小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

もっと雨を、と紫陽花はいう。

2018年06月07日 | まち歩き

 

梅雨入りとの知らせ。一日あけたら青天とはいかに。

アジサイには雨が似合う。花の色がいちだんと際立ち、生命力を感じさせる。雨しずくに濡れたアジサイの花を撮りたかった。近頃ごぶさたの田端駅南口の崖上には、紫陽花とどんぐりの穴場があるのだ。

▲田端駅近く

「紫陽花」の字を当てるアジサイは、青色がやっぱり格上かと思いきや、いやいや赤もいい。そのどちらでもない、紫色のアジサイも捨てがたい。咲き始めの頃の、黄色、白色が混在した微妙な色合いも美しい。咲きはじめの淡い色から花盛りの鮮やかな色合いと、この時季には際立つ花である。

「紫陽花」はたぶん当て字であろう。万葉集には「味狭藍」なる当て字もあり、ほかにも「安治佐為」「阿豆佐為」「安知佐井」がある。今となれば、高貴な色とされる「紫」という字が使われる「紫陽花」でよろしかろう。春には、紫色の花は多彩だが、夏場では「桔梗」や「茄子」ぐらいしか知らない。

▲実際にはもっと鮮やかなんだが・・。


青と赤を混ぜれば紫になるのは常識だが、どうしてアジサイが青と赤の系統になるのか調べたことがある。もちろん種としての遺伝子が作用しているだろうが、アジサイの色は、土壌が酸性度が強いと鉄分やアルミニウムが溶けて、花の色は青系統になるという。雨が降るとアルミニウムをいっそう吸収し、より鮮やかな青みが増すのである。

逆に土壌がアルカリ性だと逆の現象で花の色は赤味がますそうだ。つまり、青系の紫陽花は酸性に、赤系のものはアルカリ性の土壌にすると発色がよくなる。白系は? 記述はなかった。(以上、参考図書:『花合わせ実用図鑑』(六曜社)『いけばな花材総辞典』講談社 その他)

 

▲額紫陽花(ガクアジサイ)、日本の固有種とされる。中心に密集していて、紫っぽい小さな花が咲く。大きく赤いのは装飾花といい、萼(がく)の部分。


▲駅から動坂方面にいく途すがら、白色が鮮明なアジサイに出くわす。

  赤いアジサイは少なかった。西洋アジサイは、アルカリ土壌を保たねば、きれいな赤を発色しないという。


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