いけない事とは知りながら、、、盗撮

その従事している職業によって、本来持っているはずのない性格が徐々に付加されることがある。

徳さんの場合、自分でも問題だなと思うのは、いつの間にか、すっかり薄情な人間になってしまっていることだ。
患者さんの多くは痛みを訴えて来院する。
その患者さんをさらに痛めつけることが仕事になっている。
もちろん、痛みを取る事が目的なのだが、、、。

患者さんが痛みの雄叫びを挙げても涼しい顔をしている。
主訴の痛みには配慮しているのだが、施療による痛みに関しては表情を変えない。
矛盾しているな、と思うこともある。

無痛カイロがあることも知っている。
体に軽く触れるだけで痛みを取る施療法がこの世にあることも知っている。
気功なんてのは、患者さんの体に触れもしない。

しかし、徳さんの身に付けた施療は、痛みをこらえてもらわなければならない時もある、という種類のものだ。
この場を借りて、お願い。

『こらえてつかわさい』

性格が変わったというのではないが、行動が変わったというのがある。
挙動不審なジジイになってる。
街を歩いている時はやたらと他の通行人の足元を見る。
前を歩いている人の、歩き方や、靴の選び方を批評しながらブツブツ言ったりしてる。
ハイヒールで闊歩しているお嬢さんのヒールの軸が斜めになって、歩くたびに足首がグイグイと揺れたりしているのを見たりすると、もうきが気じゃない。

そして、今回は盗撮という犯罪行為に、、、。

お疲れの仕事帰りのおっさん。
完全に熟睡状態なのはいいが、これはもうオットセイ。
上部胸椎の関節があまりに固くなっているため、ここまで顎を上げなければ楽な呼吸が出来ないのだ。
肺や心臓への負担はかなりなもんだ。

何とかご注意申し上げたいのだが、今度は都会の非情さが邪魔するのです。



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