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オレたちの「深夜特急」~マレーシア編 ペナン②~

2013-01-30 13:47:07 | オレたちの「深夜特急」
ドラマ「深夜特急」で使われた「ANH ゲストハウス」は瀟洒な落ち着いた宿だった。ドミトリーはなく、個室のみ。わたしは2階の部屋に通され、シングルルームが与えられた。
白い壁にベッドのマット。古いタンスがあり、部屋は比較的広い。清潔で明るい部屋だった。これで12リンギットは安い。
わたしはザックを置いて、すぐさま部屋を出て町を歩くことにした。

小さな町だった。
町の中央にモスクがあり、その周囲を住宅が囲んでいる。
北に行くと海があり、南に行くと山が切り立っている。空も海もどこまでも青い。
町には大きなメインストリートがあって、そこには様々な店が軒を連ねていた。
観光の土産物屋もあったが、とりわけわたしが興味をひいたのが、フードコートである。そう、「深夜特急」では堕ちていく日本人女性が歌手としてステージに立つあのフードコートである。

大小5、6店舗が様々な食べ物を販売している。
小腹が空いたのでわたしはサテーを食べることにした。

大沢たかお演じる「わたし」もこのどこかに座り、サテーを食べていた。日本人の女性はいないが、そのビーチボーイ役の男とは、実は先ほど海に出た際にすれ違ったのだ。
着いて僅か30分もしないうちに、ドラマの主な舞台と現地の役者に会えるなんて、やはりここは小さな町だった。

宿に戻って、洗濯を済ませ、宿の小間使いの女が連れている子どもと遊んでいると、少し小腹が空いてきた。時計を見ると18時なのだが、一向に暗くなる様子はない。
なにしろ、ここは19時半頃まで黄昏が訪れないのだ。

夜の帳がおりて、メインストリートのフードコートに向かおうとすると、そのメインストリートが裸電球がちらつく、大変な賑わいになっていた。
ナイトマーケットである。
規模は香港やバンコクの比ではないが、この町相応の賑わいになっている。これは楽しそうだ。
衣料品、屋台の食べ物、薬のようなもの、雑貨など露天が軒を連ねる。
わたしはワクワクしてきた。
特に買うものなどなかったが、わたしは香港の女人街でしたように店の前に立って、露天の主人の反応を試した。案の定、何か話しかけてきてくれる。インドシナの旅は人々と希薄な関係であまり面白くなかったが、ペナンの人は人懐っこい。

わたしは、幾つかの露天を冷やかし、彼らとの話を楽しんだ。
そこで気がついたことがある。確かにペナンの女は優しくて情があり、美人が多かった。海からの風に揺られながら、彼女の可愛らしい声を聞いていると、なんともいえない安らかな心地になってくる。
もしかすると、ここでわたしは沈没してしまうかもしれない。

原作にはないドラマ「深夜特急」に登場する日本人女性がそうであったように、ここに留まるのはそんな心優しい雰囲気に身も心も虜にされてしまうからなのかもしれない。
それも無理からぬことだろうとわたしは海風に揺れる裸電球を見て思った。


※当コーナーは、親愛なる友人、ふらいんぐふりーまん師と同時進行形式で書き綴っています。並行して語られる物語として鬼飛(おにとび)ブログと合わせて読むと2度おいしいです。
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2 コメント

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俺とはまた全然違う (ふらいんぐふりーまん)
2013-02-04 08:01:16
ペナン滞在だなあ、師よ。

師の方が断然楽しそうだ。俺、ペナンの女性と、話しなんかこれっぽっちもした記憶が無いもんね。

やっぱそこそこの宿に泊まった方が、気分的にも、立地による周辺の探索的にも、どうしようもない安宿よりいいからなのかもね。



Unknown (熊猫)
2013-02-04 23:56:31
師よ。

ペナンは本当によかったよ。
気候も人間もご飯も全てね。

女の子も素敵だったなぁ。

だから、結構ペナン編は内容が濃い。

次回も楽しみにしてくれ。

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