こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

お彼岸のお話

2005年03月18日 | 仏教
お彼岸(おひがん)


自己中心的な思いや行動が原因で
引き起こしてしまう悩みや苦しみ。
そんな自分の状態から(この岸)、
苦悩を克服した安定した自分(かの岸)
をめざして行きましょう、・・・
ってのが、お彼岸という心の修養期間
だと思います。

自分という存在が、計り知れない
つながりによって初めて生かされ、
そして輝くことが出来るという真実を、
先祖供養という形で、ご先祖様に心を
向けることで、体感する。お彼岸の
期間には、そんな意味もあると思います。

私は、季節の大きな変わり目に、この
ような修養期間をことさらに設けてある
ことに、昔の日本人の感性のすばらし
さをつくずく思います。

今日は、地元の小学校2校の卒業式。
6年間のまなび舎に別れを告げ、
新しいステージへとステップアップする
ための厳粛な儀式。春の彼岸に、
子ども達はさまざまな思いを胸に、
大きな一歩を踏み出すわけです。

中学高校、または大学を卒業し、
さまざまな職業に就職する若者達。
彼らにとっては、初めて社会へと参入
する大きな大きな節目。さまざまな保護
の中で生きることの出来た学校生活と
別れを告げて、きわめてシビアな社会生活
へとステップアップする節目です。
現実的には、これからが、本当の学びの
日々かも知れません。

寒く厳しい冬を堪え忍んできた植物の
種子たちは、気温の上昇とともに発芽の
支度を整え、堅く結んだ花のつぼみは、
お彼岸の季節を境に、徐々にふっくらと
膨らみ始める。

こんな命の営みが大きく様変わりする時節に、
私たちの心のあり方を見つめ直し、
よりよい方向へと導いていこうとする行事。
それがお彼岸にほかなりません。

その具体的な取り組み方として、
ひとつの基本となるのが、「六波羅蜜」
(ろくはらみつ)といわれる6つの徳目
です。心の開放に向けて、少しずつ
少しずつ、一歩一歩地道に、しかしながら、
その歩は確実に前進して、目的地までの距離
を確実に縮めて行く歩み。こんなふうに、
めざす目標に近づいていくことそのものの行為を、
「方便」(ほうべん)といいます。
方便という言葉は、仏教用語なんですね。
普通は、「嘘も方便」みたいな便宜的な
手段の意味、ではなかったんですね。

6つの徳目とは、
布施・持戒・忍辱・精進・禅定・般若。  
これを日常の生活の中で実践できれば、
安定した心の開放が可能になるという
わけである。
・・・春彼岸 菩提の種をまく日かな
ここにいう菩提の種って、この6つの種
なんですね。

余談ですが、六波羅蜜は、六文銭と関係
しています。亡くなられた方の持参する頭陀袋
の中に入れる六文銭です。三途の川を渡るための
渡し船の乗船チケット料が六文ほど必要なんですが、
このことの裏側には、この世でどのくらい
六波羅蜜の修行に勤めてきたかどうかに深く
関わってくるそうです。要するに、
生前中に、努めて信仰的生活(六波羅蜜行)
を送った人には、この三途の川を難なく
渡るための保証がある、というわけ。

みなさん、生前中に稼いだお金を、
6万円持参しようが、600万円持参しようが、
はたまた6億円持参したとしても、
三途の川のチケットは頂けそうもありません。
・・・・・
日々の生活の中で、心の修養に勤めることこそ、
かの岸(あの世)へ渡るため保証になるようです。


*注:一般には、
   六文銭とは、三途の川の渡し賃
  (死者に硬貨を六枚持たせた風習)
   のことで、現在は、紙で作られた一文銭
   を六枚準備して納棺する地域もある。
   
   あるいは、
   生きとし生けるもの(六道の衆生)
   がすべからく幸せであるようにとの願いを
   託したもの。

   六道=地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天
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黒崎義介展in平戸城下

2005年03月17日 | つれづれ
平戸文化協会の会長さん、町田雅之から、
ご案内を頂きました。

現在、平戸文化センターにおきまして、
平戸市出身、黒崎義介画伯の生誕100年を記念して、
「黒崎義介展」を開催中。

その一つ一つのすばらしさに触れるにつけ、
どうしてこれまで、誰もこの展覧会を
生地である平戸で開催しなかったのだろう、
と憤りにも似た気持ちを抱いたことでした。
内容的には、作品の殆どを提供してくださいました

来場者からも、たくさんの賛辞をいただいております。
どうか一人でも多くのみなさんにご覧いただきたいと思います。

特に、絵の好きな子供さんに来ていただけたら
黒崎画伯もきっと喜んでくださるだろうと思います。

ちょっと詳しい内容は下記をクリックしてみてください。
http://machidabisoh.com/yoshisuke/

3月25日まで、入場無料です。
(毎日、午前10時から午後7時まで)
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

*********************************************
(有)町田美装工芸社  町田 雅之
Machidabisohkohgeisha Machida Masayuki
〒859-5111 長崎県平戸市浦の町693
693 Urano-Cho Hirado-shi Nagasaki-pref
tel.+81-(0)950-22-2378/fax.+81-(0)950-22-2362
Mailto:info@machidabisoh.com
http://machidabisoh.com/
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
看板屋が作った看板作りのサイト
http://kanban-nagasaki.net/
*********************************************
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巨大な風見鶏、風力発電

2005年03月16日 | つれづれ
先月の晦日から供用がスタートした、
鹿町ウインドファームの風力発電所。

車を運転していても、散歩していても、
必ずと言っていいほど、視界に入ってくる。

でっかいしねえ、15基もたってるし、
当然といえば当然だが。

シュン、シュン、シュン、と
回り始めた当初は気が付かなかったけど、
あれって風向きにあわせて方向を修正するんですね。

いつも右回りに回転していた三枚羽ねが、
ある時、突然左回りに廻っている。
「あれれれえ?・・・右回りに飽きたのかなあ?」

よく見ると、ずっとこっち向いてたのが、今日は、
お尻を向けそっぽ向いて回転してる。
「あらまあ、今日はオーストラリアの方に向いてるぞ!」
(・・・ってちょっとおおげさか)

供用開始の頃は冬型の気候で、
もっぱら北風を受けて廻っていた風車。
ここ何日かは、寒くなったり暖かくなったりの
繰り返しで、三枚羽ねはあっち向いたり
こっち向いたり。

今日は午後から、北よりの風から南よりの風に
変化していった模様。
なぜかというと、
お昼過ぎ風車を見たら、
ほとんどの風車の羽が停止して、
少しづつ、少しずつ、ほんのちょっとずつ、
向きを変えていたから。

季節の変わり目では、
特に風向きも著しく変化するだろう。
その変化にあわせて、
15基の扇風機もこまめに
方角を変えていくわけだね。

身体はデッカイくせに、まめだねえ。

折々の風向きを、
ウインドファームの風見鶏が
教えてくれる。
環境にやさしいエネルギー供給に
とどまらず。

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子は親の鏡の原文

2005年03月14日 | 仏教
つる様からご教導いただきました。
せっかくですから、
ここにペイストさせていただきます。

CHILDREN LEARN WHAT THEY LIVE



by Dorothy Law Nolte



If a child lives with criticism,
he learns to condemn.

If a child lives with hostility,
he learns to fight.

If a child lives with fear,
he learns to be apprehensive.

If a child lives with pity,
he learns to feel sorry for himself.

If a child lives with ridicule,
he learns to be shy.

If a child lives with jealousy,
he learns what envy is.

If a child lives with shame,
he learns to feel guilty.

If a child lives with encouragement,
he learns to be confident.

If a child lives with tolerance,
he learns to be patient.

If a child lives with praise,
he learns to be appreciative.

If a child lives with acceptance,
he learns to love.

If a child lives with approval,
he learns to like himself.

If a child lives with recognition,
he learns that it is good to have a goal.

If a child lives with sharing,
he learns about generosity.

If a child lives with honesty and fairness,
he learns what truth and justice are.

If a child lives with security,
he learns to have faith in himself and in those about him.

If a child lives with friendliness,
he learns that the world is a nice place in which to live.

If you live with serenity,
your child will live with peace of mind.


(ふわ~、なんだか海外サイトちっくう~!
おぉーイェイ!!)
コメント (7)
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関わり方

2005年03月12日 | つれづれ
 地域が主体になって、子どもたちと関わっていくには、
どのようなあり方が理想なんだろうか?
 具体的なプログラムとして、どんなことが可能であるのか?
 地域の人材や、施設、行事などとの関連性も考慮しなければ
いけませんが、ひとつのたたき台として、模索してみたいと思います。

(まーた、何をたくらんでるんだかあ・・・。)
と思われる向きもおありかと存じますが、
・・・お察しの通りにございます。

 え~と、大枠のスタイルとしては、
地域の大人たちが、子どもたちに伝えたい思いや、
技、・・・等々を、土曜日の午前中に、
地域の各学校スペースや、
施設、山、海、などを会場に、伝承していく。

 今回、まずは中味から。

 先日来、頻繁に話題に上がっておりました
「五育」という明治時代頃に提唱されていた
ベースを、この際、無批判に利用さて頂くことにします。

 まずは、
<食育>・・・
*お寿司を握ろう(寿司屋のオヤジ)
*自然食材のランチづくり(食改グループ)
*世界の料理・フレンチ(コックさん)
*春の山菜を楽しむ。(薬草会)

<体育>・・・
*太極拳(中国の人)
*カヌー競争(海洋クラブ)
*グランドゴルフ(老人会)
*オリエンテーリング(体育指導員)
*水泳(高等学校水泳部)
*ウォークラリー(PTA保体部)
*ハンドボール(高等学校ハンドボール部)

<知育>
*郷土史(郷土史家)
*おもしろ日本語(国語科教師、元教師)
*昆虫の世界(昆虫写真家、昆虫博物館)
*楽しい英会話(ALT、留学経験者)
*おもしろ算数(数学科教師、元教師)
*おもしろ科学(科学科教師、元教師)
*政治や経済(役場・町長・企画課長)

<才育>
*楽器で遊ぼう(音楽家)
*マンガをつくる(イラストレーター・漫画家)
*芝居をやってみる(演出家)
*歌や表現(舞台関係者)
*庭木の剪定(造園業者)
*昔の遊び(老人会・オヤジの会)
*大工さんになる(大工さん)
*左官さんになる(左官さん)
*ペンキやさんになる(ペンキやさん)
*看板をつくる(看板や)
*米、野菜つくり(農家の方)
*魚を釣る、養殖する(漁師)

<徳育>
*大人の人生講話(オヤジの会、女性の会)
*ゴミ拾いウォーキング(環境課・保護者)
*実の生る木々を植林しよう(植林組合)
*パソコンの使い方(スキルマン)
*座禅・写佛


内容として、他にどんなことが考えられるかなあ?




コメント (13)
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