ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

江利チエミ/ERI CHIEMIですが、よろしいでしょうか?

2010年05月20日 | 女性ボーカルC
(JAPAN)KING/LKF1149/CHIEMI ERI/CHIEMI AND CARL JONES/10inch/1961年

美空ひばり、江利チエミ、雪村いずみと言えば自分が子供の頃の超人気3人娘です、美空ひばりについては、彼女がテレビに出て歌うたびに祖母が美空は歌がうまいのぉ~とよく褒めていました。美空ひばりの事は当時の僕にはよく理解できませんでした。江利チエミは父が彼女のデビュー曲であるテネシー・ワルツのシングル盤を買って来て聴いていたのをかすかに記憶してますが、それがビニールのEP盤だったのかSP盤だったのかは記憶がなく、いつの間にか割れたか紛失したのか、後年に蔵を探しても江利チエミのレコードは出てきませんでした。美空ひばりは僕が中年の域を越えたあたりから聴く気になって時々聴きますが上手いなぁ~と思います。江利チエミはあまり聴く機会がないままでしたが、本アルバムを入手して以降は時々聴いています。雪村いずみは僕の嗜好には合いそうもないので未だ聴く事がありません。本アルバムは地元のレコード店(本店は健在ですが、地元支店は撤収してます)で長く飾られていたもので、最初に見た時はかなり高い値がついていました。買おうかなと思いつつ値段と購入欲度に差があって見るだけに留めていました。それが少しづつ安くなり始め支店が撤収するセールの時に2割引だったか3割引になったので入手したアルバムです。
江利チエミや美空ひばりの名前を挙げると美空ひばりですかとか江利チエミかぁ~という方もいらっしゃると思いますが、彼女等もジャズを歌っていた時期もありますし、ジャズの範疇にはあらずと端から除外してしまうのもちょっと厳しすぎるのではと思います。欧米のシンガーもポップやジャズの狭間で活躍している人がいると思いますので広く受け入れて欲しいものと思います。それに江利チエミも美空ひばりも持ち味は違いますが聴かせるという意味で歌は格段にうまく近年の女性歌手には、こういう味わいのボーカルを求めても満たしてくれそうもありません。

江利チエミの所属レコード会社はKINGでしたが、彼女と契約したのはKING1社だけであとのレコード会社には断られたらしいです。本アルバムには8曲が収録されていますが、彼女は6曲で歌っています。CARL JONESとのデュエットもありますし、彼女のソロもあるのですがデュエットもCARLが控え目なので江利チエミのヴォーカルを邪魔する事なく楽しめます。最初にCHEEK TO CHEEKを聴いた時は今から約50年前の日本にも洒落たボーカルLPがあったんだなぁと嬉しくなりました。江利チエミのボーカルにはどこかに明るさが表現されていて、晴れた歌声が僕を元気づけてくれます。不遇な事が多かった彼女ですがその歌声にはそういう影は微塵も感じさせずに聴かせてくれます。CHEEK TO CHEEKの曲の始まりから本アルバムは聴ける楽しめると確信させてくれます。AGAINも好きですが、この曲でナンシー梅木がデビューしたとは知りませんでした。今は店も無くなりましたが自由が丘のグリーン・スポットの故いソノてルヨ氏のライナーノートで知りました。DREAMもゆったりと歌って好感が持てます、彼女は英語が結構上手いですね。A-4はCARLのソロ。B-2のTHE NEARNESS OF YOUは彼女のソロで、この曲あたりが一番の聴きものかな。彼女の更にジャズ・テイストあふれたLPアルバムがもう2~3枚あればもっと嬉しいんですけど。

年末のNHK紅白歌合戦も江利チエミや越路吹雪が出なくなってからは次第に見なくなりました。また子供の頃、サザエさんシリーズのテレビを見ながら江利チエミの鼻の形が、僕の母親に似ていると思ったので感じたままを言うと母はそうかァ~?と不機嫌な表情になりましたが、今でも江利チエミの写真を見ると母を何となく連想してしまいます。


収録曲/A面/1,CHEEK TO CHEEK/2,AGAIN/3,DREAM/4, UNDER PARIS SKIES/B面/1, THE NEARNESS OF YOU/2, YOU.YOU.YOU/3, LOVE HER/4, STOMPIN' AT THE SAVOY/

伴奏者について触れると原田信夫がテナーを、伏見哲夫がトランペット、ピアノの大西修、竹内弘のベース、武藤敏夫のドラム、或は与田輝男、福原彰のトランペット、それにフルート・オーボエ・クラリネット・ハープを加えた伴奏で、編曲は服部克久、それにキング・オールスターズ・オーケストラです。

(お遊びで) 僕がこの女性のジャズ・ボーカルとしてのアルバムがあればなぁと思う西田佐知子ですが、そのスモークな歌声でも聴いてみてください。

最新の画像もっと見る