名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

山里の春雪

2009年03月25日 | セカンドルーム

 

 

昨日の好天と打って変わって、雲に覆われた暗くて寒い朝になった。
7時頃、散歩から戻って来たら、大粒のぼたん雪が降り始めた。


天気予報では、週末まで雪だるまが並んでいたので、しばらくは冬日が続きそうだ。
春を迎える準備でうきうきすることもあったが、またお預けのようだ。
春の遅い飛騨では、1ヶ月遅れでひな祭りが行われる。


高山の観光施設には、商家や旧家の豪華なひな壇が飾ってあるが、この集落では質素で素朴な土雛が飾られている。
老夫婦だけの家でも、4月3日まではひな壇を飾りアサツキなどが添えられている。
飛騨では桃の花も未だ咲かないので、雪を割って真っ先に出てくるアサツキを飾る風習がある。


古い土雛は手垢で汚れ、色も褪せているが、手垢や疵の一つ一つに、貧しかったが家族が寄り添って暮らしていた頃の思い出が詰まっているので、捨てる人は居ない。
遠くの町で暮らす子供や孫たちは、もう戻って来ることはない。
春雪のひな飾りに春の華やかさは無く、女の哀しみだけがしみじみ伝わってくるようで切ない。

コメント (4)
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