小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

妻の手術

2013年07月06日 | エッセイ・コラム

 昨日、妻が手術をうけた。まず無事に終わって、自然と頬がゆるんだ気がした。
しかし、子宮を摘出したのは、想定外ではなかったものの、そこまで内膜症がすすんでいたことになる。事前にその可能性を指摘されていたが、子宮の組織そのものに内膜の炎症がかなり癒着していたわけだ。

私は主任医から手術の経緯を写真をまじえて詳しい説明をうけた。
手術すべて最後まで腹腔鏡手術でおこない、4時間あまりかかったが開腹せずにほぼ完璧に目的は達した、と。わたしは感謝の意を伝え、頭を下げた。

若い医師が20センチくらいの半月型のトレーを持ってきた。ピンク色した様々な形状の肉の組織が入っていた。
「これが当初の、切除する目的の、筋腫ですね。これが卵巣・・・」淡々と説明していただくが、正視するのはつらく、それを私が確認して何になるのだろうと思った。
拳骨2個分ぐらいの量で、水で綺麗に血は洗われていたが、見た目はまさしくホルモンそのものだった。
主任医が退出してから、私は妻に言われたことを思い出し、若い医師の承諾を得て、デジタルカメラで摘出したものを2枚撮った。

それからしばらして妻が病室に運ばれていったとき、看護師から声をかけるように言われたが、「よく頑張ったな」とありきたりな言葉しか言えなかった。
その後、病室に行くと上半身側に点滴が2本、下半身に2本のチューブが繋がっていて、左の人差し指にも青いプラスチックの器具がはめられていた。
枕元に血圧、心拍数、その他グラフや数値などが表示されている機械が設置されていた。

母親がくも膜下で倒れ脳外科手術したときと同じシステム構成であることを思い出した。

アートネタをブログで書く予定であったが、やはりこのことを記録しておきたい。
妻の承諾を得ていないから後で削除するかもしれない。

夜は行きつけのブックカフェでビールとバゲットのサンドウィッチで食事。ワインを2杯飲む。
新潮社100周年記念出版の伊藤晴雨の写真集を買う。ちょっと異様な神経状態だったのかもしれない。


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