「BBB」

BASEBALL馬鹿 BLOG

カレーさすらい 161 - 門外不出の名物カレーをレトルトで - 「北新地玉鬘名物バターカレー」

2023-08-20 16:20:02 | カレーさすらい

3年くらい前のことだろうか。いや、まだコロナが始まる前だったような気もするから、もっと前のことだ。朝の番組で大阪北新地の小料理屋を紹介していた。一見さんはお断り。料理はおいしく、特に〆のカレーが絶品だという。

その数年後、仙台駅構内で開催されていたレトルトカレーフェアで、手に取ったのが、「玉鬘のバターカレー」。えんじのパッケージに北新地と書かれており、一目でその小料理屋のカレーと分かった。

今でこそ、阪神梅田本店で購入できるらしいが、当時は入手困難のレトルトカレーだったらしい。ネットでは「日本一入手困難」とも書かれている。価格1,080円と高額だったが、迷わず買った。恐らく、「カレーさすらい」史上、最も高価なレトルトカレーである。

この「玉鬘」という小料理屋を検索すると、枕詞には大抵、「一見お断り」と出てくるが、銀座も北新地もそんな店はごまんとあるはず。だから、そんなことは一向に驚かないが、むしろ驚くのはその門外不出の料理を高価なレトルトにした商魂の逞しさかなと思う。

確かに、このカレーは他を圧倒する味わいの奥深さがあった。豊富な炒め玉ねぎの甘さとバターがしっかりとしたコクを形成し、まろやかな二重奏に仕上がっている。カレー激戦区、大阪でしのぎを削ったカレーだと感心するとともに、「玉鬘」のママ、只者ではないと思わせる。

カレーの価格はさておきカレー単品で、勝負できるのだから、すごいと思うのだが、これは本来、小料理屋の〆として供されているものだときく。その日の料理が振る舞われ、それに合わせたお酒を飲み、そしてたどり着く、最後の料理。この一連の流れを味わった者の特権だったカレーこそが「玉鬘」の醍醐味なのではないかと思う。ましてや、お店のママや飲み仲間との楽しい会話も、味わいを増幅させることは言うまでもない。だから、このカレーはそうした環境の中でいただくものだと思う。それはある意味マリアージュともいえる。

今回、家で一人で食べたが、カレーはおいしくて満足したものの、それだけしか心に残らなかった。お店でいただけば、そのおいしさや楽しさは五感で記憶に刻まれるはずである。自分が「玉鬘」に行く可能性は皆無だと思うが、是非現場でいただきたいカレーである。ちなみに、レトルトはもうリピートすることはないだろう。

スパイスが別添されていたが、お店も同じようにセパレートならば、このレトルトの仕掛けはそのサービスに忠実だから、それは素晴らしい。

しかし、大阪のカレーのレベルは空恐ろしいほど高い。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【朝食と昨日の夕飯】 202308... | トップ | スイーツさすらい 008 - 砂糖... »

コメントを投稿