
東日本の方々から見れば、岡山も広島も同じような県と思われるかもしれませんが、
まったく異なると言っていいでしょう。
特に地理的にはそう言えます。
山陽新幹線に乗られて西に進むと、岡山県までは風景が見えますが、広島県に入ると
トンネルの中が多く景色が見えないと思いませんか。
新幹線は、岡山南部の平野部を通ります。
広島には平野部は少ないですね。特に岡山県境から広島市にかけてがそうです。
岡山の平野部は、3大河川(東から吉井川。旭川、高梁川)からのたい積と新田開発です。
広島は、太田川以外に大きな河川がありません。
山並についてです。
広島は急峻な山が多いです。そして高い。例えば、呉の近くの野呂山は、標高800mあります。
昨年、この山に登って驚きました。六甲山のような高度感です。
岡山ではせいぜい400mです。
ただ、花崗岩で形成されているという点ではあまり差がないと思います。
この二県の地理的な違いが災害の違いに直結しています。
平野部が少ないながら人口増となった広島は、本来住宅を建設するには不適な地(山際)に造成していきました。
土砂災害を防ぐために作られた砂防ダムもありますが、それが破られれば、大災害に直結します。
毎年続く豪雨には耐えられないことになりました。
広島型災害は、治水と宅地造成という根本的な課題を抱えており、短期間で解決することはできません。
減災です。住宅開発の制限、住宅移転を断行する必要があります。
岡山県の課題は、治水です。
毎年のように、大雨→洪水警報が発令されます。
避難勧告をする人数は、すぐに10万人を突破します。
そんな大勢が避難できるのでしょうか。
例えば、私が住んでいる地区は、笹が瀬川と旭川に挟まれており、どちらも決壊する可能性があります。
しかし、平野部ですから、高台に避難することも容易ではありません。
垂直避難ということになります。避難所として小学校が使われますが、堅牢中層の建物ですので避難適地です。
ただ、今回の真備町のように4mの浸水となると、高齢者や障碍者にとっては自宅での垂直避難では命取りになりかねません。
ハザードマップは単なる最大浸水想定図ととらえていましたが、現実のものとなりました。
先のことではありません。
来月いや明日、現実になるかもしれません。
岡山も広島と同様に減災しかありません。
そのために何ができるかを早急に考えることです。
治水は昔から国や自治体の責任で行われる事業です。
これを誤ることは許されません。
住民は、モノ申さなくてはなりません。
最終的には自らの決断を求めれるわけですから、日ごろからの準備がもっとも大切です。
「備えよ、常に」
※倉敷市真備町、小田川の支流決壊箇所です。