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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

堤未果さんの観たアメリカ 

2010-12-18 23:56:52 | 世界のなかま


堤未果さんの講演会の主催は、市職労でした。
3年越しのラブコールで岡山に来てもらったとのこと。
よくぞ、来ていただいた。

演題は「希望をみすえ、貧困と格差社会を考える」
もちろん、アメリカ社会を通してである。

「なぜ、アメリカを凝視するか」
アメリカは日本の五年先を進んでいる。
アメリカで進行していることは間違いなく日本の未来だと。

アメリカは大変なことになっている。
ニューヨークでは10人中6人が失業している。
全米の失業率は10%以上。若者は25%以上という。

「この状況をつくりだした源はリーマンショックか」
いや、リーマンショックは通過点でしかない。
源は、2001年9月11日だ。
この日を境にして、アメリカの中間層は没落を始めた。
アメリカは、人種格差から経済格差へと変わった。新たな二極化だ。

「アメリカは人間に投資をすることを止めた」
私は、9.11の時、ツインタワーの隣の世界金融センタービルの20階で業務を始めていた。
勤務先は野村証券。
飛行機の突入とともに、震度6クラスの激震に襲われすべてのモニター画面は真っ黒になり
「アラート」が表示された。
何が起こったのか、理解できないが、とんでもないことが起きたのは確かだった。

9月11日は大変恐ろしい日だった。
だが、もっと恐ろしい日が12日だった。

すべてのテレビの画面が、炎上するツインタワーと実行犯達の映像を繰り返した。
ブッシュは「テロとの戦争」を宣言した。
しかし、テロリストは目に見えない。
隣人かもしれない。
人々は、拳銃を買った。1丁では不安で2丁、3丁となった。
そして、枕の下に隠した。
ブッシュの支持率は92%に急上昇した。

議会は、とんでもない法律を通していた。
反対できる雰囲気はどこにもなかった。

「愛国者法」(パトリオット・アクト)。
かつて日本にあった治安維持法である。

治安維持の対象は、テロリストというわけにはいかない。
全国民が対象になった。
個人情報が、図書館の貸出履歴が、e-メール、電話が盗聴できるようになった。
監視カメラが全米で3000万台増設された。

この状態はオバマ政権後も継続されている。
テロとの戦いに終わりない。
誰も終戦宣言などしないのだから。


つづく。

※昨日の岡山城と後楽園。この近くで講演会があった。

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