三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

彼女のこんだて帖を読んだ

2011-09-26 10:40:20 | 食とレビュー
〈9月15日の食事〉
朝:ピザトースト フルーツグラノーラ+ヨーグルト コーヒー
昼:パスタランチAセット(キャベツとパンチェッタのトマトクリームパスタ、サラダ、コーヒー) @bimbumbam PRIMO 飯田橋ラムラ店
夜:メカジキのカレー ナン チャイ @スルターン・飯田橋

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相変わらず、食にまつわる本を読む頻度が高い。
この日は角田光代さんの「彼女のこんだて帖」を読んだ。

テーマが「食」の短編小説集。
リレー形式になっていて、一作目の主人公が二作目ではサブキャラになっていて…と、一つ一つの話は独立しているものの、どこかで連鎖しているのが特徴だ。

この作品が、しみじみと好きだ、と思う。

食が人と人との関係を緩やかにする。
人と人との関係を修復さえする。
自分の気持ちをぶれないように正す。

現実ではそんなに上手くいかないかもしれない。
短編集である分余計に、手短に解決したなあ感があるのは否めない。
が、一方で、案外世の中もそんな風にシンプルに出来ているのかもしれないと思う。
さして特別なものがない自分の人生だって、振り返れば、何らかの思い出が刻まれて忘れられない味となった献立なんて結構あるのだ。
なんてことない一品でも。

リレー形式をとった今作は、最後の話に一話目の主人公が出てきて終わる。
悲しみの底にいた彼女が、新しい一歩を踏み出したのだと分かる。
目頭が熱くなった。

読後感の似た漫画『女の子の食卓』ともども、大切にしたい一冊となった。

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