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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

岡山県立大学大学院「災害医療援助特論」公開講座第2講 大政朋子講師

2012-09-16 09:48:26 | ボランティアとアムダ
9月15日 岡山市にある国際文化交流センターの2階を会場とした公開講座の第2講義は、
AMDAプロジェクトオフィサーの大政朋子講師です。
大政オフィサーは、昨年の3月被災地に入り、以後1年半の多くの時間を東北で過ごしています。
タイ大洪水の緊急支援にも行かれていましたね。
職務は日本語でいえば調整員。
コーディネーターという意味に近いのかもしれないが、職務内容は調整するだけでなく被災地の人々と一緒にことを前進させることであり単にコーディネイトということではない。
近くで拝見しているとこの調整員という業務はとても重要です。

AMDAはローカルイニシャティブを重視します、
それは被災地に入って被災者の方々の話を聞いて活動を始めるという行動原則です。

そして、そこ行動を支えるもうひとつの原則がネガティブリストです。
この言葉は、ボランティアとして参加することで初めて知りました。
ネガティブという言葉にネガティブに反応したのですが、ネガティブリストとは、決してネガティブな行動原則ではありません。
ネガティブリストとは行動してはいけないことが3つ書いてあるリストです。
すなわち、3つ以外はすべて行動してよいというリストです。
その3つのリストとは、
1.被災者に対して医療事故を起こしてはならない。
2.被災者に迷惑をかけてはいけない。
3.他の派遣者の創意工夫を邪魔しない。

この3点を守れば、なにもしてもいいということです。

一方、ポジティブリストとは、行動することが限定されているリストです。たいていの業務はこのポジティブリストに則して行動しています。

大政オフィサーの活動報告にこの行動原則にそったかたちになっています。
1.AMDA大槌健康サポートセンターの活動
2.仙台市での震災ホームレス支援
3.被災地相互間交流
4.鍼灸師訪問治療の拡大
5.同世代交流
その他、いっぱい。

一見脈絡のないと思える行動をとることができるのはネガティブリストという行動原則があるからです。
そしてつながりがないと思われる行動がもうひとつの原則であるローカルイニシャティブの基づいている限り、被災者にとって必ず意味のある行動となるのです。

つづく

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