だぜ！
　しかし、あの生ビールのタンクに15リットルものまさに生ビールが凝縮しているなんて、腕が鳴るし、喉も鳴る！それに、ちょうどこの日朝から気温が高くて、まさにうってつけのビール日和なんだわさ！

　わたくし熊猫刑事、元ビーラーとして、「アムロ、行きま～す」って感じです。
　以前にも、この欄で書いたが、わたくしの生ビールジョッキ最多飲み記録は川崎の全日空ホテルのビアガーデンで記録した10杯。その後、会社の社長宅に泊まり、ものの見事にゲロをした。それから６年、その記録は未だ抜かれていない。今日は一体どこまで飲めるか？

　さて、話しをBBQに戻す。
　わたしは、かつてBBQの達人だった。だったって言うのは、つまり過去形だ。今はもうほとんどBBQをしない。昨年の引越しで熊猫専用ザク、じゃなかった熊猫専用の七輪（師の家でBBQをしたあの七輪だ）を捨ててしまったのだ。だが、BBQ魂はさびれていない！
わたしは、監督が持ってきたBBQセットを組み立て、速攻で炭に火を着火し、（着火剤は使っていない）BBQの段取りを整えたのである。

　そして、おもむろに監督がセッティングしたビアサーバーに手をかけ、紙コップに並々とビールを注いだのである。しかし、生ビールを自分で注ぐなんて何年ぶりかしら。あれは、確か数年前、怪鳥のお兄さんのお店（in市ヶ尾）でサーバーを操って以来だ。
　更になんと驚くことにサーバーから出てきた黄金色の麦芽飲料は、キンキンに冷えているではないか。そうやって、乾杯の音頭を待たずして、わたくし熊猫、ぐび～っといってしまったんです！
　まだ朝の10時ですよ！10時！ほとんど一気飲みの状態で１杯目の生ビールをあおり、数十秒後には、もう２杯目のサーバーのレバーにわたし手をかけていたんです。
　いやぁ、こりゃ愉快だ。

　一方、BBQの主役、お肉といえば、まだ網の上にちょこんと乗っておられる。まだ火勢が強くなく、肉汁が落ちる音もほとんどなく、未だまだかと焼けるのを待っている状況。
しかし、火をくべるというのは楽しいことだ。
　作家の椎名誠さんが、何かの著作で焚き火の薦め、みたいなことを書いていた。「焚き火は男のロマンだ」と。
　まさにその通り！だと思う。
　火が爆ぜる音。炭が赤くなるところ。火があると実に落ち着く。
　多分、人間の本能なんだろうなぁ。

　さて、肝心のお肉ちゃんは、牛のカルビはもちろんのこと、牛ロースが既に網の上で音を立てて焼けようとしている。焼けたものを早速口に運んでみる。うまい！しっかりともう味が付いている。どうやら監督の奥様がせっせと昨晩下準備をしてくれたのだという。　それは、スゴイ。そして、監督と奥様にホント感謝！
　なにしろ、監督はクルマのドライバーだから、お酒を一滴も飲めない。何から何まで、　ホントありがとう！

　そうしている間もガンガンと熊猫刑事のビールのペースはあがっていく。なにしろ、気温はどんどんあがっていく一方だったし、ないよりも緑いっぱいの公園で飲むビールはとにかくうまい！

　肉汁が滴り、火勢が強くなってきた。火もだいぶ景気がいい。
　牛肉もおいしかったが、ひときわおいしかったのが、豚トロだ。
　これがじつにまろやかに味付けがされていた。なんとも、これがまたビールによく合うんだ！
　既にビールを何杯飲んだか、分からなくなってきた。BBQの周りではバドミントン大会が行われはじめた。何故かわたしも調子にのってスマッシュ！しかし、これがいけなかった。結果的にこの運動がわたしの死期を早めたのだろう。その後、例によって人事不省に陥る。

　午後１時頃、遅れてキャプテンが到着したのまでは覚えている。だが、その後はもう…。
　２時には帰る、と言ってウチを出てきたものの、あまりにも帰りが遅いので、電話をかけてきた妻にわたしは「今、BBQが始まったばかりだよ」と言ったという。記憶なし。

　次に記憶を蘇らせたのは、なんと総武線の幕張本郷駅。
　時刻は５時半。
　わたしは、一体何をしていたのだろう。
　まさにへべれけ超特急！略してへべ超（水野晴夫さんが監督した「シベリア超特急」風に）！
　ちなみにＯ塚Ｉマネージャーも西千葉まで行ったとか。
　しかし、結局ビールは何杯飲んだのか。
　多分10杯くらいいったと思うんだけど、へべれけ、後の祭り…。

　それよりも、最も謎なのは、わたしの右手にしっかりと握られていた2個の即席ラーメンである。

写真は戯れる熊猫刑事（左）と野球センスの塊、M-6選手。