カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

高橋克彦 『火怨』 講談社

2015-07-06 16:45:42 | 本日の抜粋
徳さん、例によって泣いてしまった。

蝦夷復権の歴史小説である。
舞台は、平安時代の幕開けの前後。
英雄譚でもあるので、登場する人物の多くがえらくカッコイイ。
上下巻の物語の本当の後半以外は、他の歴史小説とあまり変わりはない。
主人公たちは皆とてつもなく強く、正義感も強く頭も切れる。
とくに戦いの作戦はハラハラドキドキで唸らしてくれる。

でも、ニヤニヤしながら読めたのはここら辺まで。
後半百ページほどはほとんど泣きながら読んだ。
(蝦夷から戦いを挑んだことは一度もなく、一方的な防戦の戦いだったことから、沖縄のあれこれを心の片隅に散らかせながら)



蝦夷を援助する物部氏の棟梁、天鈴の言葉  
*****
「どれほど悲惨な敗北を喫したとて帝は戦場を知らぬ。死んだ兵も書状に記された数に過ぎぬ。百が千に増えようとさしたる違いはない。だからこそ次の戦さができるのだ。目の前で首が飛び、胸を槍で突かれた者を千も見れば戦さなどしたくなるだろう。無慈悲と言えば言えるが、それが敵の強さだ」
  *****

蝦夷の若き指導者阿弖流為(アテルイ)の言葉
  *****
「それぞれがなにかを捨てねばならぬということだ。我らばかりではない。兵らのすべてがなにかを捨てている。いや、兵の身内とて同然であろう。蝦夷の皆がなにかを捨てているに違いない。そういう我々が国を豊かにできると思うか?それが俺には気になりはじめた。なにをすればよいのか……俺にはなに一つ見えてこぬ」
  *****

阿弖流為の義兄で蝦夷軍の作戦参謀の言葉
  *****
「まさかわざと孤立を装うなどだれにも考えつかぬ。それで我らばかりが朝廷に抗う者となれば、他の蝦夷らはもはや逆賊ではなくなる。朝廷も我らを退治するためには仕方なく他の蝦夷と手を組まざるを得なくなる。そうなると同盟軍。同盟を結んだ蝦夷を処罰はできぬ。むしろ今後は味方として丁重に扱うことになる。筋道は簡単だが、そのからくりを田村麻呂が思い付くには、阿弖流為の心底に踏み込まねば無理であろう。他の蝦夷を救うために自らが巨大な悪となって果てる覚悟であるなど、だれにも想像が及ばぬことだ。ましてや、兵を率いて派手な戦さを繰り返す阿弖流為が、この世で一番に戦さを止めたいと願っている男などとはな……これで我らさえ果てれば戦さはすべて終わる」



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